「鳴き声を我慢する訓練はしていない」 全日本盲導犬使用者の会が理解求める
ねとらぼ 9月1日(月)10時55分配信
埼玉県で7月に盲導犬が何者かに刺されてけがをした事件について、全日本盲導犬使用者の会(全犬使会)が公式サイトで緊急声明を発表した。
同協会は事件に対し「強い怒りと恐怖に震える思いでいっぱいです」と憤りを示し、こうした事件が二度と起こらないよう、再発防止対策や補助犬を傷つける行為への罰則を検討するよう求めている。
また刺された盲導犬がほえなかったとされることから、一部で「盲導犬は何があっても声をあげないように訓練されている」と伝えられ、「抑圧されて働かされる盲導犬はかわいそう」という声が上がっているという。全犬使会はこれを否定し「実際にはそのような訓練は現在行われていません。もしもそのような訓練がなされているとするならば それは虐待と捕らえられてもいたしかたないことです」としている。
盲導犬はボランティアや関係者、使用者から愛情と良質な飼育環境を与えられ、人間を100%信頼して生きているため、攻撃的行動に出たり、むやみに声をあげる必要はない、と全犬使会は説明。「彼らは抑制されることにより声をあげないのではなく、人間を信頼しているからこそ声をあげないのです」と述べ、正しい理解と啓発を求めている。
事件の報道後、模倣犯・愉快犯が出現するケースが見受けられるという。盲導犬の使用者、子ども、高齢者、障害者など社会的弱者が犯罪被害や街の中に潜む危険から守られるためには周囲の見守りの目が最も重要とも全犬使会は話している。「今回の事件の報道をきっかけに、日常生活の中で目にする社会的弱者の皆さんに対する思いやりある暖かなたくさんの見守りの目が広がり、緊急時に速やかに助けの手が差し伸べられる社会になって行くことこそが、犯罪をなくし、安心して生活できるための環境づくりに重要な要素となると思います」
最終更新:9月1日(月)10時55分
◎上記事の著作権は[Yahoo!JAPAN ニュース]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
盲導犬に対する虐待は珍しくない 蹴飛ばされ、唾かけられ、チューインガム貼る…
J-CASTニュース 9月1日(月)18時38分配信
埼玉県で盲導犬が何者かによって刺された事件について、一部で「盲導犬は悲鳴すらあげないように訓練されている」と伝えられた。
これに対して、全日本盲導犬使用者の会(全犬使会)や関西盲導犬協会などが否定する声明を出して正しい理解を求めている。ただ、盲導犬に対する虐待は日常的に行われており、「周囲の目」が必要なのは間違いない。
■「そのような訓練は現在行われていません」
さいたま市の全盲の男性(61)が連れていた盲導犬のラブラドールレトリバー「オスカー」が2014年7月28日、何者かによってフォークのようなもので刺されたと見られている。男性は川口市の職場に到着すると、同僚がオスカーの腰のあたりから出血しているのを発見した。オスカーは負傷したときに声を上げなかったので、男性は同僚に指摘されるまで気づかなかった。
事件の報道で「盲導犬は何があっても声をあげないように訓練されている」などと伝えられたが、これを受けて全犬使会は8月30日に声明を発表した。盲導犬の利用者に対して「抑圧されて働かされる盲導犬はかわいそう」という言葉が街中で浴びせられるといい、
「実際にはそのような訓練は現在行われていません。もしもそのような訓練がなされているとするならば それは虐待と捕らえられても いたしかたないことです」
と反論した。
また関西盲導犬協会でも、
「盲導犬でも驚いた時に思わず一声吠えることもありますし、痛みを感じた時には悲鳴もあげます。犬としての自然体でいながら、盲導犬としての作業を楽しめる、そういう犬を選んで盲導犬としております」
としている。
■ラブラドールは「痛みに対する耐性が比較的高い犬種」
衝撃的な事件のため大々的にとりあげられたが、盲導犬に対する虐待は珍しくはないようだ。8月31日放送のフジテレビ系「Mr.サンデー」に今回被害に遭った男性が出演し、
「オスカーの場合は、蹴飛ばされるとか唾かけられるとかチューインガムをペタってぬられたりとか、そういうのは日常茶飯事。まあ月1、2回あります。うちの犬だけじゃないですよ。それは他の利用者さんもそうですけど普通にやられますよ」
と話した。
日本補助犬協会も「大きな傷を負わされるケースは稀」としながらも、傘でたたくまねをしたり、わざとしっぽを踏んだりといった事例は数多くあるという見解を出している。ラブラドールは「痛みに対する耐性が比較的高い犬種」であるため、「今回の事例では、盲導犬が声を出さなかった」と見ている。模倣犯の出現を危惧し、
「未然に防ぐためには、このような行為は絶対に認めないと言う社会の意思と、見守る目が必要となります。周囲の目があれば、それが抑止力となります。是非、皆様の見守る目をお貸しください」
と訴えている。
最終更新:9月1日(月)19時1分
◎上記事の著作権は[Yahoo!JAPAN ニュース]に帰属します
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 盲導犬刺され怪我、鳴き声我慢か 埼玉県警が捜査 2014-08-29 | 社会
........................