Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

オウム裁判終結/河野さん「死刑廃止すべき」/法相“死刑執行は慎重に判断”/家族の会「死刑執行回避を」

$
0
0

オウム裁判終結 どの命もかけがえない
被害者・河野さん「死刑廃止すべきだ」
中日新聞2011年11月22日 朝刊
オウム真理教事件の裁判を振り返る河野義行さん=鹿児島市内で
 一連公判が終結したオウム真理教事件。一九九四年の松本サリン事件の被害者でありながら当初、警察の家宅捜索を受けるなど二重三重の苦しみを味わった河野義行さん(61)に、事件発生から十七年の思いを聞いた。
 「私にとってのオウム事件は、妻が亡くなった二〇〇八年八月に終わっています」。河野さんの妻澄子さんは、サリンの後遺症で寝たきりになり、六十歳で亡くなった。河野さんにとって、事件が起きた最初の一年は、犯人視する警察の捜査とマスコミの報道被害との戦いだった。「冤罪(えんざい)」が晴れてからは、三人の子どもへの親としての責任を果たし、妻の回復を願い続けて生きてきた。
 ただ、首謀者とされる麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=の二審で実質審理がなかったことには「なぜ国家転覆を狙ったテロが起きたのか、本当に首謀者だったのかなど真相が分からず消化不良。再発防止策が見いだせない」と残念そうな表情を見せた。
 一方で、「裁判が終わったことで口を開く人が出てくるかもしれない。テーマを持ったジャーナリストに真相究明を期待したい」と望んでいる。
 今後は麻原死刑囚ら死刑確定者の執行に世間の関心が移る。死刑制度については「現行法では合法で正義だが、個人的には、どの命もかけがえがなく、冤罪防止のためにも廃止すべきだと考えている」と話す。
 松本サリン事件で使われたサリン噴霧車の製造にかかわり懲役十年の刑を受け、出所後に自宅を訪れた元信者とは友人になった。刑務所で覚えた技術を生かし、自宅の庭木の手入れを任せ、今でも温泉や釣りを共にする。「社会的に罪もつぐない、反省もしている。友人になりたいと思った相手だから」
 一昨年と昨年には東京拘置所で、二十一日に上告棄却となった遠藤誠一被告(51)=一、二審死刑=ら教団元幹部四人とも面会。死生観や入信の動機などを聞く中で、「ごく普通の人。むしろ他の人より真面目」という印象を持ったという。
 自身が受けた報道被害については「事件報道で、マスコミが警察からの非公式情報を基に危うい橋を渡るシステムは、いまも当時と変わっていないようにみえる」と話す。
 澄子さんの三回忌と還暦を迎えた昨年、人生をリセットしようと鹿児島に移住した。「事件前に戻ることはできない。ならば死刑囚らを恨み続けるような人生の無駄はせず、残された者として平穏に生きる」。講演活動も減らす予定でスローな生活を送る。「今後は隠居生活。いかに心地よく死ぬかがテーマです」。穏やかに語った。(東京社会部 山内悠記子)
=============================
法相“死刑執行は慎重に判断”
NHKニュース11月22日 11時26分 
 平岡法務大臣は、閣議のあと記者団に対し、オウム真理教の元代表、麻原彰晃、本名松本智津夫死刑囚ら死刑を言い渡された元幹部の刑の執行について、「一般論ではあるが、慎重に判断していかなければならない問題だ」と述べました。
 オウム真理教による一連の事件の裁判は、21日の元幹部の判決ですべて終わることになり、被告全員の判決が確定することで、今後は松本智津夫死刑囚ら死刑を言い渡された13人の刑の執行が焦点になります。これについて、平岡法務大臣は「非常に厳しい重大な判決が出ている。一般論ではあるが、死刑の執行の問題については、慎重に判断していかなければならない問題だ」と述べました。
 また、平岡大臣はオウム真理教から名前を変えた「アレフ」など2つの教団への対応について、「法務省としても、警察などと協力して、国民の安心安全を確保するため、不断の努力をしていきたい」と述べ、来年1月に適用の期限を迎える2つの教団に対する観察処分を更新する方針を重ねて示しました。
------------------------
家族の会 死刑の執行回避を
NHKニュース11月21日 15時39分
 オウム真理教の元幹部で地下鉄サリン事件のサリンを製造した遠藤誠一被告の死刑判決が、最高裁判所で確定することになり、16年にわたったオウム真理教による一連の事件の裁判が終わることを受けて、教団の信者や元信者の親などでつくる「オウム真理教家族の会」は、21日、遠藤被告の判決のあとに記者会見を開き、死刑判決を受けた松本智津夫死刑囚以外の12人について「松本死刑囚が存在しなければ違法行為をすることもなかった真面目な青年たちで、再発防止のためにも教団内で何があったのか、明らかにさせることが必要だ」として、死刑を執行しないよう求める声明を発表しました。
 家族の会の代表で、みずからも猛毒のVXガスをかけられた永岡弘行さんは「彼らには、二度と事件が繰り返されないにするために果たす義務がある。簡単に死刑にしてもらいたくない」と訴えていました。
=========================
「死刑で遺族 変わらぬ」松本サリン事件河野義行さん「麻原さんの死刑には反対」/松本サリン元受刑者男性 河野さん宅で剪定作業


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

Trending Articles