【島が危ない 第1部 再び対馬を行く(5)】韓国人客増加「漁師にマイナス」
産経ニュース 2014.1.23 09:07
長崎県・対馬の漁民を取り巻く自然環境と人的環境が日に日に厳しくなっていることはすでに報告したが、それに輪をかけて漁民を悩ませているのは韓国人らによる違法行為だ。
厳原(いづはら)町漁業協同組合の二宮昌彦組合長(55)は、韓国人観光客が年々増えていることに、ある程度の経済的効果を認めながらも、「漁師にとってはマイナスだ」という。
観光客に交じって来島する何万人にものぼる釣り客が問題で、外国人による撒(ま)き餌を禁止している「外国人漁業の規制に関する法律」(外規法)を破るケースが横行しているというのだ。
二宮組合長によると、海底に残った餌が岩に付着して海藻がはえなくなるなど、自然環境に影響が出るほど過剰な撒き餌が行われているという。
「水産庁に外規法を厳しくして取り締まる機関を作ってくれと言いよるとですよ。でも、外国人の魚釣りの件は地元で調整してくださいという感じ。国自体が調整をしきらんのに、地元が調整しきるわけがないじゃないですか」
二宮組合長はさらに、たたみかけた。「韓国に気兼ねをしてなのか、反対に外規法を取っ払うみたいな話があるようです。もし、外規法をなくした場合、韓国人の釣り客はもっと押し寄せてくるでしょう」
一方、漁業不振で漁に出るのをやめた漁師の中に韓国人釣り客の違法行為を手伝う者も出てきたという。
二宮組合長によると、対馬にはこれまで、韓国資本で遊漁船を営む7つの業者があったが、厳原町漁協の中からも昨年だけで組合員4人が遊漁船の許可を取得し、韓国人釣り客の水先案内人をしているという。
「韓国人を案内した方が確実にお金になるでしょ。これからも増えますよ。もし、外規法がなくなるような事態になると、間違いなくもっと増えますね。いずれ、漁師がいなくなってしまうか、韓国に雇われるようになってしまう」
まさに踏んだり蹴ったりの状態が続いているのだ。
*巻き網漁被害も
対馬漁民の足を引っ張っているのは、韓国人釣り客だけではない。
対馬市議会の作元義文議長(64)は、対馬以外の地域から来る日本の漁船の大がかりな巻き網漁による被害も大きいと訴える。
作元議長によると、巻き網漁は大臣許可が必要。対象は、昭和30年ぐらいまではアジとサバとイワシだけだったが、その後、魚種に「その他の項」が入り、今ではタイ、ブリ、マグロも取るようになったという。
「対馬は一本釣りと定置網とイカ釣り、あとはマグロの養殖とか、自然を守る漁法ばかりや。(巻き網漁は)船も網もどんどん大きくなり、設備もハイテクになっているのに、法律は昔のまま。巻き網で取る数量を決めるとか、時期を決めるとか、見直してもらわないと」
マグロの養殖と一本釣りを中心に漁業を営む吉村元嗣さん(63)も「大手水産会社の子会社みたいな立場でやってきては、ごっそり取っていく。ところが政府は何ら手を打とうとしない。やりたい放題ですたい。巻き網をやめん限りは本当の資源の回復にはならんと思うとるとです」と声を荒らげた。
*漁業が安保直結
海は、いつ何時、他国からの不法侵入など不測の事態が勃発するか分からない危険性もはらんでいる。
45年間、イカ釣り業を営む築城哲則さん(63)は「今は見かけないが、過去には不審船を多く見かけた。外国船が動かないで同じ所に止まっているんですね」という。吉村さんも「韓国の漁船も以前のように頻繁ではないが、来ますよ。10年前から20年前はひどかったです。日本の警備艇や韓国の警備艇が来ると、逃げるとです」。
市議会の国境離島活性化対策特別委員会委員長の長信義市議(64)は、こう警鐘を鳴らした。
「魚が取れない上に、燃料が高いというダブルパンチで、漁に出られないという現実がある。さらに韓国人釣り客らの違法行為がある。(漁師が)沖に出きらんから、国境に面している島がこのままでは危ないですよと、私たちは言いよるわけですよ。沖に出て不審船や何かを見つける役割を果たしているのは実は漁民なんです。漁師が沖に出られないとなると、無防備になる。海上保安部の代役をしてきたのが実は漁民なんですよ」
漁民は安全保障の“目”であり、漁業不振は安全保障に大きな影響を与える危険性をはらんでいるのである。(宮本雅史)
◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 「日本人漁師守れ」 自国の海を守ることに躊躇してはいけない 山田吉彦 2013-03-28 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
山田吉彦 警備体制を構築し日本人漁師守れ
産経新聞【40×40】2013.3.28 08:25[環境・エコ]
長崎県の離島・壱岐島は、知る人ぞ知る黒マグロの産地である。この壱岐島の勝本漁港に今年1月13日、重さ310キロもの巨大クロマグロが水揚げされた。壱岐島では、時々、200キロ超のマグロが上がるが、300キロ台は6年ぶりだという。釣り上げたのは、中村稔さん。ひとりで船を操り、玄界灘の巨大マグロに挑む漁師だ。中村さんの船は、4・9トン。数時間にわたる激闘の末、見事、釣り上げた。
近年、壱岐島のマグロ漁師たちが海の異変を感じている。その一つは、以前よく釣れた小型のマグロが激減したことだ。手釣りの小マグロは、蓄養業者が高値で買い取るため、一時期、乱獲が危惧されたが、現在ではマグロ資源の確保のため自重している。小マグロが減れば、いずれ大マグロが獲(と)れなくなることは必然だ。
漁師たちが、小マグロの減少の理由として考えているのは、日本海で行われている巻き網を使ってのマグロ漁と東シナ海での中国漁船の乱獲である。中国漁船は、トラ網と呼ばれるひき網漁を行い、回遊魚を文字通り一網打尽にしているのだ。特に東シナ海中部は、クロマグロの産卵場である。小マグロ減少の一番の原因は、産卵期のマグロを捕獲しているためではないかと分析する。
たしかに中国漁船が東シナ海中部で大規模に漁をはじめたのは2010年以降で、小マグロの不漁が始まった時期と重なる。東シナ海中部は、日中漁業協定において暫定水域となっているため日中がそれぞれの国の漁船をそれぞれの国のルールのもと管理することとなっている。中国漁船団に自制がないことは、中国漁民と韓国警備当局とのトラブルが頻繁に起こり殺人事件にまで発展したことでも明白だ。もっと厳格な漁場管理体制を敷かない限りトロの味も分からない中国人にマグロを獲り尽くされてしまう。
また、日中の漁民同士の衝突となりかねない。そのとき、日本の漁師は、新設された中国海警局により逮捕されることも想定される。日本人漁師を守るためには、威厳を持ち海上警備体制を構築する必要がある。自国の海を守ることに躊躇してはいけない。(東海大教授)=おわり
-------------------
爆食中国 “尖閣マグロ”人気 2倍の高値、産地偽装も
産経新聞2013.2.5 06:59
【上海=河崎真澄】中国漁船が沖縄県・尖閣諸島近海で取ったとするサバやマグロ、タチウオなどの鮮魚が、上海の市場で先月末から出荷され始め、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)鮮魚」として消費者の人気を集めている。連日1トン前後が出回り、2倍近い高値で取引されている。
中国紙、新民晩報は、中国が領有権を主張する海域で取れた魚に対し、「消費者が特別な好感を抱いている」と伝えた。
中国漁業管理当局の出漁奨励と海洋監視船の巡航が、尖閣海域での安全な漁を保障したなどと解説している。また、10日の春節(旧正月)を控え、中国の共同購入サイト「QQ団」は、「(尖閣近海での)漁を守れ、漁民がんばれ」として、タチウオなど約3キロの「釣魚島鮮魚」を99・9元(約1500円)で販売する新年のキャンペーンを始めた。
一方、華僑向け通信社の中国新聞社電は、江蘇省南京で「釣魚島産」として売られているカニやエビなどに「産地偽装の疑いがある」とする中国当局者の話を伝えた。尖閣海域に向かう漁船の大半は浙江省が母港。同省内や隣接する大消費地の上海以外への鮮魚出荷は考えにくいという。
中国漁船がどの海域で漁をすれば「釣魚島産」と表示できるのかなど基準もあいまいで、高値に目を付けた業者による不当表示が横行している恐れもある。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 【島が危ない 第1部 再び対馬を行く(4)】温暖化、燃油高騰…苦しむ漁民 2014-01-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
◇ 【島が危ない 第1部 再び対馬を行く(3)】「バスもホテルも韓国優先に」 2014-01-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
◇ 【島が危ない 第1部 再び対馬を行く(2)】「韓国人お断り」張り紙消えた 2014-01-22 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
◇ 【島が危ない 第1部・再び対馬を行く】日韓海底トンネル構想 進む土地買収 根を張る「韓国」 2014-01-19 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
.......................