産経ニュース 2015.1.20 09:30更新
【最後のオウム法廷】「麻原のクローンになれ」上祐元幹部が証言
地下鉄サリン事件など4事件に関わったとして殺人罪などに問われた元オウム真理教信者、高橋克也被告(56)の裁判員裁判の第2回公判が19日、東京地裁(中里智美裁判長)で開かれた。元幹部で教団から分派した「ひかりの輪」代表の上祐史浩氏(52)が出廷。麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(59)の当時の影響力について「麻原と同じように考え、行動する『クローン』化が求められた。理不尽なことでも従わないと『弟子に問題がある』とされた」と振り返った。
裁判員が事件の背景について理解を深めるため、一連のオウム裁判で初めて証人出廷した上祐氏に、教団の教義などに関する説明を求めた。「『国家権力が教団をつぶそうとしている』という麻原の教えが浸透していて、やらなければやられると思っていた」と証言。一方で「非合法活動はごく一部の幹部しか知らなかった」と述べた。
上祐氏は平成19年に教団を脱退し、ひかりの輪を設立。閉廷後に取材に応じ、高橋被告から事件遺族への謝罪の言葉がない点について「麻原を信仰していると推察するのが合理的でないか」と話した。
また、松本サリン事件などで無期懲役が確定した元教団幹部の中村昇受刑者(48)も出廷。麻原死刑囚が殺人を肯定する教えを説いたとし、「教祖の指示で非合法な活動をすれば、早く解脱できると思った」と証言した。
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「教義で殺人も正当化」オウム元幹部が証言
2015年01月19日 22時59分
地下鉄サリン事件などオウム真理教の四つの事件で起訴された教団元信者・高橋克也被告(56)の裁判員裁判の第2回公判が19日、東京地裁であった。
事件の審理に入る前に裁判員に教団について理解してもらうため、古参の元幹部2人が証人出廷。教祖の松本智津夫死刑囚(59)が教義を使って高橋被告ら信者に犯罪を実行させた仕組みを証言した。
■殺人正当化の教義
2人は中村昇受刑者(48)(無期懲役で服役中)と、教団から分派した「ひかりの輪」の上祐史浩代表(52)。共に教団が1987年に改称する前のヨガ教室「オウム神仙の会」に入会した。
中村受刑者は、教団は当初は個人的な修行での「解脱」を目指していたが、次第に「他人の救済」を通じた解脱に重きをおくようになったと指摘。松本死刑囚は、88年頃から「グル(松本死刑囚)の指示なら非合法活動でも疑問なく実践する。それが解脱への近道」という「ヴァジラヤーナ」と呼ばれる教義を強調し、殺人行為も「ポア」と呼んで「(対象の人が)悪行を積まないようにするために行う」と正当化したという。
検察、弁護側は、「ヴァジラヤーナ」などの難解な用語が登場するたびに「どういう意味か」と尋ね、裁判員への配慮を見せた。
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朝日新聞デジタル 2015年1月19日21時00分
オウム元幹部・上祐氏、証人出廷 高橋被告に沿う証言
地下鉄サリン事件に関与したとして、殺人などの罪に問われたオウム真理教元信徒・高橋克也被告(56)の公判が19日、東京地裁であった。教団元幹部で、教団から派生した「ひかりの輪」の上祐史浩代表(52)が弁護側の証人として出廷。「教団による非合法活動の全体像を知っていたのは、ごく少数の幹部だけだった」と高橋被告側の主張に沿う証言をした。
高橋被告側は地下鉄サリン事件について、関わったことは認めているが、「まかれたものがサリンとは知らなかった」などとして無罪を主張している。
また上祐代表は、教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(59)が「国家権力が教団を破滅に追い込もうとしている」などと説き、1990年前後から教団が武装化していった、とも説明。自らは松本死刑囚の発言を「一歩引いた目で見ていたこともあった」としたが、「集団心理も働き、やらなければやられると思っていた」などと述べた。
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NHK NEWS WEB 1月19日19時16分
オウム元信者高橋被告の裁判で上祐代表ら証言
オウム真理教の元信者、高橋克也被告の裁判員裁判で、教団の元幹部で別の団体を設立した上祐史浩代表が証人として出廷し、麻原彰晃、本名・松本智津夫死刑囚が支配していたかつての教団の内部について証言しました。
高橋克也被告(56)は、地下鉄サリン事件など4つの事件に関わったとして殺人などの罪に問われ、今月16日の初公判ではいずれの事件も起訴内容を争う姿勢を示しています。
19日東京地方裁判所で行われた2回目の審理では松本智津夫死刑囚(59)の元側近の1人で、「ひかりの輪」という別の団体を設立した上祐史浩代表(52)が証人として出廷しました。
この中で上祐代表はかつての教団の内部について、「『国家権力が教団をつぶそうとしている』という松本死刑囚の考えが浸透していて、やらなければやられると思っていた。ただ教団が殺人を犯していることは一部の信者しか知らなかった」と証言しました。
これに対し裁判員が「兵器の製造をしていた信者も殺人計画が分からないのか」と質問すると、上祐代表は「違法だと分かっても何の目的でどう使うかは知らない。全体像を知っているのはごく少数で、各パートは知らずに動くということだ」などと答えていました。
また午前中には松本サリン事件などに関わり、無期懲役が確定した中村昇受刑者(48)の証人尋問が行われ、「松本死刑囚の指示を信者は疑問を持つことなく実践していた。人を殺せという指示があったとしても、その意志を実行することが悟りにつながると思っていた」などと話しました。
■上祐代表「高橋被告に葛藤あるかも」
かつて松本智津夫死刑囚の側近の1人だった上祐史浩代表は裁判のあと取材に応じ、高橋被告について「みずからの関与は別として、教団の事件への関与が明確である以上、被害者への謝罪のことばがあってしかるべきだが、それがないということは松本死刑囚への信仰心が残っているとみるのが合理的だ。葛藤はあるかもしれないが、心の中が整理できていないように見えた」と話していました。
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上祐氏出廷、教義を証言=オウム高橋被告公判-東京地裁
時事ドットコム 2015/01/19-20:08
オウム真理教元信者高橋克也被告(56)の裁判員裁判の第2回公判が19日、東京地裁(中里智美裁判長)であり、教団元幹部の中村昇受刑者(48)と、教団反主流派「ひかりの輪」代表の上祐史浩氏(52)がそれぞれ検察側、弁護側証人として出廷し、元代表松本智津夫死刑囚(59)が説いた教義などを証言した。
上祐氏は、松本死刑囚が絶対的な帰依を要求する「ヴァジラヤーナの教え」を説き始めたのは、同死刑囚が海外の宗教家からこの教えを聞いたのがきっかけだったと証言。同死刑囚は海外で称賛されていたといい、「外部からの権威付けをそのまま信じてしまった」と振り返った。
一方で、松本死刑囚が海外の宗教家らに多額の寄付をしていたことも明らかにし、「リップサービスもあったと思う」と述べた。
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上祐氏、高橋克也被告裁判で「神秘体験」証言
2015年1月19日17時51分 スポーツ報知
元オウム真理教信者高橋克也被告(56)の裁判員裁判で、東京地裁は19日、教義などについて審理するため元幹部の上祐史浩・ひかりの輪代表(52)の証人尋問を実施した。上祐氏は2007年まで教祖の影響を受け続けていた理由を「修行を通じ、目を閉じていても光が見えるなどの神秘体験をしたことを重視していた」と説明した。
1995年の地下鉄サリン事件前後の教団については「教祖に従えば評価された。理不尽でも従わなければ『弟子に問題がある』とされた」と証言。教祖松本智津夫死刑囚(59)=宗教名麻原彰晃=には強い発言力があったと述べた。
上祐氏は教団のロシア支部代表や広報担当を務めた。偽証罪などで実刑判決を受け出所後、改称したアレフの代表になったが、07年に脱退しひかりの輪を立ち上げた。
証人尋問で上祐氏は、教団が89年の弁護士一家殺害事件に関与していることは、事件直後の松本死刑囚の発言から感づいていたと明かし、「殺害されているなら高い世界に魂が引き上げられているのだと思った」と当時の心境を語った。
高橋被告は地下鉄事件の殺人罪などについて無罪を主張。教義など背景についての審理はいったん終わり、21日からは起訴された5事件の具体的な審理が始まる。
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上祐氏、松本死刑囚の大きな影響力指摘…高橋克也被告公判に出廷
2015年1月20日6時0分 スポーツ報知
1995年の地下鉄サリン事件で殺人罪などに問われた元オウム真理教信者・高橋克也被告(56)の公判が19日、東京地裁で開かれ、事件当時教団の広報役で、現・宗教団体「ひかりの輪」代表の上祐(じょうゆう)史浩氏(52)の証人尋問が行われた。上祐氏が一連のオウム関連裁判で証人として出廷するのは初。自身の神秘体験を含め、教祖・松本智津夫死刑囚(59)=宗教名・麻原彰晃=が、当時、教団、信者を強い影響下に置いていた実態を語った。
オウム真理教の“顔”として知られ、当時、毎日のようにメディアに登場していた上祐氏。この日の公判では、両手を体の前で結び、グレーのスーツ姿で法廷内に入ると、高橋被告の様子をほとんど確認することもなく、証言台に立った。
これまで上祐氏が証人として出廷するのは初めて。弁護側からは「教団の教義や、当時の実情を語ってほしい」と依頼されたという。
公判で、前身である「オウム神仙の会」に入信後、出家して教団に帰依した過程や、当時の状況などをよどみなく説明。上祐氏は教団を脱退する07年まで、教祖・松本死刑囚の影響を受け続けたといい、その理由を「修行を通じ、目を閉じていても光が見えるなどの神秘体験を重視した」と説明した。
地下鉄サリン事件前後の教団については「教祖に従えば評価された。理不尽でも従わなければ『弟子に問題がある』とされた」と証言。松本死刑囚に強い発言力があったと述べた。上祐氏自身も、松本死刑囚の指示に反対した際、周囲から白い目で見られた経験があり「『責められたくない』という苦痛から逃れる気持ちが、『従うしかない』となっていったことはあると思う」と、事件の背景を振り返った。
また、教団が89年の坂本弁護士一家殺害事件に関与していることを感づいていたことも明かした。松本死刑囚から事件について直接語られることはなかったが、発言から読み取ったそうで「殺害されているのなら、高い世界に魂が引き上げられているのだと思った」と、当時の心境を語った。
閉廷後に会見にも応じた上祐氏。高橋被告とはほぼ同時期に出家した間柄だが、ほとんど印象に残っていないことを明らかにした上で、被告について「葛藤はしているが、心の中の整理ができていない様子。他人が言えることではないが、信仰が残っていると推察するのが合理的かな、と思います」。今も、教祖やオウムの教義の影響下にあるのでは、という見方を示していた。
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オウム高橋被告裁判、上祐氏 初の証人尋問
TBS News(19日18:40)
オウム真理教の元信者・高橋克也被告の裁判員裁判。2回目の19日は『ひかりの輪』の上祐史浩代表が、一連のオウム裁判で初めて証人として東京地裁の法廷に立ちました。
「錯覚させられるほどの、神秘的なめい想体験がありました。不明な私はオウムにのめり込んでいきました」(上祐史浩氏)
法廷に教団のかつてのスポークスマン、『ひかりの輪』の上祐史浩代表が証人として出廷しました。先週の初公判で、地下鉄サリン事件など起訴された4つの事件全てで争う姿勢を示した高橋克也被告。上祐代表は同じく、教団の古参の元信者です。
「ポアが殺人を示す隠語だと知っていましたか?」(弁護側)
「もちろん、89年ごろから使われていました。麻原はチベット密教の教義を悪用し、それを私たちは信じていました」(上祐史浩氏)
上祐代表は、殺人を肯定する教義は教団内で徐々にでき上がっていったと説明。さらに自分自身は『サリン製造についても知らされていた』と証言しました。
Q.サリンはどれくらい製造していたんですか?
「70トンです。第7サティアンで作っていました」(上祐史浩氏)
上祐代表は、こうした秘密のワークについて情報は統制され、知っていたのは、ごく一部の幹部に限られると説明。証言の間、真っ直ぐ前を見据える上祐代表を、高橋被告はじっと見つめていました。
20日からは高橋被告が無罪を主張するVXガス事件についての審理が始まり、かつての上司、井上嘉浩死刑囚ら死刑囚3人の尋問が行われる予定です。
【閉廷後――】
「(高橋被告は)ちらっとしか見えず、あまり明確な印象を抱けませんでした。教団信者の特徴は危ないことであっても、グル(師)への帰依が優先だから自分でも聞かない、考えない。有罪なのかどうか、未必の故意にあたるかは、私が判断することではない」(上祐史浩氏)
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◇ オウム 高橋克也被告初公判 2015.1.16 「サリンとは知らなかった。殺害の共謀はない」無罪主張 2015-01-16 | オウム真理教事件
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オウム 高橋克也被告 第2回公判 2015.1.19 上祐史浩証人「非合法活動の全体像を知っていたのは、ごく少数」
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