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石川知裕議員の女性秘書の証人採用が決定/女性秘書が語った「不意打ち10時間取調べ」の全貌

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【速報】石川議員の女性秘書の証人採用が決定 
 陸山会事件の公判で、石川知裕衆院議員の女性秘書が弁護側の証人として採用されることが決まった。出廷は4月下旬の予定。
 女性秘書については、昨年1月に検察から受けた「不意打ち10時間監禁聴取」が問題となっていて、法廷でもその一部始終を語るものと思われる。《THE JOURNAL》編集部 日時: 2011年3月25日 15:39
【参考記事】
石川知裕議員女性秘書が語った「不意打ち10時間取調べ」の全貌 ↓ 
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石川知裕議員女性秘書が語った「不意打ち10時間取調べ」の全貌  
 小沢一郎民主党元代表の政治資金管理団体「陸山会」の政治資金収支報告書をめぐる事件で、石川知裕衆院議員の弁護側は1月27日、石川議員の女性秘書が受けた取調べの様子を証言するため、証人採用を求める書面を提出した。
 石川議員の女性秘書は昨年1月26日に突然検察庁から呼び出されて約10時間におよぶ聴取を受け、その様子を「週刊朝日」が報じたことで話題を読んだ。
 今回、その女性秘書が《THE JOURNAL》のインタビューに応じ、当時の取り調べの様子や証人となって訴えたいことなどを語った。(構成・文責:《THE JOURNAL》編集部) ──証人として立ちたいのはなぜですか?
 証人になって取調べの可視化に貢献したいからです。違法な取調べの実態をみなさんに知ってもらいたい。秘書や家族を人質に取ることは絶対に良くないことです。証人採用されないのは、取調べの可視化が進んでしまうことを嫌がる検察の気持ちが大きく影響していると思います。
──検察側は「石川議員の起訴内容に直接関係ない」と意見書を提出したと報道されていますが
 「関係ない」ということに納得がいきません。必要性も関連性もないのであれば、検察にとっても私にとっても、あの事情聴取は無駄な時間だったということなのでしょうか。私は、事情聴取の後に片耳が聞こえなくなり、仕事をする気力もなくなりました。それでも検察から謝罪もなければ、検察が週刊朝日に出した抗議文では「事情聴取は適正だった」と言いはられ、そんなことは絶対におかしいと思います。
──当時の状況を教えてください
 検事から呼び出されたので、資料を返してもらって30分ぐらいで帰れると思ったので、コートも着ずにランチバッグだけで気軽に検察庁に行ったら、10時間拘束されました。子どもの迎えも行かせてもらえず、電話もさせてもらえませんでした。「弁護士に電話をさせてください。その権利はあるはずです」と言っても、「弁護士に何ができるんだ」と電話すらさせてくれませんでした。あの空間の中では、自分のあるべき権利を主張したところで認めてもらえません。やりとりをしている間に、私も「あれ、本当に電話する権利はないんじゃないか」とも思いました。弁護士に電話するにしても検事から「おまえが雇ったのか」「おまえが選任届を出したのか」と言われると、私個人は弁護士との契約書を結んでいませんので「電話しちゃいけないのかな」と段々と洗脳されてしまうんです。17時を過ぎても帰してくれませんでした。
──事情聴取はどのようなものでしたか
 「監禁」という言葉がぴったり当てはまります。部屋からは出られませんし、トイレに行こうとすれば事務官がトイレの目の前まで付き添います。休憩を取るつもりでトイレに行っているのに、廊下で待たれてしまうと早く出ざるをえません。誰かとこっそり連絡を取っていると思われても困ります。とはいえ連絡を取ると言っても携帯は圏外なのでつながりません。帰りたくて涙が出てくるのに、検事からは「人生そんなに甘くない」と言われました。イスの背もたれに背中がついても怒られました。その姿勢を強要されると次第に頭がもうろうとしてきます。「考えられないから休憩させてください」と言っても取り合ってくれません。呪文のように「お話ししてください」と言われ続けると、判断が鈍くなり、「ああ、こうやって冤罪がつくられていくんだ」と目の前で冤罪がつくられる過程を体験したかのようでした。お腹がすいて早く帰りたくなり、「ハイと言えば楽になれるのかな」と思う気持ちがよくわかりました。
──なぜ10時間も我慢できたのですか?
 私は安田弁護士から、石川知裕議員が毎日10〜13時間事情聴取を受けているという記録を見せてもらったことがありました。私もせめてその時間を超えるまでは耐えなきゃいけないなと思っていたからだと思います。また、30分間くらいの予定で出かけた人間が何時間も出てこないのですから、必ず弁護士か誰かが助けてくれるだろうと思っていました。でも誰も来ませんでした。検事には「弁護士に頼っても何もしてくれないことがわかっただろ」と言われました。こう言われると、たしかに自分が契約した弁護士じゃないし、やっぱり助けてくれないのかなと思ってしまうのです。
──最後はどのようにして出てきたのですか
 22時半の段階で、もう倒れそうになっていました。「石川さんの心証がが悪くなるぞ」と言われ続けましたが、「子どもが寝る時間も過ぎてるし、帰ります」と言いました。私が立ち上がると「座りなさい」と言われ、検事の声も段々大きくなってきました。そういうやりとりをしていたら取調室の電話が鳴りました。おそらく木村主任検事から「帰せ」という話がまわったのでしょう。急に検事の態度が変わり、帰れることになりました。しかし、「そのかわり明日また同じ時間に来い」と言われたので、無言で帰ろうとすると「待て。明日同じ時間に来ると約束しろ」と言って帰してくれませんでした。結局また弁護士に電話をして相談すると、「来ると約束して出てきて」と言うので、「約束しないといけないんだ...」と思いながら、「ハイ」と言って出てきました。
──出てきた時間は何時ぐらいでしたか?
 23時ごろにようやく建物を出られました。1月26日ですから、今と同じような真冬でした。コートもなかったので外に出た瞬間に歯が"ガチガチガチ"と音を鳴らしました。最初に言ったとおり、30分で出られると思っていたのでタクシー代すら持っておらず、歩いて帰りました。翌日はその弁護士さんも信じられなくて電話をとらず、検察からの電話も事務所からの電話も受けずに家に引きこもっていました。
──その後の取調べはどのようなものでしたか
 当時は事情聴取を拒否し続けたら、本当に逮捕されてしまいそうな雰囲気でした。住民票の住所変更をしてないだけでも逮捕できてしまう世の中ですので、強硬に拒否するのではなく、きちんと弁護士を入れて事情聴取を受けることになりました。弁護士を選任して検察庁に出し、弁護士と一緒に検察庁に行き、入口で待ってもらうようにしました。
──前回より精神的には落ち着けましたか
 検事は前回と違っていたし、弁護士も待ってくれているので安心感がありました。しかし前回の10時間の取調べがひどすぎたのか、あまりの緊張で急にお腹が痛くなり、生理になってしまいました。そんな時期でもないのに。さすがにその理由も言えず、「一度この建物から出させてください、絶対に戻ってきますから」とパニックになりながら言いました。最初は検事さんもダメだと言っていたのですが、「絶対に戻ってきます、30分でも15分でもいいので一度出させてください」とお願いすると連絡を取ってくれて、30分間の時間を与えてもらいました。
──弁護士には相談したのですか
 取調室に戻ったら必ず出た理由を説明するよう言われました。だからきちんと言いました。調書には記録されているはずです。それほど前回の10時間がつらくプレッシャーになり、精神状態がおかしくなっていました。
──取調べの担当検事はどうでしたか
 その日の検事は紳士的で理論的に聞きたいことを聞こうとしてくれる人でした。しかし前回の取調べがひどく、同じ特捜の人だったのでやはり緊張感はありました。
──その取調べが、検察は現在では「石川議員の起訴内容に直接関係ない」と主張しています
 ひどい取調べをした上に、それが必要なかったかのように言われることに憤りを覚えます。議員秘書として経験があり、精神的にも強いと自覚している私でも、厳しい精神状態に追い詰められました。一般の方があの様な空間に閉じこめられればもっと取り乱すと思います。不本意ながらも検察がつくった調書にサインして、殺風景な部屋から抜け出せるものだったら抜け出したいと思うでしょう。だからこそ、取調べの可視化が必要なのではないでしょうか。
(構成:《THE JOURNAL》編集部 上垣喜寛・西岡千史)2011年2月1日19:18 ◆小沢氏強制起訴/「4億円が汚い金というのは検察が勝手に言ってるだけ。証拠がない」と担当検事2011-02-02 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
  石川知裕秘書の証人採用を裁判所が留保〜10時間の取り調べは「事件と関連性、必要性がない」!? 2011年02月01日 10時00分 Infoseek 内憂外患編集部
 1月31日、資金管理団体「陸山会」の収支報告書虚偽記載事件で、政治資金規正法違反の罪に問われている小沢一郎民主党元代表の強制起訴が決まった。検察から2度の「不起訴処分」が出たにも関わらず、検察審査会で「起訴相当」とされ、強制起訴された政治家はこれまでなく、異例中の異例、な裁判がこれから始まることになる。
 同じくこの罪に問われた小沢元代表の元秘書の石川知裕衆議院議員に対し、1月27日、公判前整理手続きが行われた。ここでは、石川議員の今後の裁判の中で争点となる事柄について、検察・弁護側双方がどのような証拠・証人を出し、公判を進めるかについて話し合われた。
 ここで、弁護側は石川知裕事務所の女性秘書を証人として採用するよう求める意見書を提出した。通常、この段階でどちらかがその意見書に対し、「待った」を掛けることは少ないと言われている。しかし、いま、この証人申請が検察側の強い拒否を受け、裁判所から留保されている状態だという。検察の意図はなにか、そして、なぜ証人申請留保となっているのか。これについて、石川事務所の女性秘書本人から話を聞いた。
■必要性も関連性もない?――裁判所が証人申請に対して保留している、とのことですが
 1月27日、公判前整理手続きで弁護団側が私を証人申請しましたが、裁判所は現在その採用について、留保しています。
 検察側が「石川議員の起訴に対して、私が証人として証言する内容は必要性も関連性もない」と強く主張していることが要因です。
 私が証言する予定の内容は、「私への取り調べのあり方」についてです。そこから、「その様子の話を聞いた石川が不利な供述をせざるを得ない状態だった」ということを主張したいということです。
 まず、週刊朝日などで取り上げられていた通り、私は押収物の返却という言葉を受け、30分程度の事務手続きと思い、検察に向かいました。しかし実際は、事情聴取として、10時間も拘束されました。これはおかしなことです。
 でも、そこまでしたのに検察側は「必要性も関連性もない」と主張しています。この言葉には憤りを感じます。
 ある弁護士に私への検察の取り調べについて相談したところ「ひどいの一言だ」と言い、民事訴訟なら勝てる、という言葉をもらいました。いつのタイミングかは分かりませんが、人権問題として訴える用意もあります。
――なぜ、検察は「必要性も関連性もない」と主張しているのでしょうか? 弁護団はそれについて、どういった見方をしていますか?
 私への事情聴取のあり方を公にすることで、「取り調べの可視化」を求める世論が高まることを恐れているのではないか、と見ています。
 私の個人的な意見として、ですが、特捜案件の取り調べについては絶対に可視化はやるべきだと思います。私の取り調べについても出してほしいと思います。もしご覧頂ければ、取り調べの違法性が示せると思います。
 正直なところ、あの取り調べの話はしたくないし、聞かれたくもなかったです。今でも石川議員とその話はしていません。でも、今回、別の理由ならさておき、「(石川議員の裁判に対して、女性秘書の事情聴取は)必要性も関連性もない」と言われたことで、「あれは何だったんだ!?」と思うようになりました。
■取り調べの様子――取り調べの一部始終について、お聞かせいただけますか?
 監禁、という言葉がピッタリな感じです。まず、任意での事情聴取なのに、おかしなことだらけでした。
 例えば、トイレに行きたい、と言うと、事務官が付き添ってくるんです。そして、前で待っているんですね。
 私は、もう疲れてしまっていて、トイレで休憩を取りたいと思っていたのですが、「大きい方と思われたら嫌だ」とか「携帯電話で外部とやりとりしている」と誤解されたら嫌だ、と思い、本当に用を足すだけで出てこざるを得ない状態でした。
 精神的にも追い詰められ、本当はトイレで泣きたかったんですが、そうしても状況は変わらない。だったら泣くだけ損だ、と思いました。
 他にも、「自分がおなかがすいているからお前も食事をしろ」と言われるんです。私が「食事は子どもたちとしたいから」と言うと、「帰れるかどうかはあなた次第だ」と言われました。「じゃあ、何をしゃべればいいんですか」と言うと、なにも聞かない。きっと極限状態になれば、何かしゃべるだろう、という意図があったんだと思います。
 10時間たって、やっと外に出たときはコートも何もないし、タクシー代すら持ってない。1月26日の寒い時期だったこともあり、建物を出るなり、歯がガチガチガチガチ! と震えるほどでした。
 それに、聴取されているときから、片耳がボワボワして聞こえづらくなったり、立ちくらみがしたり、しばらくは仕事をする気も起きなくなりました。でも、週刊朝日が検察に出した抗議文に対して、検察は「適正な捜査だった」と言うわけです。
 私は、石川知裕の政策秘書としてやってきました。だから、それなりに知識もあるはずなのに、そんな私ですら、あるべき権利を主張しても聞き入れられない状況のなかで、だんだん洗脳されていくんです。「弁護士に電話を掛けさせてほしい」といっても「その弁護士はおまえが選任届を出したのか」といわれて、「もしかして、本当は私にはそんな権利なかったんじゃないか」と思うわけです。
 取調中は、背筋を伸ばし、手を上下に重ねていなければ怒られる。そんな姿勢で10時間近くいると、だんだん頭が朦朧としてきます。休憩したい、と言っても受け入れられず、何を話して良いのか分からないのに「話してください」と言われ続ける……。
 私への事情聴取について、彼らは調書一つ取れなかったわけですが、あんなところで長時間いるくらいなら、「帰りたいからハイハイと言ってしまえ」と思ってしまうと思います。
 この状況下、石川議員は「検察に妥協して、容疑を認めてしまった」と主張している。女性秘書の証人申請について、最終的に採用するかどうかの判断は2月1日、午後出されるという。
――どうしてそうまでして耐えられたんですか?
 安田弁護士が会見で、石川議員の取り調べの記録を出していました。それを見ていたので、その取り調べの時間を超えるまでは、という気持ちがありました。
 それに、「30分出かける、といった人間がいつまでたっても戻らなければ誰かが助けてくれる」と思ったんです。でも、民野検事に「人生そんなに甘くない」と言われ、実際にだれも助けてくれない。10時間も経つと、倒れそうになります。
「石川の心証が悪くなる」と言われ続け、子どもが寝る時間を過ぎているから帰らせてほしいと懇願しても「座りなさい」と抑制される。それでも帰ろうとすると、「座りなさい」という声がだんだん大きくなってくるんですね。
 もう限界、と弁護士に電話しようと携帯電話の電源をオンにすると、また「何を勘違いしているんだ! 電源を入れて良いとは言ってない」と言われる。
 でも、絶対におかしいと思って、弁護士に電話をして「私が帰っちゃいけない理由がありますか?」と聞きました。もちろん弁護士は「そんな理由はないし、今すぐにでも帰って良い。でも、念のため主任検事に連絡するから少し待っててください」と言われました。
 しばらくするとまた電話があり、「主任検事は民野検事から、8時半にあなたは帰った、と報告を受けていると聞いていると言っている」と教えてくれました。そこで、民野検事に電話を替わったのですが、そこでものらりくらりとしている。
 電話を切って、「もう帰ります」と言ったんですが、まだ「ダメだ」と民野検事は言うんです。「今すぐ帰っても良いはずです」「石川がどうなってもいいのか? 心証が悪くなるぞ」というやりとりをしていました。「どう心証が悪くなるんですか?」と言うと、そこは口ごもるんですね。そうしているうちに、部屋の電話が鳴って、たぶん主任検事からの電話なんだと思いますが、切ったらころっと態度が変わりました。
 でも、「同じ時間に明日、来ると約束しろ」と言うんです。私はそんな約束は必要ない、と思ったのですが、弁護士のアドバイスを聞き、約束して帰れることになりました。
――次の日も行ったんですか?
 帰ったのは良いんですが、もう弁護士からの電話も、検察からのものも、事務所からの電話も出られず、家に引きこもっていました。本当に逮捕されそうな勢いだったんです。それに、住所変更をしていない、といった小さな罪でも逮捕できるわけです。
 だから、今度は弁護士を立てて、日程調整をしてもらい、聴取の日には一緒に検察にも行ってもらいました。だけど、たとえ弁護士が同行して、検事も変わっても、前の聴取のことがあったので、あまりの緊張でひどい腹痛になりました。あまりに痛くて、パニックになるほどでした。どうしてもこの建物から出たい、30分でもいいから、と懇願して、それは聞き入れてもらいました。
 でも、戻る際、弁護士に「理由を検事に伝えてください」と言われました。だから調書にはどうして30分外出したか、という理由が書いてあると思うのですが、知らない人にそんなことを言うのは本当に凄く嫌なことでした。
 そのくらい、精神的に相当な圧迫感だったんです。前の10時間の聴取があまりに酷すぎて、怖かった。だから、普通に生活している人が同じような体験をしたら、絶対に追い詰められると思います。同じ空間にいたら取り乱すし、こんな嫌な空気のこんな部屋からは抜け出したい、と考えるでしょう。そこまでして酷い思いをしたのに「必要がない」なんていわれたら「どういうこと!?」となります。
* *
 この証人申請が認められれば、石川議員の政治資金収支報告書虚偽記載に関する事件の裁判において、「自身の秘書の取調べの様子を聞くことで、自身に不利な証言をせざるを得なかったか」という主張の妥当性などが問われることになる。
 また、それは、検察による取調べが「いかに個人の意思や思いをかき乱したのか」を明らかにすることにも繋がるだろう。当然、「取調べの可視化」について、改めてその必要性が問われることになる。
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週刊朝日2010年2月12日号 検察暴走! 子ども”人質“に女性秘書「恫喝」10時間 上杉隆
 小沢一郎VS検察の戦いが佳境に入っている。検察は捜査対象を広げ、小沢後援会、接触した建設会社、秘書、元秘書などしらみつぶしにあたっている。
 衆議院議員で小沢の元秘書の石川知裕の捜査・逮捕もその流れの中にある。その石川の拘留期限は2月4日に切れる。そのため、検察は別件だろうがなんだろうが、石川を留め、捜査の継続を画策しているという。
 「もうめちゃくちゃですよ。何でもいいから見つけて来い、そんな感じです。上層部は相当焦っている。現場から不信の声も上がっています」(検察「関係者」)検察が小沢を追い詰めているという新聞・テレビの報道とは随分と違う。さらに検察「関係者」の話を聞いてみよう。
 「週刊朝日の記事に対しては本気で怒っています。懇談なんかでも「上杉のヤロウ、調子の乗りやがって、目にもの見せてやる」と半ば公然と話しているくらいですから。
 その報復が女性秘書に向かったんですよ」先週号で筆者は、石川が事情聴取の際に、検察から子育て中の若い女性秘書をネタに恫喝を受けていた事実を書いた。その号が発売された日、今度はその女性秘書が「事情聴取」に呼ばれたという。翌日の鈴木宗男衆院議員のブログ「ムネオ日記」にそれに該当すると思われる記述がある。
 「さらに昨日は、石川事務所の女性秘書を午後1時から10時半まで事情聴取している。小さな子供がいるから早く帰してやってくれ、と言っても、検察は帰さなかった。まさに拷問的取り調べだ、と、弁護士は怒っていた」
 弁護士も指摘する通り、それは事情聴取とは言い難い卑劣極まるものだった。
 「保育園に子供が残っています。お迎えだけは行かせてください。その後、また戻ってきます。せめて電話だけでも入れさせてください。」感情を抑えられずとりみだす母親、その前に座る男はこう言い放つ。「何言っちゃってんの。そんなに人生、甘くないでしょ」
 もとより、小沢事務所の政治資金規正法違反の捜査で、なぜ石川事務所の秘書を聴取する必要があるのか?
 石川の秘書時代の仕事を他の事務所から3年ほど前に移ってきたばかりの新しい秘書が知る由もない。あまりに無謀な検察の捜査。新聞・テレビが一切報じない、その一部始終を「関係者」の証言を基に再現しよう。
 1月26日(火)の昼ごろ、石川事務所に「タミノ」と名乗る男から電話があった。女性秘書に検察庁に来てほしいという。女性秘書が「今日も押収品の返却ですか?」と確認すると、タミノは「そうです、あと、ちょっと確認したいことがあるので」と返した。よく聞き取れなかったので、もう一度確認すると、「返却です」と答えた。
 女性秘書は、1月15日の石川逮捕以来2度(22日、25日)検察庁から呼び出しを受け「押収品」の返却に応じている。
 今回も同様の案件だと信じた女性秘書は、ランチバッグ一つで検察庁に向かった。霞が関から議員会館のある永田町からは一駅である。前日と同じように、コートも着ずに薄着で出かけた。ランチバッグの中には千円札と小銭、ティッシュとハンカチ、携帯電話だけである。
 検察庁に着くと前回までとは違う部屋に案内される。するとそこには民野健治という検事が待っており、いきなりこういい始めたのだ。
 「被疑者として呼んだ。あなたには黙秘権があるので行使することができる。それから〜」
 事情を把握できずパニックになった女性秘書が、ほかの秘書か弁護士に連絡したい旨を告げると、民野健治はそれを無視して、逆に、携帯電話の電源を切るように命じ、目の前でスイッチをオフにさせたのだ。
 それが昼の1時45分。だまし討ちの「監禁」はこうして始まった。
 任意の事情聴取は、文字通り「任意」である。よって、被疑者であろうが、参考人であろうが、当事者の同意が必要なのは言うまでもない。仮に、拒否しても、その場を立ち去っても問題はない。拒否も国民の当然の権利である。
 ところが今回「聴取」というだまし討ち監禁は、そうした意向を問うこともなくスタートしている。
 民野検事は、女性秘書に小沢と石川が共謀していたことを認めるよう迫り続けた。だが、彼女がそんなことを知る由もない。女性秘書は石川が小沢の秘書をやっているときは、別の民主党議員事務所に勤めていたのだ。しかも、当時は与野党に分かれており、自由党の石川秘書についてはその存在すら知らなかった。そんな彼女が、小沢事務所の会計事務のことを知るすべはない。その旨を正確に述べると、検事は次のような言葉を並べるのだった。
 「いいんだよ、何でもいいから認めればいいんだよ」「早く帰りたいなら、早く認めて楽になれよ」「何で自分を守ろうとしないの。石川をかばってどうするの」
 こうした言葉をさんざん浴びせられたが、知りようもない事柄を語れるはずもない。そこで黙っていると民野検事はこう言い放った。「あんた、何も言わないのは愚の骨頂だよ」
 取り調べ室では時刻もわからない。もうずいぶん時間も経過したのだろう。ふと見るとそれまでブラインドから差し込んでいた外の光が暗くなっている。3歳と5歳の子供が待っている保育園に迎えに行かなければならない。夫でも誰でもいいから迎えに行かなければ、幼い子供たちも心配するだろう。
 取り調べ可視化 これじゃ無理だ。女性秘書は検事に対して、繰り返しお迎えの許可だけを懇願する。一時的でもいい、必ず戻ってくる。せめて電話を入れさせてほしいと哀願し続けたのだ。そして、母親の子供を思う気持ちが昂ったその時、検事の発した言葉が、先の「何言っちゃってんの?そんなに人生、甘くないでしょ?」という台詞だったのだ。
 その言葉を聞いて、母親はパニック状態に陥った。手が震え出し、自然に涙がこぼれてくる。ついには呼吸が荒くなり、過呼吸状態に陥った。
 飲み物を所望する。ご希望をどうぞ、と言われたので、「お茶をください」と言った。すると民野検事は事務官を呼び、庁内にあるローソンに買いに行かせた。事務官が戻ってきてお茶を出すと同時に検事はこういったのだ。「120円、払ってください」
 一方、昼間に出かけた女性秘書の帰りがあまりに遅いため、石川事務所のスタッフたちもさすがに心配になってきた。ちょうどそのころ、検察庁から一本の電話が入った。
 「○○さん(女性秘書の名前)からの伝言です。今日は用事があるので事務所には帰らないとのことです」と、男の声で名前も名乗らず、それだけ言うと一方的に切れたという。
 日が暮れて数時間がたつ。子供の迎えの時刻が迫ってからは「せめて主人に電話をさせてほしい」「ダメだ」というやり取りの繰り返しになる。
 あの小沢一郎の事情聴取ですら、準備に準備を重ねて弁護士を連れ、自らのホテルの部屋という条件で行われたのだ。しかも4時間半である。
 一方、女性秘書の「監禁」時間はすでにこの時点で5時間を超えている。だんだん思考能力も低下してきた、と、のちに弁護士にも語っているこの母親が何百回、同じ「哀願」を繰り返したころだろう。
 ようやく検事が「じゃあ、旦那にだけは電話していい」と認めた。検事の目の前で携帯のスイッチをオンにし、画面に夫の電話番号を表示し、それを見せながら発信ボタンを押した。子供の迎えだけを頼んだ。
 それから次に弁護士への通話をお願いし、しばらくして同じように許可された。
 弁護士が検事と「聴取」の中断を交渉し、午後10時45分、事務所を出てから約10時間ぶりに女性秘書は「監禁」から開放されたのだった。結局、「押収品」は一つも返してもらえなかった。つまり、東京地検特捜部は、最初からこの若い母親をだまして「監禁」することが目的だったのだ!
 2008年に最高検が出した「検察における取り調べ適正確保方策に関する諸通達では、長時間の取り調べ、休憩なしの聴取などを禁じている。今回の「監禁」はこれに明白に違反している。しかし、最も卑劣なのは、こうした人権侵害を知っていて、1文字も、1秒も報じない新聞・テレビの記者クラブメディアだ。
 とにかく検察などの国家権力があらゆる手段をもってしても自己目的を達成しようとすることは、人類共通の歴史だ。
 ところが、普通の民主主義国家では、そうした捜査当局の暴走に歯止めをかけるためのジャーナリズムが存在する。ただし、日本ではそれがない。むしろ逆に、検察の暴走を、つまらない自らの立場を守るために、見て見ぬふりをしているのが現状だ。それは、何も知らないよりずっと性質が悪い。
 先週号でもふれたとおり、石川事務所での一連の「違法」強制捜査は記者クラブメディアの記者たちの目の前で行われたのだ。さらに、懇談で女性秘書への事情聴取があったことも話題に上がっている。検察の捜査が卑劣だとしたら、それを知っていて書かず、無言で協力してきた新聞・テレビの記者たちこそ卑怯だと言わざるを得ないのではないか?

小沢強制起訴 水谷建設元会長告白「1億円裏ガネ=ワケ分かりません。石川議員・大久保秘書なんて知らない」

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