自由報道協会賞の授賞式が開催 大賞の岩上氏「自分が受賞しては格好がつかない」
ニコニコニュース2012年1月28日(土)2時17分配信
自由報道協会(上杉隆代表)は2012年1月27日、設立1周年を迎えた。同協会は1周年を記念して、優れたジャーナリスト・作品を表彰する「自由報道協会賞」を創設。第一回の各部門賞・大賞の発表と表彰式が27日に開催された。授賞式では、大賞(日隅一雄賞)を受賞したジャーナリストでIWJ代表の岩上安身氏が、同賞の創設の経緯について「ゴタゴタしたこともあった」と打ち明ける一幕もあった。
表彰式冒頭には、民主党元代表の小沢一郎衆院議員が登場。自由報道協会代表の上杉隆氏が、同協会での会見数最多の小沢氏を「政治家・権力者とジャーナリズムとは対立する構図にあるが、同じ日本・世界を思う人間として、自由な言論のために寄与していただいた小沢一郎さんを(賞ではなく)顕彰したい」と小沢氏を紹介した。
登壇した小沢氏は「いろいろなメディアの方の、いろいろな切り口があっていい。オープンな会見をするべきだという考えを持っていた」「(自分もオープンな会見のために)自由報道協会を活用させていただき、感謝している」と述べた上で「民主党も、政権をとったら(会見を)全部オープンにすると言った気がするが、現実には実現されていないのじゃないかと思う。その気になれば、お金もかからないし、すぐやれる」と語った。
自由報道協会賞には、一般の公募により、ジャーナリズムの権威の向上に貢献したと認められたものを候補とする「報道賞」「マイクロジャーナリズム賞」などの部門賞と、公募段階での得票数上位や選考委員の推薦から候補が選ばれた大賞がある。大賞を含め、最終投票は同協会の公式ホームページ上で行われ、各賞の受賞者には副賞として賞金も贈られた。
大賞は、昨年5月にがんで余命半年と宣告されてながらも闘病生活を続け、主に東電記者会見に出席し、ジャーナリズム活動を続けている日隅一雄氏の名を冠して「日隅一雄賞」と名付けられている。大賞を受賞した岩上氏はスピーチで、「この大賞にふさわしいのは日隅氏だと思う」とした上で、「この賞を開設するにあたってゴタゴタしたこともあった。3月を予定していたが、日隅氏が『それでは(自分の命が)間に合わないかもしれない』と言っていたと聞かされ、だったら拙速と言われようと、1月にしようと。ここに来るまで『納得しよう』とツイッターで書いた。そんなこと言っといて、自分が受賞しては格好がつかない」と同賞創設の経緯について語り、会場を沸かせた。
なお、自由な言論ならびに多様な言論の構築のために著しい貢献をした個人・団体に贈られる「協会賞」には、ニコニコ生放送が選ばれた。代表して賞を受け取った亀松太郎氏は「賞をめぐってひともんちゃくあったので辞退しようかと迷ったが(笑)、ありがたく受け取ることにした。(ニコニコ生放送の配信)スタッフ、ドワンゴの開発チーム、そういうすべてに対して贈られた賞だと思う」と話した。
各賞の受賞者・作品は以下の通り。
■大賞(日隅一雄賞)
岩上安身氏
■3.11賞(東日本大震災と福島第一原発事故に関係する報道)
『石巻日日新聞』
■マイクロジャーナリズム賞(ツイッター、ブログ等を表彰)
IWJ
■自由賞(3.11賞、報道賞、マイクロジャーナリズム賞に該当しないもの)
山本太郎氏
■報道賞(媒体、報道機関を対象としたもの)
「吉田照美 ソコダイジナトコ」
■協会賞(自由な言論ならびに多様な言論の構築のために著しい貢献をした個人、団体)
ニコニコ生放送
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 第一回自由報道協会賞大賞を受賞した岩上安身氏のスピーチから視聴 - 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv78963494?po=news&ref=news#53:30
・第一回自由報道協会賞の説明 - 自由報道協会公式HP
http://fpaj.jp/?page_id=2143
(寺家将太)
==============================
◆閣僚会見のオープン化「世界中のジャーナリストに代わってお礼申し上げたい。質問はありません」2010-03-26 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
鳩山首相 記者会見をフリー記者らに開放 40人が出席
3月26日21時27分配信 毎日新聞
鳩山由紀夫首相の記者会見が26日、フリーランスやネットメディアなどの記者にも開放して首相官邸で行われた。日本雑誌協会などの会員社の所属記者や、外国記者登録証保持者、各メディアに一定の記事の提供実績があるフリー記者らが対象で、フリー記者6人など43人が事前登録し、約40人が出席した。
約1時間の会見では14問の質問があったが、うち4問が会見を主催する内閣記者会以外の国内のフリー記者らから。大半は「首相主催の会見を開く考えはないか」「他省庁の会見もオープンにする考えはないか」などといった記者会見に関する内容だった。これに対し鳩山首相は「検討する」などと答えた。会見の様子はネットを通じて動画中継された。
会見の開放を求めていたフリー記者の上杉隆氏は「世界中のジャーナリストに代わってお礼申し上げたい」と首相に感謝したが、「質問はありません」と質問しなかった。
鳩山政権は閣僚会見のオープン化を進めており、岡田克也外相と原口一博総務相の会見には一定の要件を満たした記者であれば原則として参加が可能。亀井静香金融・郵政担当相と枝野幸男行政刷新担当相は雑誌、フリーらを主な対象にした会見を実施している。小沢鋭仁環境相も4月から行う予定だ。【影山哲也、篠原成行、合田月美】
.... ...
首相記者会見をオープン化 フリー記者ら40人が参加
asahi.com2010年3月26日21時4分
鳩山由紀夫首相の26日の記者会見で、インターネット記者やフリー記者が質疑に加わった。会見を主催する内閣記者会(加盟104社)は昨年9月の鳩山政権発足後、雑誌や外国メディアの記者に出席を認めていたが、今回初めてフリー記者らに枠を広げ、質問も認めた。
26日の会見には加盟社以外から約40人が参加。首相官邸の記者会見場は用意された約120席がほぼ埋まった。発言した14人中5人が加盟社以外の記者。ネット記者の一人は、平野博文官房長官の能力不足を指摘、首相に「チェンジすることは視野に入っていないか」と迫った。フリーの記者からは会見のオープン化をいっそう進めるよう求める質問が相次いだ。「世界中のジャーナリストに代わってお礼申し上げたい」と意見表明だけして、質問をしなかった記者もいた。
首相は「記者会見も開かれるように仕立てていかなければならない。まず、その第一歩を開かせていただいた。開かれた記者会見をより多く開かせていただく。記者クラブともしっかり協議しなければならない」と述べた。
加盟社以外の参加資格に「十分な活動実績・実態を有する」など一定の基準がつけられている点を踏まえ、首相は「まだ不十分だと思っている。さらにオープンに努めたい」。閣僚の記者会見の一部がオープン化されていない状況についても質問が出たが、首相は「国民に開かれた内閣の姿を示す必要がある。閣内不一致と言われないよう、私の方から(オープン化を)申してまいりたい」と述べた。
首相会見のオープン化については、今月12日、首相側から内閣記者会に打診があり、その後、記者会は松野頼久官房副長官と協議を進め、26日から実施することにした。オープン化にあわせ、これまで20〜30分程度だった会見時間を1時間程度に延ばすことも決めた。(有馬央記)
-- --- ----
首相、記者会見は「質問者も責任ある」
3月26日20時59分配信 産経新聞
【鳩山会見詳報(9)】(26日夜)
【記者会見】
−−本日は、こういう形でオープンな記者会見を開いていただいたこと、心より感謝申し上げる。まず日本の情報の公開のあり方だが、ソ連がゴルバチョフ政権でペレストロイカ(再建)をやったときに、その第一歩となったのは情報公開、グラスノスチだ。日本のグラスノスチの第一歩になっていただけるよう、各省庁すべての会見がフルオープンになることを期待したい。質問だが、まず、情報の公開のあり方だが、官邸のホームページに動画が配信されておらず、記者会見の記録がテキストで載っているが、こちらには質問者が明示されていない。ここで社名、氏名を申し上げても問答という形式になっている。今まで開かれてきた金融庁、外務省、内閣府の枝野幸男行政刷新担当相の記者会見で初日に指摘したが、質問者もまた、国民から見れば知るべき対象だろうと思う。どんな社のどんなジャーナリストがどのような質問をして、それに対して大臣がどのように答えたのかも含めて国民はすべて開示され、その情報を得たいと思うので、これらをすべてつまびらかにして、オープンにしていくあり方をしていく考えはあるか
−−また、もう1点だが、なかなか記者会見を開いていただけないという不満が先ほど一部からあったが、たとえば今後、記者クラブ主催の記者会見ではなく、大臣の、首相の主催による記者会見を別途開かれて、そこにより多くのフリーランスやネットメディア等、今まで既得権を持たず記者会見に参加することができなかったメディアのジャーナリストが参加しやすいような場を作ることはお考えいただけないか
「ありがとうございます。ロシアのペレストロイカ、グラスノスチになぞらえていただいて、うれしいような、何か、まだそこまでに至っていないのかという思いもあるわけでございますが、でも、ご評価いただいたことは感謝します。私もこの記者会見のオープン化はまだ不十分だと思っています。ご案内の通り、これも満杯になってしまっておるものですから、会場の設営の問題というのもございますが、できる限りですね、さらにオープンに努めてまいりたいと。まず、そのようには思います。そして、そのホームページに関して、おたずねでありました。質問者とそれに対する答え、だれが答えているかも含めてでございますが、検討させてもらいたい。むしろ当然、これは質問者も名前を隠せと言っているわけではないと思っておるものですから、そして質問される方もそれなりの責任というものもあろうかと思います。したがって、基本的にこれも、氏名を公表すべきものだと、そのようにも基本的には考えております。私としての、それは意見として申し上げておきます。したがって、できればそのようにしていきたいと考えております」
「それから、もう1つ、記者クラブ主催の記者会見ではなくて、さらにオープンな形で、私が主催する記者会見も行えということでございます。私の例の政治資金のことに関しては、私が主催して記者会見を開いたという、あまりここで言いたくもなかったかもしれませんが、そういう、自分で開いているということもございますが、さらによりオープンに、これは記者クラブとも、先ほどお話がありましたので、しっかりと協議をしなければいけない話だと思っておりますが、より広く情報公開を求める国民のみなさんの声にこたえてまいりたいと思っておりますので、より多く開くという意味においても、主催者というものが、私で開かれるというものがもっと多くできるのかどうか。できるようにしてまいりたいと思っておりますが、これは記者クラブ制というものがあるものですから、そのクラブ制の中で、しっかりと検討して答えをより積極的に見いだせるようにしてまいりたいと思います」
◆小沢幹事長問題ではっきりした メディアと国家権力の危険な関係【週刊 上杉隆】
世論調査の数字が、政治やジャーナリズムの根底を左右してはならない。あくまでそれは参考に留めるべきだ。政治は国益と国民の利益のために、ジャーナリズムは真実を追求すべきためにあるべきだ。もちろん世論は大事だが、必ずしも世論が正しいとは限らない。
しかも、世論調査の数字自体も、その質問設定の方法などの条件によっていくらでも変わるものだ。その事実を明らかにしたいがために、筆者は小沢幹事長への質問の冒頭であえて次のように言及したのだ。
――まず冒頭に、これは質問ではありませんが、ラジオ・ネットの世論調査では7割から8割は「幹事長は辞めるべきではない」という逆の結果が出ています。
TBSアクセスでは67%が、週刊誌「AERA」では過半数が続投支持を打ち出しているというデータを伝えたのだ。どちらも検察批判を報じた媒体である。
つまり、それまでにどのような報道をしたかでも世論調査の結果は変わってしまうのだ。政治とジャーナリズムが左右されていけない理由はここにある。だがら私はこれを質問とせず、「ご参考までに」としたのだ。
ひきつづいて、質問の本題である。
――記者会見の開放について。昨年の3月24日、小沢幹事長は、当時は代表ですが、この場所で政権をとったあかつきには政府の会見をオープンにすると約束しました。また5月16日には鳩山首相も同様に公約しました。だがいまだに公約違反が続いています。さて、そろそろ政権交代してから150日ぐらい経ちます。民主党は、政府・党の一元化を謳っていますが、小沢幹事長は、きょうも総理に会っていますが、党として政府にオープン化の申し入れをしたことはありますか。もしくは今後申し入れをする予定はありますか。
これに対して小沢幹事長の答えは次のようなものだった。
「私が、たぶん代表の時だったかな? はい。ですから私はそのつもりでおりました。仮に選挙勝って政府を任されることになれば、そのつもりで言ったと思います。ですから私自身は今も考え方は変わっておりません。しかし鳩山総理に、いま話し合ったように、ご自身もそうしたらいいんじゃないかという話を直接まだ言ったことはありません。何かの機会にそういうみなさんの要望が強いということを伝えておきたいと思います」
――幹事長として、正式要請ですか?
「もちろん幹事長の立場はついてまわるので、今度の機会にそういう皆さんからの要望も強い、私自身もそうしたいということを申し上げたいと思います」
==============================
情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄
◆自由報道協会賞大賞に「日隅一雄」の冠をいただいたことの私的な意義〜現実と希望 メディア(知るための手段のあり方) /2012-01-28 08:39:39
取材、報道、評論活動などを通じてジャーナリストとして顕著な業績をあげ、ジャーナリズムの信用と権威を高めた個人・団体・および作品等を顕彰する「自由報道協会賞」の授与式が1月27日、行われた。同協会を立ち上げた上杉隆さんらの意向で、大賞を「日隅一雄」賞と命名していただいたうえ、27日には、同賞のプレゼンターを務めさせていただいた。本当にありがたいことで、上杉さんはじめ自由報道協会の皆さんに感謝しています。
授与の場面→ http://ow.ly/8IZrq の49分ごろから
上杉さんによる命名理由の説明→ http://ow.ly/8IZBs の5分30秒
私の挨拶→ http://ow.ly/8IZBs の7分10秒ごろから
当日、挨拶の予定を聞いておらず、かつ、時間もなかったため、十分に謝意を伝えることができなかったことを悔やんでおり、このブログで改めて、お礼を述べたいと思います。
私は、弁護士になって数年後から、「表現の自由」を侵害している日本独自の仕組みを改善し、「表現の自由」を保障する仕組みをいかに作り出すかということを課題としてきた。このブログもその活動の一環であり、また、このブログに書き続けることで、課題への気持ちをますます強くしてきた。
ブログでは、選択の余地のない地域独占型電力会社が徴収した電気代で原発推進広告をテレビで流すということに触れたこともある。海外ではそれを防ぐための仕組みがあることについてもご紹介し、いずれは、訴訟を提起して、このような国民の意思を歪めるようなCMを流させないようにしたいと思っていた。
偶然ですが、3・11の数日前、そのためのファイルを整理し、新たなファイルに綴じた。今年こそ、この訴訟を提起しよう、そう決意していた。
そこに3・11が発生した。東電・政府からは市民がどう動いたらよいかに関する必要な情報がほとんど流されない。それなら、自分でそういう情報を少しでも引き出してやろう、木野龍逸さんとの二人三脚での「東電会見春の旅」はこうして始まった。
東電会見の状況が改善されれば、私たちはすぐにでも、会見への出席を停止し、通常の生活にもどるつもりだったが、それはかなわず、私たちは、岩上安身さん主宰のサイト「IWJ」やニコ生で、東電会見が生中継されていることから、東電や政府がどのような答えに窮し、どのような回答をし、あるいは、回答をしないのか、ということを直接、数万人の視聴者に見てもらうことを願って、また、私たちの質問を通して、少し事故対応が改善されうるのではないかと願って、会見に出席し続けた。
私は、本業弁護士としての一定の蓄えもあれば、会見のない時間帯に本業をして食っていくことはできるが、木野さんは、完全に収入の途を絶たれた状態での「旅」でした(その後、木野さんを支える会が発足され、寄付金をもとに木野さんの生活は確保されている)。
そんな中、下痢が続くようになり、5月23日、悪性腫瘍の疑いがあることを知らされ、25日、手術や放射線治療ができない状態の胆のう末期癌であると説明された。余命は半年、うまく抗がん剤が効けば一年、効く確率は2〜3割…。
1か月弱入院して癌の確定診断、抗がん剤の第1回投与を受けた後、退院。その頃、私は癌に立ち向かうための様々な治療について検討し、それを実践していました。そもそも、寝具さえまともなものがない部屋でしたから、そこに生活するための道具をそろえるには時間がかかります。同僚弁護士や仲間たちの支援でゆっくりと生活の基盤を固めていきました。
落ち着いてしばらくすると、東電原発事故のことが気になった。久しぶりにインターネットで中継をみたところ、相変わらずのやりとり…。少しだけなら参加できるかもしれない…。こうして、再度会見に出席するようになり、また、会見のやりとりを記録しておく必要性を感じ、「検証 福島原発事故・記者会見―東電・政府は何を隠したのか」(岩波書店)を上梓した(現在3刷)。
さらに、今回の事故で、名目的に主権者とされる国民が主権者として必要な情報を得ることができていたのか、主権者としての意思が政策決定に十分に反映されてきたのか、改めて疑問をもったと思う。実は、ほかの国では、主権者が主権者として振舞うための制度が設置されている。それらを紹介するブックレット「『主権者』は誰か 原発事故から考える」を岩波書店から2月中に発行する予定だ。
こうしたことが出来るのは先輩や仲間たちの支援があってこそだし、多くの方が著作を買ってくれていることも心強い。
しかし、正直、何か、証がほしいと願っていた。私がこれまでしてきたことよって、これだけの進展があったという…。年末が近づき、私の体は、医師が宣告したとおり、弱っていった。腫瘍が大きくなり、食べ物がまともに食べられない、腹痛で寝られない…。
上杉さんから、「日隅一雄賞」の申し出を受けたのはこの前後だった。自由報道協会が良質の報道を表彰する予定で、ついては、日隅一雄を大賞に冠したいという申し出だった。まさに、これは「証」だった。密室的な報道(異論もあるでしょうが、客観的にはそう批判されても仕方ない状況)をブレイクスルーしつつある「自由報道協会」が、既存メディアも含めた顕彰を行うことは、日本の情報流通が大きく変わることにつながる。これに私の名前を付してもらい、毎年、私のこと、そして、私が言いたかったことを思い出してもらえる。これこそ、「証」だ。
上杉さんとは、日程も含め何度か連絡をした。そのやりとりのなかで、互いに何も言えなくなった瞬間があった。上杉さんの気持ち、私の受け止め、それを感じ取った上杉さんの気持ち、タクシーの中でなければ、私は…。
結果的に、上杉さんが選択してくれた時期はまちがっていなかったように思う。ごく最近になって、下半身を中心にむくんできている。授与式を見た人から「ふっくらしたようだね。少しよくなった?」と聞かれた。実際には、浮腫みが上半身にまで来ているということだ。体重が2週間で2キロ減ったあと、2週間で5キロ増えた。浮腫みと腹水が貯まり始めた事実、すでに痛みに対し、麻薬系鎮痛剤を投与してい事実。主観的には、岩波ブックレットに並行して絵本をつくっているし、無制限10本勝負と命名した連続講演会もこれから続く。まだまだ生き抜くつもりだが、客観的には終末期が近づいていることは否定できない(この貴重な体験を独占するのも申し訳ないので(笑)、現在闘病日記もブログに掲載中)。
しかし、冷酷な現実を前にしても希望を忘れてはならない。上杉さんたちは私に「証」という希望を与えてくれた。この希望を胸に、現実に立ち向かっていきたい。上杉さんをはじめとする運営委員会の皆さん、冠を快く認めてくれた自由報道協会の皆さん、そして私たちを支援している皆さん、本当にありがとうございました!
今回、大賞をとった岩上安身さんの試みは極めて貴重だ。市民が直接報道に参加し、発信を支援する。このような試みは、閉鎖的な記者会見をこじ開けることにつながる。1%の人が独占していた情報が広く伝わるようになる。そして、これらの試みが全国で行われれば、中央の報道だけでなく地の報道も活性化されるはずだ。岩上さん、そして、岩上さんと共に情報の流通に貢献しているスタッフの皆さん、おめでとう!
(なお、今回、私の名前を冠にいただいたことから、各賞へのノミネートは辞退しました。木野さんもとばっちりを食った格好です。自由報道協会だけでなく、彼へも支援を!
*東電会見に出席し続けている木野龍逸さんへの支援金の振込先口座は下記のとおりです。
郵便局の振替口座
口座番号は、00100−5−362362
口座名称は、木野龍逸支援の会(キノリュウイチシエンノカイ)
なお、銀行からの場合、
ゆうちょ銀行
〇一九店
当座預金
0362362
にお願いします(できれば郵便局の振替でお願いします)。
--------------------------------