Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10101

藤原正彦著『日本人の誇り』 米国の巧みな洗脳により、自国を「恥ずべき国」と言い放つようになった日本人

$
0
0

〈来栖の独白〉
 『日本人の誇り』藤原正彦著(文春新書)は、秀逸なる一冊である。優れた日本人が先の敗戦以後、アメリカの巧みな戦略(洗脳)により、歴史観、事実認識をいかに歪められ、自国を「恥ずべき国」と言うようになったか、その辺りが身近なエピソードも交え、検証されている。

p58〜
 「明治・大正・昭和戦前は、帝国主義、軍国主義、植民地主義をひた走り、アジア各国を侵略した恥ずべき国。江戸時代は士農工商の身分制度、男尊女卑、自由も平等も民主主義もなく、庶民が虐げられていた恥ずかしい国。その前はもっと恥ずかしい国、その前はもっともっと・・・」
 占領後、アメリカは米軍による日本国憲法制定を手始めに、言論統制、「罪意識扶植計画」等により、日本をアメリカに都合の好い属国に造り替えてゆく。
p63〜
 GHQすなわちアメリカはまず新憲法を作り上げました。GHQ民生局が集まり1週間の突貫工事で作ったのです。憲法の専門家はいませんでした。まず前文に「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と書きました。アメリカは他国の憲法を自分達が勝手に作るというハーグ条約違反、そしてそれ以上に恐るべき不遜、をひた隠しにしましたが、この文章を見ただけで英語からの翻訳であることは明らかです。「決意した」などという言葉が我が国の条文の末尾に来ることはまずありえないし、「われら」などという言葉が混入することもないからです。いかにも日本国民の自発的意志により作られたかのように見せるため、姑息な姑息な偽装を施したのですが、文体を見れば誰の文章かは明らかです。そのうえ、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」と美しく飾ってみても、残念なことに「国益のみを愛する諸国民の権謀術数と卑劣に警戒して」が、現実なのです。
 ともあれこの前文により、日本国の生存は他国に委ねられたのです。
 第9条の「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」は前文の具体的内容です。自国を自分で守らないのですから、どこかの国に安全保障を依頼する以外に国家が生き延びる術はありません。そして安全保障を依頼できる国としてアメリカ以外にないことは自明でした。すなわち、日本はこの前文と第9条の作られたこの時点でアメリカの属国となることがほぼ決定されたのです。この憲法が存在する限り真の独立国家ではありません。中国に「アメリカの妾国」と馬鹿にされても仕方ないのです。(〜p64)

 「護憲」などと言って何の疑いも抱かない、アメリカによる戦後洗脳教育の優等生に読んでもらいたい覚醒の書だ。彼ら優等生は、「戦争放棄を謳う憲法前文・9条こそが、日本を護る」と信じているようだ。が、国際社会はこの上なく腹黒い。「核心的利益」を図る国々は、鵜の目鷹の目で日本を属国、あるいは植民地化しようと企んでいる。中・米・韓・ロ、南沙諸島・西沙諸島、果ては南スーダンを見るとよい。一目瞭然だ。「「平和を愛する諸国民の公正と信義」など、この地上のどこにも存在しないことを知らねばならない。
.................
李・韓国大統領:竹島問題念頭に「正しい歴史を」2011-08-15 | 政治〈国防/安全保障/領土〉
中国が管轄海域と主張する南シナ海の「牛の舌」/中国は、その誇大な主張の後ろ盾となる軍事力を有している2011-08-03 | 国際/中国
軋む世界/巨額の財政赤字、国防費削減を迫られる米国/経済力をバックに軍備拡張を進める中国 2011-07-31 | 国際/中国
南シナ海 「ASEAN」で、中国の専横封じよ/中国は、その誇大な主張の後ろ盾となる軍事力を有している2011-07-25 | 国際/中国
「核心的利益」中国は主権や領土に関わる問題で外国に妥協しない姿勢を強めた2011-07-18 | 国際/中国
欧米と距離を置き、東へ軸足を移すドイツ / ドイツの国益と欧州の国益2011-06-13 | 国際/中国
原発保有国の語られざる本音/多くの国は本音の部分では核兵器を持ちたいと思っているようであり2011-05-10 | 政治〈国防/安全保障/領土〉
北方領土の軍備強化開始へ--沿岸防衛に対艦ミサイル=ロシア2011-05-13 | 政治〈国防/安全保障/領土〉


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10101

Trending Articles