滋賀県知事選:前民主の三日月氏が初当選 自公が敗北
毎日新聞 2014年07月13日 22時50分(最終更新 07月13日 23時00分)
任期満了に伴う滋賀県知事選は13日投開票され、無所属新人で前民主党衆院議員の三日月大造(たいぞう)氏(43)が、元経済産業省官僚の小鑓(こやり)隆史氏(47)=自民、公明推薦▽共産党県常任委員の坪田五久男(いくお)氏(55)=共産推薦=の無所属新人2人を破り、初当選した。集団的自衛権の行使を容認した閣議決定後初の大型選挙で与党推薦候補が敗北したことは、安倍政権に打撃となる。2期8年続いた嘉田由紀子知事(64)の路線は継承される。投票率は50.15%(前回は参院選との同日選で61.56%、前々回は44.94%)だった。
集団的自衛権の閣議決定を巡って内閣支持率が低下する中、自民党の東京都議による女性蔑視のやじ問題も加わり、「1強」状態が続く政権への批判が直撃した。菅義偉官房長官や自民党の石破茂幹事長も応援に入ったが、及ばなかった。政権は原発再稼働や、消費税率10%への引き上げ判断などの課題を抱えており、敗北は今後の政権運営にも影響しそうだ。
「もったいない」「卒原発」を掲げた嘉田県政の評価や安倍政権の経済政策、原発政策、集団的自衛権などが争点になった。
三日月氏は5月、嘉田氏から後継指名を受けて議員辞職し、民主党を離党。段階的に原発を減らす「卒原発」を含む嘉田県政の継承を前面に掲げ、嘉田氏と二人三脚で無党派層への浸透を図った。
小鑓氏は安倍政権の経済政策「アベノミクス」立案に携わった経験から、県の経済再生を掲げ、国とのパイプの太さを強調したが、支持を固めきれなかった。【加藤明子】
.............
〈来栖の独白〉
「卒原発」を含む嘉田県政の継承。滋賀県民民度は、どうなっているのか・・・。というか、この国は・・・。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
【主張】知事選自民敗北 慢心への警告受け止めよ
産経ニュース 2014.7.14 03:07
滋賀県知事選で、自民党の候補が現職の嘉田由紀子知事や民主党が支援した候補に敗れた。秋に行われる福島、沖縄両県知事選と並び重視して取り組んでいただけに、安倍晋三政権にとっては痛手である。
敗因としては、出遅れによる知名度不足に加え、選挙の直前に東京都議会でセクハラやじ問題が生じて、自民党への逆風が強まったことなどが挙げられる。
軽視できないのは、そもそも政府が安全保障政策の見直しに踏み込んだことが内閣支持率の低下を招き、選挙の足を引っ張ったとの分析があることだ。
集団的自衛権の行使容認を決めたことの是非が、直接、知事選で問われたとは考えにくい。だが、国民の十分な理解をまだ得られていないことは否定できない。国民の生命を守るために必要な政策判断であることを、今後とも丁寧に説明する努力が求められる。
有権者の信頼を失うような不祥事は起こさず、起きた場合には直ちに対処し、再発防止策を徹底すべきことは言をまたない。
国政での「1強多弱」の状況は変わっていないが、内部には思わぬもろさを抱えている。辞任問題には発展しなかったものの、閣僚の失言もあった。巨大与党に慢心はないか。敗北を厳しい警告と受け止めるべきだろう。
嘉田氏は日本未来の党結成をめぐる混乱をはさみ、3選出馬を見送ったが、その幅広い支持層に推される形で、事実上の後継候補である三日月大造元衆院議員が初当選した。
三日月氏に注文しておきたいのは、知事選でも争点の一つとなった原発問題への今後の対応だ。
滋賀県は原発が多数立地する福井県に隣接する。関西電力高浜原発3、4号機は、九州電力川内原発1、2号機に続き再稼働の対象となることが期待される。
三日月氏は民主党衆院議員時代に、原発輸出を可能にする協定の承認に賛成している。再稼働も安全の確保を条件に容認する立場ではなかったか。
「卒原発」など再稼働に極めて慎重な姿勢を打ち出したのは、嘉田氏の支援を受ける上でやむを得ない面もあったのだろう。
県民の命と生活を守るエネルギーを確保する。自治体のトップは、その責任も負う立場にあることを忘れないでもらいたい。
◎上記事の著作権は[産経新聞]に帰属します
..............
↧
滋賀県知事選: 「卒原発」三日月大造氏が初当選 / 自民敗北 慢心への警告受け止めよ
↧