【裁判所も認めた!世紀の謀略「小沢事件」全内幕】「調書」大量却下で小沢元秘書3人の量刑はどうなるのか
日刊ゲンダイ2011年7月12日
●大久保、池田「無罪」、石川「罰金刑」なら猛烈な検察批判が起きるゾ
東京地裁が供述調書を大量却下した「決定書」は、元秘書3人の量刑にどう影響するのか。小沢元代表本人の無罪が確実視される中、元秘書たちの無罪もあるのか。
「大久保隆規元秘書の無罪は確実」と言うのは、元東京地検特捜部検事で名城大教授の郷原信郎氏だ。大久保氏は陸山会の会計責任者だったが、報告書の作成は当時の秘書だった石川知裕議員と、その後任の池田光智元秘書に任せ切りだった。
「地裁は今回の決定書で、石川氏と池田氏が大久保氏に報告書の虚偽記載を『報告、了承された』と認めた調書を全て却下しました。検察側は大久保氏を聴取した改ざん検事の前田恒彦受刑者の調書の証拠申請をすでに見送っています。他の秘書と虚偽記載を共謀したとして、有罪に問える材料がもはやひとつもないのです」(郷原氏)
検察に詳しいジャーナリストの魚住昭氏も、決定書を熟読した上で「大久保氏の無罪は間違いない」と言い切った。
現職議員である石川氏はどうか。「唯一の不安材料は、04年分の報告書で問題となった『10月29日、金4億円、小澤一郎』という借入金の記載についての認識です」と魚住氏がこう言う。
「決定書で石川議員の逮捕後の調書はほとんど却下されましたが、逮捕前の任意調書は証拠採用されています。検察は問題の記載を『りそな銀行から小澤一郎名義で借りた金。小沢本人からの借入金は記載していない』として起訴。石川議員は公判で『文字通り小沢本人からの借り入れ』とし、『不記載にはあたらない』と主張しました。しかし、採用調書で石川議員は『小沢本人からの借り入れを記載』と主張せず、『当時は忙しかったので書き忘れた』との記載が出てくる。この調書をもって、裁判所が不記載を認定するかは微妙なところです」
とはいえ、検察側に有利な材料はこの一点のみ。「水谷建設からの裏金を隠すため、秘書3人が共謀して収支報告書をごまかした」というストーリーは完全に骨抜きとなり、残ったのは石川議員の記載ミスだけ。池田氏にいたっては、逮捕した理由すら見当たらない。
郷原氏は「仮に記載ミスで石川議員が有罪になっても罰金刑が関の山」と語り、魚住氏は「罰金刑でも、公民権停止の付かない軽い処分の可能性もある」と言う。
今月20日の論告求刑。検察側がどうするのか見ものだ。 *強調(太字)は来栖
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◆検察改革 捜査・公判を根本から問え/陸山会事件〜検察側供述調書、地裁が証拠不採用2011-07-13 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
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