埼玉・祖父母強盗殺人 18歳少年に懲役15年の判決 弁護側は控訴
FNN 2014/12/26 00:14
埼玉・川口市で、祖父母を殺害しキャッシュカードなどを奪い、強盗殺人などの罪に問われた少年に、懲役15年の判決が言い渡された。
少年の生活環境に注目が集まった裁判。
学校にも行けず、公園のベンチで寝泊まりする日々。実の母に強要された、給料の前借り。少年は、2014年3月に祖父母を殺害、キャッシュカードなどを奪い、強盗殺人などの罪に問われ、25日、判決の日を迎えた。
2014年3月、埼玉・川口市で、小沢正明さん(当時73)と妻の千枝子さん(当時77)が殺害され、キュッシュカードなどが奪われた事件。
強盗殺人などの罪に問われた、孫の18歳の少年に対する判決が、25日に言い渡された。
裁判長が「主文、被告を懲役15年に処する」と述べると、少年は、裁判長をまっすぐ見据え、小さな声で「はい」と答えた。
その生い立ちが、裁判では焦点となった。
12月15日に開かれた初公判で、少年は、起訴事実を認めたうえで、強盗殺人は、母親の指示だったと主張している。
少年が小学校に入る前に、両親は離婚。少年は、母親に引き取られた。その後、母親は、ホストクラブに通いつめ、やがて、ホストの男性と再婚した。
少年は、ほとんど学校に行かなくなり、一家は、すさんだ生活を送っていたという。
男性がホストを辞め、日雇いの仕事をしていた際、収入がある日は、ラブホテルに宿泊していた。しかし、仕事がない日は、公園のベンチなどで寝泊まりをしていたという。
さらに、少年は、母親らの指示で、生活費を賄うため、親類に金を借りに行くよう、たびたび強要されたという。
また、義理の父親からは、ささいなことで殴られ、前歯が4本折れたこともあったという。その後、義理の父親が失踪。
少年は16歳から働き、一家の生活を支えた。そんな少年に、母親は、給料を前借りするよう、頻繁に求めた。そして、弁護側によると、少年は母親から、祖父母を殺して家からお金を持ってくるよう、指示されたという。 検察側は、無期懲役を求刑。
これに対し、弁護側は、少年院送致などの保護処分を求めていた。
さいたま地裁は、母親が殺害を指示した事実はないとしたうえで、懲役15年とした判決について、少年に「今回の事件は、母親の養育や言動にも原因があるとはいえ、だからといって、君の刑事責任はなくならない。2人が亡くなった事実を一生考えてもらいたい」と語りかけた。
フジテレビ社会部・平松秀敏デスクは、「今回は、裁判員を含めて、とても難しい判断を迫られたと思います。2人殺害は、結果が重大ですし、成人であれば、死刑の可能性もあります。一方で、少年の生い立ちを考えると、大いに同情する部分もあります。そう考えますと、今回の懲役15年というのは、両方の考え方を考慮した、とてもバランスの取れた判断だったと言えます」と語った。
一方、弁護側は、「裁判所は、教育ではなくて、罰を与えるという選択をしました。間違っているというふうに思います」と語り、刑が重すぎるとして控訴した。
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埼玉・祖父母強盗殺人 懲役15年判決 弁護側「裁判所は、教育ではなくて、罰を与えるという選択をした」控訴
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