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核兵器に転用可能なプルトニウム/原発保有国の多くは本音の部分では核兵器を持ちたいと思っているようで

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「核燃サイクルは実現困難」 カーター元米大統領 本紙と会見
 中日新聞2012年1月23日 朝刊 1面
 【ニューヨーク=長田弘己】カーター元米大統領(87)=写真、長田弘己撮影=が米ジョージア州アトランタ郊外の自宅で本紙と会見した。一九七七〜八一年の大統領在任時、核燃料サイクル事業の撤退を決断したカーター氏は同事業に関し「開発費用が巨額で、仕組みも複雑だ」と述べ、経済性や技術面で実現は難しいとの認識を示した。福島第一原発事故後の日本の原発政策には「政治的な影響力から独立した監視委員会を設置することだ」と話し、国民の側に立った安全規制の強化を求めた。
 カーター政権は七七年に新原子力政策を発表し、使用済み核燃料の再処理や、再処理で生じるプルトニウムを燃料とする高速増殖炉の開発計画の無期延期などを決めた。米国内で根強い反対論があったが「(設計や構造が)複雑すぎて好ましくなかった。限られた国家予算の中で考えれば終了させる必要があった」と強調。「私は(計画を)握りつぶした」と述べ、政策決定で強いリーダーシップを発揮したことを明かした。
  カーター氏は核兵器に転用可能なプルトニウムの拡散を懸念して東海再処理工場(茨城県東海村)の運転に懸念を示したが、日米交渉の末、最後は容認した。会見で日本の核燃料サイクルの是非では言及を避けたが、技術的なトラブルが続く高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の現状などを知り「私は正しかった」と述べた。
  一方、福島原発事故の日本政府の情報提供などが不十分との指摘がある点に「報道でしか知らないが、私もそういう印象を持った」と指摘。七九年の米スリーマイル島原発事故に取り組んだ経験をもとに情報の透明性、公開性が欠かせないとし「その上で日本が将来の原子力計画を決めることだ」と強調した。
  若いころ、海軍の原子力技術者としてカナダの原子力施設の事故処理で被ばくした経験を持つカーター氏は福島事故の収束にあたる作業員らに「同情し、胸が痛む。彼らの勇気を称賛し、健康であることを祈る」と話した。
  本紙はカーター氏から核燃料サイクルの意見を聞くため訪米した民主党原発事故影響対策プロジェクトチームの谷岡郁子参院議員(愛知選挙区)に同行。今月十五日(米国時間)の谷岡氏と会談した前後に本紙のインタビューに応じた。
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カーター氏と側近、東海再処理工場運転で応酬
 中日新聞2012年1月24日朝刊 1面

          

 日本が核燃料サイクル開発を進める第一歩となった東海再処理工場(茨城県東海村)の運転をめぐる1977年の日米交渉で、本紙は当時のカーター米政権の外交記録や内部資料の一部を入手した。核兵器に転用可能なプルトニウムの拡散を懸念して運転に反対するカーター大統領と、対日関係を重視する側近や外交当局者らとの間で激しいやりとりがあったことをうかがわせた。
 文書や資料はホワイトハウスや国務省、エネルギー省、国家安全保障会議のメモや公電、書簡など。ジミー・カーター図書館(米ジョージア州アトランタ)に保管されていた。
 大統領は74年のインド核実験で核拡散の脅威が高まったとして、就任から3カ月後の77年4月に新原子力政策を発表。原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す再処理や、それを燃料とする高速増殖炉開発などの無期延期を決めた。影響は、原発の核燃料を米国産に依存する日本に飛び火し、試運転目前だった東海再処理工場に反対する考えを示した。
 73年の石油危機に見舞われた日本は代替エネルギーの確保が悲願で、当時、国務省職員だったアマコスト氏(後の駐日大使)は再処理を中止すれば「右翼と左翼双方から反米ナショナリズムが起きるだろう」との懸念を伝えていた。後に親日家として知られるマンスフィールド駐日大使は77年7月に着任後「将来の良好な日米関係のためには妥協が必要不可欠」との極秘公電を送り、米側の譲歩を促した。これを受け、大統領は方針を転換。3日後に福田赳夫首相へ書簡を送り、交渉の取りまとめを約束している。
 米側はウランと混ぜた混合核物質にすることで、純度の高いプルトニウムの取り出しを防ぐ再処理方法への切り替えで運転を認めた。しかし、米原子力規制委員会(NRC)はこの方法でも「数日でプルトニウムを取り出せる」と核拡散の危険性があることを事前に報告していた。
 日米再処理交渉は77年4月から9月まで、当時の福田内閣との間で計3回行われた。当時、外務省科学課長として交渉にあたった太田博氏(75)は「米側は『日本に再処理を認めれば、他の国にやめろと言えなくなる』と強硬だった。日本だけの問題ではなかった」と振り返った。
 【東海再処理工場】原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す日本初の再処理施設。プルトニウムとウランを混ぜた混合酸化物(MOX)燃料は高速増殖炉などで活用する。試運転後、1981年に本格稼働。使用済み燃料の年間最大処理量は210トン。2006年に電力会社からの燃料受け入れを終了し、現在は日本原子力研究開発機構(茨城県東海村)の研究施設。後継となる青森県6ケ所村の再処理工場はトラブルが続き、完成が遅れている。
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核燃料再処理交渉/「核武装 疑念晴れず」×「エネルギー源 期待」/日米間 認識にズレ
中日新聞【核心】 2012年1月23日 Tue. 朝刊3頁
           

 日米が激しくぶつかった1977年の再処理交渉。米国の外交記録や内部資料などから浮かび上がったのは核燃料サイクルを自国の「エネルギー問題」ととらえる日本と「核の脅威」と疑う国際世論との認識のズレだ。日本の核燃サイクルが米国の安全保障政策に左右される危うい実態も明らかになった。(社会部・寺本政司、中崎裕、蜘手美鶴)
■監視下の開発
 米国産濃縮ウランの提供を受けてスタートした日本の原子力開発は日米原子力協定で、米国の監視下に置かれている。米ソ冷戦の当時、同じ西側同盟諸国だった英、仏、西独と違い、原発の使用済み核燃料からプルトニウウムを取り出す再処理の実施には米国の承認が必要だった。
 日本は76年に核拡散防止条約(NPT)を批准し「核武装する気は毛頭ない」と繰り返し主張したが、米側の疑念は晴れない。
 交渉の裏方を担い、後に外務省の初代原子力課長となった金子熊夫氏(75)は「日本は信用されなかった。そもそもウランの利用を細かく制限する原子力協定は不平等条約の最たるものだが、その前提に核武装への疑いがある」と話す。名古屋大の春名幹男特任教授(日米関係論)も「当時のカーター政権や米議会に日本の核武装や日本のプルトニウムが第3者に流れる核ジャックへの懸念があった」。
 ただ、米側が制限付きとはいえ、運転容認に傾いた背景には、当時ぎくしゃくしていた日米関係があったとみられる。春名教授は「72年にニクソン大統領が日本の頭越しに訪中するなど日米関係は良好とは言えなかった。再処理反対も核を独占したいご都合主義との批判が日本政府内にあった。最後は日本との同盟関係を優先すべきだと判断したのだろう」と分析する。
 米側が運転の条件としたのはプルトニウム単体ではなくウランとの混合核物質にして取り出す方法。当時の福田赳夫首相は「ビールをつくる機械でサイダーをつくれと言っているようなもの」と不満を口にしたとされる。
■しばり忘れず
 だが、同じことは88年改定の現行協定の交渉でも繰り返された。日本側は青森県六ケ所村の再処理工場などで、自由に再処理できる包括同意の獲得に全力を挙げた。当時はカーター政権に比べ原子力開発に比較的寛容とされたレーガン政権だった。
 交渉は順調に進むかに見えたが、米側は包括同意と引き換えに、自国の安全保障に対する著しい脅威があった場合は協定を破棄できる文言を盛り込み、しばりをかけるのを忘れなかった。
 現行の原子力協定は6年後の2018年が期限切れ。金子氏は「イランと北朝鮮の核問題を抱える米国は、今でも再処理をやめてほしいと思っているはず」と話す。核兵器保有国以外で米国が再処理を認めているのは日本だけ。いまだ韓国は同意を得られていない。専門家の間では冷戦が崩壊し、テログループなどによる核ジャックの危険性が一段と高まったとの指摘もある。
 国内でも福島第1原発事故を受け、政府は今夏をめどに高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を含め核燃サイクルの是非をまとめる予定。先進国が相次いで撤退する中、エネルギー自給の名の下にプルトニウムをため込んできた日本がどのような決定を下すのか。世界は厳しい目で見ている。
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イランも米国も、まだ全面対決を望んでいない/核の一線を越える覚悟がイラン自身にあるのかどうか2012-01-24 | 国際
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原発保有国の語られざる本音/多くの国は本音の部分では核兵器を持ちたいと思っているようであり2011-05-10 | 政治〈国防/安全保障/領土〉
 知らないのは日本人だけ? 世界の原発保有国の語られざる本音
JB PRESS 2011.05.10(Tue)川島博之〈東京大学大学院農学生命科学研究科准教授〉
 4月の最終週に、ドバイ経由でエチオピアに出張した。出張ではホテルのロビーなどで外国人と何気ない会話を交わすことも多いのだが、今回出会った人々は、私が日本人と分かると、異口同音に「FUKUSHIMA」について聞いてきた。世界の人々が原発事故に関心を寄せているのだ。福島は広島、長崎と共に、広く世界に知られた地名になってしまった。
 日本はこれからも原子力発電を続けるべきであろうか。それとも、原発は取り止めるべきなのだろうか。
 報道各社による直近の世論調査では、賛否はほぼ拮抗している。多くの人が、地震が多い日本で原子力発電を行うことはリスクが伴うが、便利な生活を送るためには仕方がないと考えているのだろう。
 現在は、原発から漏れている放射性物質の封じ込めや津波で破壊された町の復興に関心が集まっているが、一段落つけば、これから原発とどう付き合うか、真剣に議論しなければならなくなる。
 その議論を行う前に、世界の原発事情についてよく知っておくべきだ。フランスが原発大国であることを知っている人は多いと思うが、その他の国の事情については、よく知られていないと思う。
 筆者の専門はシステム分析だが、システム分析ではデータを揃えて広い視野から先入観を持たずに現実を直視することが第一歩となる。そこで本稿ではIEA(国際エネルギー機関)のデータを基に、世界の原発事情について考えてみたい。そこからは原発の意外な一面が見えてくる。
*原発を所有する国の意外な顔ぶれ
 原発は最先端の科学技術を利用したものであるから、先進国にあると思っている人が多いと思う。しかし、調べて見るとどうもそうとは言い切れない。
 現在、31カ国が原発を所有している。原発による発電量が最も多い国は米国であり、その発電量は石油換算(TOE)で年に2億1800万トンにもなる(2008年)。
 それにフランスの1億1500万トン、日本の6730万トン、ロシアの4280万トン、韓国の3930万トン、ドイツの3870万トン、カナダの2450万トンが続く。日本は世界第3位だが、韓国も第5位につけており、ドイツを上回っている。
 その他を見ると、意外にも旧共産圏に多い。チェルノブイリを抱えるウクライナは今でも原発保有国だ。石油換算で2340万トンもの発電を行っている。その他でも、チェコが694万トン、スロバキアが440万トン、ブルガリが413万トン、ハンガリーが388万トン、ルーマニアが293万トン、リトアニアが262万トン、スロベニアが164万トン、アルメニアが64万トンとなっている。
 旧共産圏以外では、中国が1780万トン、台湾が1060万トン、インドが383万トン、ブラジルが364万トン、南アフリカが339万トン、メキシコが256万トン、アルゼンチンが191万トン、パキスタンが42万トンである。
 その他では、環境問題に関心が深いとされるスウェーデンが意外にも1670万トンと原発大国になっている。また、スペインが1540万トン、イギリスが1370万トン、ベルギーが1190万トン、スイスが725万トン、フィンランドが598万トン、オランダが109万トンとなっている。
 原発を保有している国はここに示したものが全てであり、先進国でもオーストリア、オーストラリア、デンマーク、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ニュージーランド、ポルトガルは原発を所有していない。
 ここまで見てくると、一概に原発は先進国の持ち物と言うことができないことが分かろう。
*多くの国は本音で核兵器を持ちたがっている
 東欧諸国は旧共産圏時代に建設し、今でもそれを保有している。しかし、台湾やインド、ブラジル、南アフリカ、パキスタンになぜ原発があるのだろうか。韓国の発電量がなぜドイツよりも多いのであろうか。また、G7の一員でありながら、なぜイタリアには原発がないのか。
 原発の有無は、その国の科学技術力や経済力だけでは決められない。
 ある国が原発を所有する理由を明確に知ることは難しい。その国の人に聞いても、明確な答えは返ってこないと思う。しかし、原発を持っている国名を列記すると、その理由がおぼろげながら見えてくる。原発は国家の安全保障政策に関係している。
 原子力による発電は原子力の平和利用であるが、ウランを燃焼させることにより生じるプルトニウムは原子爆弾の原料になる。また、原発を製造しそれを維持する技術は、原爆を製造する技術につながる。原発を持っている国は、何かの際に短時間で原爆を作ることができるのである。
 北朝鮮が原爆の所有にこだわり、それを手にした結果、米国に対して強い立場で交渉できる。この事実は広く知られている。そのために、イランも原爆を欲しがっている。
 米国が主導する世界では、世界の警察官である国連の常任理事国以外は核兵器を所有してはいけないことになっている。それ以外の国が原爆を持つことは、警察官以外が拳銃を持つようなものであり、厳しく制限されている。
 しかし、各国の利害が複雑にぶつかり合う世界では、金正日が米国に強気に出ることができるように、核兵器を持っていることは外交上で有利に働くと考えられている。
 多くの国は、本音の部分では核兵器を持ちたいと思っているようであり、原発保有国のリストと発電量を見ていると、その思いの強さが伝わってくる。
*フランスが原発大国でイギリスの原発が小規模な理由
 日本では、フランスが原発大国であることはよく報じられるが、その理由が語られることはない。フランスが原発に舵を切ったのは、地球環境問題がやかましく言われるようになった1990年代以前のことである。フランスはCO2を排出しない発電方法として原発を選んだわけではないのである。
 それには、西側にいながら米国と一線を画したいと考えるドゴール以来の外交方針が関連していると考えるべきであろう。同様の思いは、国防に関心が深いスウェーデンやスイスにも共通する。また、フィンランドは常にソ連の脅威にさらされてきた。
 そう考えると、西側の中でもイギリスの原発発電量がスウェーデンよりも少なく、フランスの約1割に過ぎないことがよく理解できよう。イギリスの外交方針が米国と大きく異なることは多くない。原子力の力を誇示して、ことさらに米国と一線を画す必要はないのである。
 韓国に原発が多いことも理解できる。米国が作り出す安全保障体制の中で原爆を持つことは許されないが、北朝鮮が持っている以上、何かの際に原爆を作りたいと考えている。
 その思いは台湾も同じである。旧共産圏に属する小国が、多少のリスクに目をつぶって原発を保持し続ける理由もそこにある。東西の谷間に埋もれるなかで、少しでもその存在感を誇示したいと思っているのだ。
*「絶対安全」とは言えない原発の所有を国民にどう説明するか
 このような力の外交の一助として原発を位置づけるという考え方は、多くの国で国民にそれなりの理解を得ているようだ。だから、フランスや韓国や台湾、ましてパキスタンで反原発のデモが繰り返されることはない。
 しかし、日本、ドイツ、イタリアではそのような考え方は国民のコンセンサスとはなり難い。言うまでもなく、この3国は第2次世界大戦の敗戦国であり、多くの国民は力による外交を毛嫌いしている。そのために、原発の所持を安全保障の観点から国民に説明することが難しくなっている。
 この3国では原発所持の理由を、経済性や絶対安全であるとする観点から説明することになる。しかし、それだけでは、使用済み燃料の最終処理に多額の費用を要し、また、福島の事故で明らかになったように、絶対安全とは言えない原発の所有を国民に説明することはできない。
 イタリアはチェルノブイリ原発事故の後に国民投票を行い、原発を廃止した。また、ドイツも緑の党などが強く反対するために、福島の事故を受けて、原発の保有が大きな岐路に立たされている。
 ここに述べたことを文書などで裏付けることは難しい。しかし、原発の保有国リストや発電量を見ていると、自然な形で、ここに述べたようなことが見えてくる。世界から見れば、日本の原子力政策も潜在核保有力の誇示に見えていることであろう。
 これまで、日本における原発に関する議論は、意識的かどうかは分からないが、本稿に述べた視点を無視してきた。
 しかし、原発の経済性と安全性の議論だけでは、なぜ、原発を持たなければならないのかを十分に議論することはできない。福島の事故を受けて、今後のエネルギー政策を考える際には、ぜひ、タブーを取り除いて議論すべきであろう。
 戦後66年が経過しようとしている。少子高齢化も進行している。そろそろ、老成した議論を始めてもよいのではないであろうか。
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