安倍首相 行使容認は限定的と強調
NHK NEWS WEB 7月1日 18時27分
安倍総理大臣は、臨時閣議で憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認する閣議決定を行ったあと記者会見し、行使容認が限定的なものであることを強調したうえで、外国を守るための戦争に日本が巻き込まれることはありえず、むしろ、そうしたおそれはなくなっていくと述べ、閣議決定の意義を強調しました。
この中で、安倍総理大臣は1日の閣議決定について、「『集団的自衛権が現行憲法のもとで認められるのか』といった抽象的、観念的な議論ではない。国民の命と平和な暮らしを守るため、現行憲法のもとで何をなすべきかという議論だ」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「例えば海外で突然紛争が発生し、逃げようとする日本人をアメリカが救助・輸送しているとき日本近海で攻撃を受けるかもしれない。わが国自身への攻撃ではないが、日本人の命を守るために自衛隊がアメリカの船を守る。それをできるようにするのが今回の閣議決定だ」と述べました。
そして安倍総理大臣は、集団的自衛権の行使について、「ほかに手段がないときに限られ、かつ必要最小限度でなければならず、現行の憲法解釈の基本的考え方は今回の閣議決定においても何ら変わることはない。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」と述べ、行使容認が限定的なものであることを指摘しました。
さらに安倍総理大臣は、「『外国を守るために日本が戦争に巻き込まれる』という誤解があるが、そのようなこともありえない。むしろ万全の備えをすること自体が日本に戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく、大きな力を持っている。これが抑止力だ。今回の閣議決定によって、戦争に巻き込まれるおそれは一層なくなっていく」と述べ、閣議決定の意義を強調しました。
そして安倍総理大臣は、「今回の閣議決定を踏まえ、関連法案の作成チームを立ち上げ直ちに作業を開始したい。十分な検討を行い、準備ができしだい国会に法案を提出し、ご審議いただきたい。私は今後とも丁寧に説明を行いながら、国民の皆さんの理解を得る努力を続けていく」と述べました。
◎上記事の著作権は[NHK NEWS WEB]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
安倍首相「戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく」 集団的自衛権行使容認で
産経ニュース 2014.7.1 22:48
政府は1日の臨時閣議で、従来の憲法解釈を変更して限定的に集団的自衛権の行使を容認することを決定した。安倍晋三首相は閣議後に記者会見し、「国民の命、平和な暮らしを守るため、切れ目のない安全保障法制の整備が必要だ。世界の平和と安定に日本はこれまで以上に貢献する」と述べ、「積極的平和主義」に基づく安全保障政策の転換であることを強調した。
首相は記者会見で、行使容認の意義について「万全の備えをすること自体が、日本に戦争を仕掛けようとするたくらみをくじく大きな力を持つ」と述べ、日本に対する攻撃の抑止力を高める効果を強調。行使の裏付けとなる自衛隊法などの関連法改正を秋の臨時国会で実現させることを目指し、政府内に特別チームを立ち上げる考えを表明した。
一方で、「憲法が許すのはわが国の存立を全うし国民を守るための自衛の措置だけだ。外国の防衛自体を目的とする武力行使は今後も行わない」と断言した。
首相は臨時閣議に先立ち、公明党の山口那津男代表と官邸で会談し、限定的容認を確認した。首相は記者会見で、新たに打ち出した武力行使の3要件について「明確な歯止めとなっている」と語り、行使容認に慎重姿勢だった公明党への配慮をにじませた。
閣議決定は、他国に対する武力攻撃が発生した場合に自衛権発動を認める要件として、わが国や「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生し、国の存立や国民の権利が「根底から覆される明白な危険」がある場合、必要最小限度の武力を行使することは「自衛のための措置として憲法上許容される」とした。他国に対する武力攻撃でもわが国の存立を脅かし得るとも指摘した。
また、国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊が離れた場所の他国部隊や国連職員を助ける「駆け付け警護」を可能とするため、武器使用基準を緩和する方向性を盛り込んだ。横畠裕介内閣法制局長官は「憲法9条との整合性に配慮し、憲法解釈として可能な範囲内のものになっている」と述べた。
◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 集団的自衛権 自公が閣議決定案で合意 2014.7.1.Tue. 2014-07-01 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
........
↧
安倍首相 集団的自衛権「戦争に巻き込まれる恐れはなくなっていく。戦争を仕掛けようとする企みをくじく」
↧