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袴田巌さん: 9月27日で釈放半年 逮捕から48年間拘束された影響は拘禁症状として残り…

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袴田巌さん:健康不安を抱え…27日で釈放半年
  毎日新聞 2014年09月25日 19時54分
 1966年に静岡県で起きた強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌元被告(78)が、静岡地裁の再審開始決定で釈放されて27日で半年となる。袴田さんは拘束の影響で精神が不安定になる拘禁症状が消えず、今月は内臓手術を2回受けるなど健康不安を抱えている。一方、東京高裁の即時抗告審で検察側は、地裁決定の支えとなったDNA型鑑定を「科学的根拠がない」と批判。審理をどの程度行うかは決まっておらず、弁護団は長期化を警戒している。
 「裁判は終わった」「ばい菌は死刑囚になった」。今月16日、浜松市内の病院で心臓の血管拡張手術を終えた袴田さんは、治療が一区切り付いた点は理解した様子だったが、姉秀子さん(81)らとの会話はかみ合わなかったという。
 逮捕から48年間拘束された影響は拘禁症状として残り、袴田さんは今も表情が乏しく姉弟間でも十分な意思疎通は難しい。支援者は「回復を期待したが、釈放後と大きな変化はない」と気をもむ。
 精神科医として東京拘置所で死刑囚を診察した作家、加賀乙彦さん(85)は「回復までの時間は拘束期間に比例する。半世紀近く恐怖にさらされたのだから、時間をかけ自由で安全だと分かってもらうのが大切」と話す。
 袴田さんは5月に浜松市に帰郷後も療養入院を続け、7月から同市内の秀子さん宅で生活。しかし8月末に肺炎で再入院し、炎症の見つかった胆のうを摘出。狭心症や心筋梗塞(こうそく)の疑いも判明したため心臓手術も受けた。高齢で持病の糖尿病も抱えるため、健康不安は払拭(ふっしょく)できず、弁護団は即時抗告審の進行に焦燥感をにじませる。
 即時抗告審は、8月5日に高裁、検察、弁護側による第1回3者協議が開かれた。検察側はこの場で、地裁決定がDNA型鑑定と並び「証拠捏造(ねつぞう)」の根拠とした「犯行時の5点の衣類」の写真についても、「決定後見つかった」とするネガを持ち出し、「正確な色を反映していない」と証拠能力を突き崩す構えを見せた。
 弁護団は来月の第2回3者協議で反論書を提出するが、その後の進行スケジュールは未定だ。西嶋勝彦弁護団長は「鑑定や尋問を再度行うなら長期化は避けられない。袴田さんや家族は高齢で、このままでは人権救済制度である再審の意味がなくなる。速やかに再審を開始し、検察もそこで争うべきだ」と訴える。【荒木涼子】
 ◎上記事の著作権は[毎日新聞]に帰属します
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