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民主党9人が離党届提出/斎藤恭氏も離党表明/小沢系[新しい政策研究会]の出席者一覧

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野田政権に大打撃 民主、若手9人が離党届を提出
産経新聞 12月28日(水)10時28分配信
  野田佳彦首相が目指す消費税増税などに反発する民主党の内山晃衆院議員(57)=千葉7区=ら9人が28日午前、国会内で樽床伸二幹事長代行に離党届を提出した。内山氏らは、すでに党除籍(除名)となっている松木謙公衆院議員(52)=北海道12区=と年明けの新党結成に向けて連携する意向で、野田政権にとって大きな打撃となる。
 離党届を提出したのは、内山氏のほか、渡辺浩一郎(67)=比例東京▽豊田潤多郎(62)=比例近畿、斎藤恭紀(42)=宮城2区▽中後淳(41)=比例南関東▽石田三示(59)=比例南関東▽三輪信昭(69)=比例東海▽小林正枝(40)=比例東海▽渡辺義彦(55)=比例近畿の各衆院議員。9人は午後に国会内で記者会見する。
 党執行部は離党をとどまるよう慰留に務める方針。1月下旬に開かれる党常任幹事会で正式に対応を決める。
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関連;小沢系勉強会の出席者
 民主党の小沢一郎元代表を会長とする新勉強会設立総会の出席議員は次の通り。(敬称略、丸数字は当選回数)
 ◇民主
 〔衆院〕小沢一郎(14)、小沢鋭仁(6)、東祥三、川内博史、小林興起、原口一博、山田正彦=以上(5)、黄川田徹、伴野豊、松野頼久、三井辨雄、吉田治=以上(4)、内山晃、奥村展三(参(1))、神風英男、鈴木克昌、中塚一宏、仲野博子、樋高剛、松宮勲、和田隆志=以上(3)、太田和美、岡島一正、古賀敬章、階猛、辻恵、豊田潤多郎、中川治、橋本清仁、福田昭夫、松崎哲久、横山北斗、若井康彦、渡辺浩一郎=以上(2)、石井章、石田三示、石原洋三郎、石森久嗣、石山敬貴、今井雅人、大谷啓、大西孝典、大山昌宏、岡本英子、奥野総一郎、笠原多見子、金子健一、川口浩、川島智太郎、木内孝胤、菊池長右エ門、木村剛司、京野公子、熊谷貞俊、熊田篤嗣、黒田雄、小林正枝、坂口岳洋、菅川洋、瑞慶覧長敏、空本誠喜、高橋英行、高松和夫、田中美絵子、玉城デニー、中後淳、中野渡詔子、萩原仁、橋本勉、畑浩治、福嶋健一郎、水野智彦、皆吉稲生、三宅雪子、村上史好、柳田和己、山岡達丸、渡辺義彦=以上(1)
 〔参院〕尾立源幸、主浜了、広野允士(衆(1))、森裕子=以上(2)、梅村聡、大久保潔重、行田邦子、小見山幸治、佐藤公治(衆(2))、武内則男、田城郁、谷亮子、徳永エリ、友近聡朗、外山斎、中村哲治(衆(2))、西村正美、はたともこ、姫井由美子、平山幸司、藤原良信、室井邦彦(衆(1))、安井美沙子、米長晴信=以上(1)
 ◇新党大地
 〔衆院〕浅野貴博(1)
 ◇無所属
 〔衆院〕松木謙公(3)、石川知裕(2)、佐藤夕子(1)
   (時事通信2011/12/21-19:39)
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民主、複数議員が離党検討 消費増税に反発
 民主党の複数の若手議員が、野田佳彦首相の消費税増税方針に反発し離党を検討していることが26日、分かった。6月に菅内閣不信任決議案に賛成して民主党を除籍され、現在無所属で活動している松木謙公衆院議員らとの連携も視野に入れている。
 民主党では中島政希衆院議員が24日、八ツ場ダムの建設再開決定を批判して離党届を提出。離党者が続けば首相の求心力はさらに低下し、政権運営に影響を与えるのは必至。
 若手議員らは26日、小沢一郎元代表らと都内で会談。関係者によると、小沢氏が党にとどまるよう求めたが、議員の一人は「増税阻止のためにどうするかを考えて行動する」と述べた。
2011/12/27 02:02  【47ニュース】
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民主・斎藤恭氏が離党表明=数人も検討、消費増税に反発
 民主党の鳩山由紀夫元首相のグループに所属する斎藤恭紀衆院議員(宮城2区選出、当選1回)は27日、野田政権の消費増税方針に反発し、離党する意向を表明した。菅内閣に対する不信任決議案に賛成し、同党を除籍(除名)された松木謙公元農林水産政務官らと新党を結成する方向で調整しているという。党関係者によると、このほか小沢一郎元代表グループの中後淳氏(比例南関東)ら数人の若手衆院議員も離党を検討している。
 これに関し、輿石東幹事長は27日午前の記者会見で「どういう気持ちで離党するか確認したり、(慰留の)働き掛けは必要だと思っている」と述べ、離党届が提出された場合は翻意を促す考えを示した。
 民主党では、政府が八ツ場ダム(群馬県長野原町)の事業継続を決定したのを受け、衆院当選1回の中島政希氏が離党届を提出した。相次ぐ若手の離党の動きは政権にとって打撃で、消費増税を含む社会保障と税の一体改革の素案取りまとめにも影響を与えそうだ。
 斎藤氏は、衆院議員会館で記者団に「(国民との)約束を果たすため離党する」と明言。松木氏との連携については「新党ありきではないが、同じ思いなので固まりで動いた方がいい」と述べた。また、小沢氏から「犬死にしてはいけない」と慎重な行動を促されたことも明らかにした。 
 一方、中後氏は記者団に「まだ言える状況でない。離党するというのは離党届を持って行く時だ」と語った。(時事通信2011/12/27-13:03)
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でっちあげに抗して小沢一郎が目指す真の政治/信念なき民主党、菅政権の負の遺産に苦しむ野田政権2011-12-24 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
松木けんこう氏
JBpress 2011.12.23(金)
マット安川 民主党を離れ、無所属となっても信念を貫く松木けんこうさんを迎え、民主党や野田政権が抱える問題や、公判中の小沢一郎さんのことについてお聞きしました。
*民主党は言ったことに責任を持て。このままではウソつきだ
松木 今朝(12月16日)の読売新聞1面の小沢(一郎・民主党元代表)さんの記事で、検事が、石川(知裕・衆院議員)さんが言っていないことを書いていたことが白日の下にさらされました。たまたま石川君がテープを持って録っていたから分かったことで、テープがなかったら検察の話が全部信用されるという大問題です。
 だから我々は、政権交代前の参議院で多数を占めた時に、可視化法案を出したんです。要するにあまりにも冤罪が多いので、捜査段階など取り調べのどこかの時点でしっかり録音、録画などの証拠を取っておくべきだという法案です。
 参議院では2回も可決されたんですが、当時は衆議院が民主党が多数ではなかったので、最後には否決されました。それでいよいよ政権を取ったら可視化法案はやらないという。それが民主党です。もう私は意味が分からないですね。
 政治家にとって大切なことは、信念を持ってやるということです。2年数カ月前に、民主党は何と言ったか。子育て支援でもっと子どもを持ってもらおう、農業者への戸別所得補償で40%しかない食料自給率をもっと高めよう、高速道路の無償化で流通コストを安くして経済を活性化させよう。いろんなことを掲げました。
 それが100%正しいかどうかは神様しか分かりません。というのは、すぐに結果が出るものとそうじゃないものがありますから。だから微調整はあっても仕方ないと思うけれども、右45度の話をしたのに、急に左45度になっちゃったというのでは、これはウソつきです。
 どうしても実情が違ってきたという時には、国民にちゃんと説明すればいいし、新しい考えを出して衆議院を解散するとか、そういうことを考えればいいんです。言ったことはしっかり信念を持ってやるということが大切なんです。
*菅前総理の負の遺産を引き継いでしまった野田政権
 野田(佳彦)政権はどんどん状況が厳しくなってきています。前政権の負の遺産にやられているとしか思えません。
 例えば与野党3党合意ですが、特例公債法案を通してもらったということでしょうがないのかもしれないけれども、それとて菅直人(前首相)さんが居座るからああいうことになったとも言える。3党合意なんていうのは、我々のマニフェストをすべて捨てるというのと同じことです。
 3党合意は、岡田(克也)さんが幹事長の時に決めたわけです。あの人は原理原則を守ると自分で言っていますが、そうであれば自分たちが決めた原理原則を守ればいいんだけど、本当は一番優柔不断な人なんです。
 TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や消費税の問題も、菅さんが初めに言い出したことです。もともと訳の分からない人ですからしょうがないですけどね。それをまた野田さんが引き継ぐことはなくて、1回チャラにすればいいんです。
 TPP参加というのは食の自給率が下がる方向です。消費税に関しても、ムダの削減や特別会計、公務員の総人件費の2割削減など、全部はできないにしてもやることはまだいっぱいあるわけですよ。
 しかし何もできておらず、それをすっとばして増税というのでは、国民は怒るに決まってますよ。今の話は、子どもがお金ないからお小遣いをちょうだいと言うようなものです。何の工夫もしない子どもに、大人は小遣いをあげませんよね。
*小沢氏は本当の政治をやろうといろんな布石を打っている
 小沢さんはいろんなことを言われていますが、本当の意味で政治をやろうとして、いろんな布石を打っています。
 例えばアメリカや中国などとの関係では、ジョン万次郎記念財団(ジョン万次郎ホイットフィールド記念 国際草の根交流センター)でアメリカの若い人たちを留学で受け入れたり、中国については民間交流の「長城計画」を行っている。
 私は以前、小沢事務所に外国人の秘書がいるので大丈夫かなと思ったことがあったんですけど、やはり違うんだなと、そこまで中国やアメリカ、外交のことも考えて、将来のための布石をどんどん打っていたんだと分かりました。
 そういうことをやっている政治家なんかほかにいませんよ。私を含めてとてもそこまではできなかった。政治に対しての情熱が半端ではないというか、あれだけ叩かれながら小沢一郎というのはやってるんですよ、私だったらイヤになるでしょうね。
 ひどかったのは、衆議院選挙の時に、4億何千万円のカネを小沢一郎はバラまいたという話がありました。これは正式に政治資金としてそれぞれの人に渡したものです。俺の子分だからカネをやるとか、そういうことはひと言も言っていない。
 それであれだけ叩かれて、菅前総理にはおカネで私兵をつくるとは何ごとかと文句まで言われた。それでも、去年の参議院選挙でまたおカネ出して「がんばれ」と言ってやっている。参議院選挙で負けたらたいへんだということでおカネを出したんだと私は思います。でも悪く取られるんですよ。
 小沢さんの国会への参考人招致ですが、裁判をやっている時の参考人招致というのは今までに例がないんです。やっぱり小沢さんも裁判の有利・不利などがあるわけで、人権もあります。
 それに今、参考人だの証人喚問だのになったら、結局それは真実を明らかにするということではなく、国会の中のかけ引きに使われるだけなんですよ。与野党でやる時はどうしても政争の具になるんです。
 だからそこは、裁判は公の場でやるわけですから、裁判でやるのが筋だと思います。裁判は全面公開でやっていますから、傍聴しに行けばいい。今ならたぶん並ばなくても入れますよ。
 小沢さんはけっこう記者会見でも話をしてるんですけど、うまく伝わっていないのかなという感じがしますね。裁判がすべて終わった後に、まとめとして小沢さんが記者会見をするというのはあってもいいと思います。
「マット安川のずばり勝負」12月16日放送
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「小沢一郎氏 裁判」=検察官による「虚偽捜査報告書作成事件」 郷原信郎氏2011-12-21 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
ようやく始動の小沢一郎/小沢憎しで凝り固まっている法務・検察官僚は強引に有罪に持ち込むかもしれない2011-12-23 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
『小沢一郎 語り尽くす』TPP/消費税/裁判/マスコミ/原発/普天間/尖閣/官僚/後を託すような政治家は 2011-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
「小沢一郎氏を国会証人喚問」の愚劣2011-10-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア


小沢一郎氏裁判/弁護側 公訴棄却を求める申立書 提出/虚偽報告書を根拠にした検察審査会の議決無効

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陸山会事件:小沢元代表側、公訴棄却申し立て
 資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の弁護側は27日、「元代表を起訴すべきだとした東京第5検察審査会の議決は、虚偽の捜査報告書を根拠にしており無効だ」などとして、公訴(起訴)棄却を求める申立書を東京地裁(大善文男裁判長)に提出した。
 弁護側が問題視する捜査報告書は、田代政弘検事(44)が東京地検特捜部在籍時の昨年5月、元秘書で衆院議員、石川知裕被告(38)=1審有罪、控訴中=の再聴取後に作成した。田代検事に対する15日の証人尋問で、石川議員が元代表の関与を認めた理由を記載した部分は、実際には供述していなかったことが明らかになった。第5検察審は、この報告書を起訴相当議決の判断材料の一つにした。【和田武士】
毎日新聞 2011年12月27日 21時38分(最終更新 12月27日 21時52分)
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小沢一郎氏裁判/弁護側、虚偽の報告書を根拠にした起訴議決は無効だとして報告書証拠申請へ2011-12-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 小沢元代表弁護側、「虚偽」報告書を証拠申請へ
読売新聞 12月24日(土)18時40分配信
 資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡り政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた小沢一郎民主党元代表(69)の公判で、当時の東京地検特捜部検事が作成した捜査報告書に虚偽があった事実が発覚した問題で、小沢被告の弁護側は来週、この報告書を根拠にした東京第5検察審査会の起訴議決は無効だとして、報告書を東京地裁に証拠申請することを決めた。
 同審査会に提出された捜査資料のリストの開示も求め、報告書などが起訴議決に与えた影響を明らかにしたい考えだ。
 この捜査報告書は、元特捜部の田代政弘検事(44)が昨年5月、保釈された同会元事務担当者・石川知裕衆院議員(38)の再聴取後に作成。昨年1月の勾留中の取り調べで小沢被告の関与を認めた理由として、石川被告が「検事から、ヤクザの手下が親分をかばうようだと言われたことが効いた」と述べたと記載している。
最終更新:12月24日(土)18時40分
...  ... ...   ...   ...
 「小沢一郎氏 裁判」=検察官による「虚偽捜査報告書作成事件」 郷原信郎氏2011-12-21 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 「激変する環境、思考停止する組織〜郷原信郎が斬る」<Vol.16> 2011.12.19 
陸山会事件を「平成の盧溝橋事件」にしてはならない〜虚偽捜査報告書作成事件の捜査・調査に速やかに着手すべき〜

 〈前段 略〉
 12月15日に東京地裁で開かれた公判において、元東京地検特捜部所属の田代政弘検事の証人尋問が行われ、昨年5月、同会元事務担当者の石川知裕衆院議員を保釈後に再聴取した際の状況について、石川被告が供述していない内容を捜査報告書に記載していたことが明らかになった。
 その報告書は小沢被告に対する起訴議決を出した東京第5検察審査会にも提出され、審査の資料とされ、議決書にも一部が引用されている。
 石川被告は昨年1月の逮捕後、田代検事の取り調べを受け、「小沢被告の了承を得て政治資金収支報告書に虚偽記入をした」との供述調書に署名した。そして、同年5月17日の任意の再聴取でも同様の内容の調書が作成され、同日付けの取調べ状況に関する捜査報告書とともに、検察審査会に捜査資料として提出された。この問題を、一面トップ、社会面トップで報じた16日付読売新聞朝刊によると、同報告書には、田代検事が小沢氏に対する報告とその了承について調査を録取した状況を質問したことに対する石川氏の供述として、以下のように記載されている。
 「私が『小沢先生は一切関係ありません』と言い張ったら、検事から、『あなたは11万人以上の選挙民に支持されて国会議員になったんでしょ。小沢一郎の秘書という理由ではなく、石川知裕に期待して国政に送り出したはずです。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくのと同じようなことをしたら、選挙民を裏切ることになりますよ。』と言われたんですよね。これは結構効いたんですよ。堪えきれなくなって、小沢先生に報告し、了承も得ましたって話したんですよね。」
 ところが、そのようなやり取りは、石川被告が再聴取を隠し取りした録音記録にはない。
 同日の証人尋問で、その点について、小沢被告の弁護人から追及された田代検事は、「数日をかけて、思い出しながら報告書をまとめる際、勾留中のやり取りなどと記憶が混同した。虚偽ではない」と釈明した。
 田代検事の行為は、検察官の作成名義の捜査報告書という公文書に虚偽の記載をしていたということであり、虚偽性についての認識があれば、虚偽公文書作成罪という犯罪に該当する。
 虚偽公文書作成という犯罪は、形式上犯罪に該当する行為であっても、可罰性の幅は非常に広い。公文書の内容に事実に反する点があったとしても、それが官公庁内部に止まるものであれば、実質的な処罰価値はない場合も多い。しかし、本件のようにその報告書が司法作用に重大な影響を及ぼすというのは、最も悪質・重大な虚偽公文書作成の事実と言えよう。
 検察官の取調べをめぐる問題は、郵便不正事件でも、小沢氏の元秘書3人が起訴された政治資金規正法違反事件でも問題になった。被疑者が実際の供述しているのとは異なる内容の供述調書が作成され、威迫、利益誘導、切り違えなどの不当な方法によって被疑者に署名をさせるという方法が問題にされ、供述調書の請求が却下されるという事例が相次いでいる。
 被疑者の供述を内容とする捜査報告書をめぐる今回の問題は、検察官の供述調書をめぐる問題とは性格を異にする。供述者の署名があって初めて書面として成立する供述調書とは異なり、捜査報告書は、検察官側が一方的に作成できる書面だ。あくまで捜査の状況を報告するための文書であり、その分、被疑者の供述内容を立証する証拠としての価値は低い。一般の刑事事件においては、捜査報告書によって被疑者の供述が立証され事実認定が行われることはほとんどない。
 しかし、検察審査会の審査員という素人の判断との関係では、捜査報告書の取扱いも全く異なってくる。証拠の種別、価値等について前提となる知識が乏しい審査員は、捜査報告書であっても、被疑者の供述として書面に記載されていれば、それなりに信用できるもののように判断することとなる。
 今回虚偽であることが明らかになった捜査報告書は、検察審査会に資料として提出され、審査会の判断の根拠とされたものであり、それを意図して行われた疑い、つまり、虚偽の捜査報告書が検察審査会をだます目的で使われた疑いがある。そこに、これまで供述調書に関して問題とされてきたこととは異なる重大な問題があるのである。
 そこで、まず問題となるのは、報告書に虚偽の記載が行われたことが意図的なものであるかどうかである。
 田代検事は、勾留中の取調べのやり取りと混同したという「過失」を主張しているが、起訴後、保釈で身柄非拘束の状況での取調べでのやり取りを、その直後に捜査報告書に記載する際に、3ヶ月前も前の勾留中のやり取りと混同するなどということ自体が考えられない。
 また、通常、被疑者の供述が変遷したのであれば、変遷の時点で理由を聞いているはずであり、3ヶ月以上も経った、釈放後に、勾留中の供述の理由を尋ねるということも、検察官の取調べの経過として考えられない。そのような常識では考えられないような質問を自分が行い、石川氏がそれに答えているという状況を、田代検事が「自らの記憶」として報告書に書いたとは考えられない。
 しかも、石川氏の勾留中の取調べの大半が、水谷建設からの裏献金の受領の問題に費やされたこと、特に、勾留延長後の10日間は、田代検事から担当副部長に取調べ検察官が交代し、もっぱら水谷建設からの裏献金の問題について聞かれていたことは、同氏自身が語っているところである。政治資金収支報告書の虚偽記入について小沢氏に報告をした旨の石川氏の供述調書に関して、田代検事がそのような供述をした理由を尋ね、石川氏が説明する、というような「勾留中のやり取り」は、いったいどの時点で行われたのであろうか。そもそもその「やり取り」自体が存在していなかった疑いが強い。だとすると、石川氏が、「ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくのと同じようなことをしたら、選挙民を裏切ることになる」と考えて小沢氏への虚偽記載の報告を認めた、という捜査報告書の記述自体が「創作」であり、石川氏の供述を捏造した疑いが濃厚と言うべきであろう。
 田代検事の「過失」の弁解は明らかに不合理であり、意図的で、しかも実害を伴う虚偽公文書作成罪の嫌疑が相当程度認められるのであるから、検察として、捜査或いは内部調査に乗り出すのは当然であろう(「うその報告書―検察は経緯を検証せよ」と題する12月18日の朝日新聞社説でも、「なぜうその報告書が作られ、チェックもできなかったのか、経過を解明・検証して国民に説明する作業が欠かせない」と説明を求めている)。
 検察には、今回の虚偽公文書作成の問題について、今のところ何の動きもない。この件について何の調査も捜査も行わないとすると、前田検事の故意の証拠改ざんを行った事実を知りながら、同検事の刑事事件について捜査し、検挙するなどの措置をとらなかったとして上司の大坪・佐賀両氏を犯人隠避罪に問おうとしている検察の主張は、根底から崩れる。調査を行ったとしても、田代検事の「過失」の弁解を、そのまま受け入れるようであれば同様である。それによって、先日、検察官の論告・求刑が行われた大坪・佐賀両氏の公判にも重大な影響を与えることとなる。大坪・佐賀両氏の弁護側から、公訴取消を求められた場合、検察はどう反論するのであろうか。
 本件の虚偽公文書作成の問題に関して重要なことは、それが、検察審査会の議決に大きな影響を与えたこと、つまり、刑事司法作用を害する結果になったことだ。
 前田元検事の事件では、フロッピーディスクのデータの改ざんが行われたが、データが改ざんされる前の正しいデータを記載した捜査報告書が弁護側に開示され証拠請求されたことから、公判の審理には結果的に影響を与えなかったのに対して、今回虚偽が明らかになった捜査報告書は、検察審査会に提出され、小沢氏を起訴すべきとする議決書にも引用されており、まさに、検察審査会が小沢氏の犯罪事実を認定する議決に大きな影響を与えている。
 しかも、その取調べの際、たまたま、石川被告が、隠し録音をしていたことから、虚偽報告が発覚したが、もし、録音が存在していなかったら、田代検事は、今回のような小沢氏の公判での証人尋問で、捜査報告書の通りに取調べ時のやり取りを証言していたであろう。それは田代検事が録取した石川氏の供述調書の信用性を肯定する根拠にされた可能性が高い。
 さらに重大な問題は、この虚偽捜査報告書の作成が意図的なものであったとすれば、それが田代検事個人の判断で行われたものとは考えにくいということだ。
 先に述べたように、勾留中の被疑者が検察官の取調べに対して新たに行った供述について、その理由を、起訴後3ヶ月も経った後の取調べでわざわざ質問し、それについて捜査報告書を作成するなどということは、通常の検察官の取調べではあり得ない。何らかの上司の指示がなければ、このような捜査報告書が作成されることはないと考えるのが合理的であろう。
 そもそも、この政治資金規正法違反事件について、小沢氏は、検察の処分としては、嫌疑不十分で不起訴となっており、検察の組織としては、犯罪事実の認定について消極の判断をしている。通常であれば、検察審査会で起訴相当議決や起訴議決が出されて検察の処分が覆されることは、検察にとって極めて不名誉なことであり、検察審査会の議決を受けて行われる再捜査において、わざわざ、検察の不処分が検察審査会の議決で覆される方向で捜査を行うこと自体、担当検察官個人の行動としてはあり得ない。石川氏の供述調書の信用性を補強する虚偽の捜査報告書を作成してまで、検察審査会に小沢氏の犯罪事実を認めさせようとする行動は、田代検事個人の意思によって行われたとは考えられない。
 検察組織全体の方針に反して、検察審査会の議決を検察の処分を覆す方向に向け、それによって小沢氏を政治的に葬ろうと考える一部の集団が検察組織内部に存在していて、田代検事はその意向に従って動いたとしか考えられない。
 検察審査会の審査員が小沢氏との共謀を認める石川氏の供述調書を信用し、小沢氏に対する起訴議決を行うようにするため、田代検事に虚偽の捜査報告書を作成させる、という行為が、東京地検特捜部内で組織的な背景を持って行われた疑いが濃厚である。そうなると、検察批判を繰り返してきた私にすら信じられないことではあるが、陸山会事件では、特捜部という検察組織の中の一部が、小沢氏不起訴という検察の組織としての決定に従わず、検察審査会という外部の組織を活用して検察の処分を覆させようとする「暴発」したと見ざるを得ないのである。
 田代検事の証人尋問の翌日の12月16日の公判で、証人として出廷した前田元検事が、「主任検事から『この件は特捜部と小沢の全面戦争だ。小沢をあげられなければ特捜の負けだ』といわれた」「検察が不起訴と判断した資料として検審に提出されるもので、証拠になっていないものがある」などと証言し、東京地検特捜部の陸山会事件捜査を厳しく批判した。証拠隠滅事件で実刑判決を受けて受刑中の前田元検事は、特捜部の問題とは利害関係がなくなっており、その供述の信用性を疑う理由に乏しい。そのような前田検事による、陸山会事件の捜査の内幕の暴露も、その捜査に一層疑念を生じさせるものとなった。
 昨年秋に表面化した問題は、大阪地検が中心だったが、今回の問題は特捜検察の本尊とも言える東京地検特捜部の問題だ。それだけに、特捜検察は、まさに、存亡の危機と言うべき状況にある。
 陸山会事件について小沢氏を起訴すべきとする検察審査会の議決は、政権交代によって成立した鳩山政権を退陣に追い込む大きな要因となり、その後の二度にわたる民主党代表選での争点を小沢氏の「政治とカネ」問題に集中させた。それ以降、反小沢の民主党主流派と小沢派との間の泥沼の党内対立によって、民主党は国民の支持を失っただけでなく、深刻な政治不信を招き、日本の政党政治は、もはや崩壊に近い状態とも言える一方で、東京地検特捜部の小沢氏に対する一連の捜査への対抗意識も動機の一つとなって、大阪地検特捜部が無理に無理を重ねた郵便不正事件は、村木氏の冤罪、証拠改ざんの発覚という最悪の結末となり、特捜部長、副部長の逮捕という異常な事態まで引き起こして検察の信頼は失墜した。他方、その発端となった小沢氏に対する東京地検特捜部の捜査も、不当な取調べによる供述調書の請求却下、そして、今回の虚偽報告書の作成問題と次々と問題を露呈し、検察への信頼は地に堕ちた。国家の最も枢要な作用と言うべき刑事司法の中核を担う検察は、今や危機的状況にある。
 このように、社会全体が、そして、検察という一つの権力組織が泥沼の状況に追い込まれていく契機となったという意味で、陸山会事件は、日本軍という権力組織、そして、日本という国が「日中戦争」の泥沼へと引きずり込まれていく契機となった「盧溝橋事件」と似ているとの見方もできよう。
 日本軍側、中国側のいずれが仕掛けたものであるのかについて、様々な見方の違いがあるが、いずれにしても、盧溝橋事件が、何者かの意図によって、予期せぬ軍事衝突が引き起こされ、それが日中戦争の引き金になっていったことには、ほぼ疑いがない。
 それと同様に、陸山会事件の検察審査会の起訴相当議決、起訴議決が、刑事司法関係者の予期せぬものであり、それが、その後の日本の政治、社会、そして検察組織に重大な影響を生じさせていったことは明らかである。
 歴史のベールに包まれた盧溝橋事件の真相を解明することは、今となっては極めて困難であろう。しかし、その後の日本の政治、社会に重大な影響を与えた検察審査会での起訴議決という「民意」の作出に大きく影響したと思われる虚偽の捜査報告書作成事件が、意図的なものであったのか、組織的背景があったのかを、捜査又は調査によって解明することは決して困難なことではない。捜査又は調査にただちに着手し、陸山会事件の検察捜査の真相を明らかにすることが、日本の社会を、そして、検察を救う唯一の道である。
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小沢一郎氏裁判 第9回公判〈前〉/証人 田代政弘検事「特捜部は恐ろしいところだ」=報告書に虚偽の記事2011-12-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 弁護人「平成22年5月17日の取り調べで、あなたは捜査報告書を書いていますね」
 証人「書きました」
 弁護人「何日に書きましたか」
 証人「5月17日に書き始めまして、何日かかけて完成させたと思います」
 弁護人「何ページの報告書ですか」
 証人「5、6ページだったでしょうか」
 弁護人「あなたが書いたものでしょう」
 証人「5、6ページか、もう少し多い10ページだったか。いずれにしましてもそれくらいだったと思います」
 弁護人「それを何日もかけたのですか」
 証人「別の仕事もしながら、合間、合間に作成しましたので…」
 弁護人「中身は覚えていますか」
 証人「だいたいは把握しています」
 弁護人「1ページ目にあなたの署名と押印があるが、間違いありませんか」
 証人「はい」
 弁護人「東京地検特捜部長あてになっているが」
 証人「そうです」
 《続いて、男性弁護士は捜査報告書の中身を示す。石川議員は11万人の有権者の投票を受けて当選したが、大半は「小沢一郎の秘書」というのではなく、個人を信頼して投票したはずだと、○○検事に言われたことを契機に、調書のサインに応じた−とする内容が具体的なやり取りとともに記載されている。だが、実際の録音にはこうしたやり取りは残っていない》
 弁護人「やり取りがないのに、どうして(捜査報告書には)記されているのですか」
 証人「やり取りがあったと認識して書いた」
 弁護人「実際のやり取りと異なるのが、記載されたことですか」
 証人「この日の取り調べを一言一句記載したのではなく、思いだし、思いだし記載した。拘留中に話したことや、保釈後に話したことの記憶が混同していたと思う」
 弁護人「もう一度聞きますが、5月17日から数日で書いたのですね」
 証人「はい」
 弁護人「5月17日には、どこまで書いたのですか」
 証人「それは記憶にはありません」
 弁護人「虚偽の捜査報告書を書いたのではありませんか」
 証人「そうではありません」
 《続いて、弁護人は○○検事が石川議員に「(虚偽記載を認める供述を覆し)逆の供述をすれば、火に油を注ぐことになる」などと話したことを追及していく》
 弁護人「(任意聴取の際には)こう伝えたことがありましたね」
 証人「はい」
 弁護人「繰り返し述べましたね」
 証人「それは、石川さんが従前通りの主張だといいながら、実際に調書のサインの段階になると、『4億円を隠すつもりはなかった』などと覆す。その中で何度かやり取りがあった」
 弁護人「何のために捜査報告書を作っていたのですか」
 証人「調べが終われば、作るように、と指示されていました」
 弁護人「指示はだれからか」
 証人「主任検事です」
 弁護人「あなたは、何日かかけて作るうちに、記憶が混同して、やり取りのない内容を記したということでしたね」
 証人「かいつまんで言えばそうです」
 弁護人「これが検察審査会の小沢さんの起訴議決にも影響を与えた可能性があったと分かっていましたか」
 証人「協議の内容については、分かりません」
 弁護人「可能性の話ですよ」
 証人「可能性の話ならば…」
 《男性弁護士は、検察審査会の議決の理由に、捜査報告書の内容を挙げている点を紹介し、追及していく》
 弁護人「理由に捜査報告書の内容が挙がっていることは認識していましたか」
 証人「議決自体は見ていないが、報道レベルでは知っていました」
 《○○検事が任意聴取の際に「石川さんの供述がさ、やっぱり功を奏したんでしょ…」などと言った隠し録音の部分を紹介した》
 弁護人「功を奏するというのは?」
 証人「小沢さんが起訴されないことを指したと思います」
 弁護人「なぜ、そんなことを言ったのか」
 証人「石川さんに同調するように言っただけで、事実だという趣旨で言ったのではありません」
 《○○検事は、石川議員を取り調べる際、「フェアプレーで本当のことを言ってほしい」と約束していたとされる》
 弁護人「フェアプレーであると言いながら、あなた自身は事実を認識できないことを話すのですか」
 証人「客観的な事実は分からない。(小沢被告の)起訴を望んでいなかった石川さんに同調した形で話しただけです」
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田代政弘検事 ウソの捜査報告書作成=検察審査会「起訴相当」議決に影響/小沢一郎氏裁判 第9回公判2011-12-16 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏裁判 第10回公判〈前〉/前田恒彦元検事「上司から『特捜部と小沢の全面戦争だ』と言われた」2011-12-16 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏裁判 第10回公判〈後〉前田恒彦元検事「私が裁判官なら小沢さん無罪」「検察、証拠隠しあった」2011-12-17 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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カレル・ヴァン・ウォルフレン氏は小沢一郎裁判をどう見ているのか2011-10-27 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 日刊ゲンダイ2011年10月24日
小沢氏のカネの出所?「それがどうした」と言いたい
<司法と大メディアによる「人物破壊」>
「誰が小沢一郎を殺すのか?」(角川書店)――オランダ人のジャーナリスト、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏は今春、この本を出して話題を呼んだ。小沢一郎という異能の政治家を検察、メディアがよってたかって潰そうとしている実情を描き、日本の特殊性、異常を浮き彫りにしたのである。さて、その後、陸山会事件では元秘書3人に有罪判決が下り、小沢氏本人の裁判も佳境を迎える。司法判断、それを報じるメディアの姿勢、小沢氏本人の対応について、改めて、冷徹なジャーナリストに聞いてみた。
 私が最初に小沢氏に会ったのは90年代半ばで、サンデー毎日誌上でやった対談でした。実は、その後も、彼をずっと追い続けていたわけではありません。むしろ個人的には菅氏との方が親しいくらいです。
 2010年の暮れ、小沢氏と再会しました。そのとき、素直にこう言ったものです。
「はっきり言って、あなたのことはよく知らない。どういう人なの?」
 そして今夏、再び長い時間、話をする機会があって、彼が本当に強いリーダーであることを再認識しました。
 何が言いたいのかというと、私は小沢氏本人に人間的な興味があるわけではないのです。小沢氏の所業に対する司法当局とマスコミの扱い方。これは大変異常なものです。これに多大の関心を寄せているのです。
 今、小沢氏を標的にして進行していることは「人物破壊」です。長年かかって築き上げてきた既得権益を破壊しようとする人物に銃口を向け、そして引き金を引く。体制にとって、新種の人間というのはいつの時代も脅威なのです。
 日本の政治史を眺めると、建設業者から領収書のないカネが政治家の元へ流れるというのは、半ば常識化していて、システムとして組み込まれていました。特に小選挙区制に移行する前は顕著でした。これで小沢氏を有罪にするなら、自民党議員の多くも同罪です。
 小沢氏はたぶん、そうした資金を受領していたのでしょう。私がここで指摘したいのは「それがどうしました?」ということです。真の問題点は小沢氏や秘書が金を受領していたかどうかではないのです。
<先進国ではありえない>
 小沢一郎氏の初公判で考えなくてはいけないのは、捜査、逮捕、起訴、裁判が先進国として、きちんとバランスのとれたものであったかということです。
 昨年暮れ頃から、検察に対する不信感が市民の間で増幅してデモが行われたりしていましたが、大手メディアは黙殺したままでした。そこに大震災がきたので、しばらく小沢問題はないがしろにされてしまいました。
 その間にも大手メディアは小沢氏の「人物破壊」を続けました。司法が一人の政治家を撲殺しようとし、それに大手メディアが加担した。それによって、多くの国民が小沢氏=悪者のイメージを持つに至ったのです。
 検察と裁判所の不健全な関係も問題です。日本では起訴された被告は99%以上の確率で有罪になってしまう。こんなことは世界中どこにもありませんが、その検察に小沢氏は完全に狙い撃ちにされたという事実です。 一度は不起訴になったが、検察審査会という新しい手続きが持ち出され、結局は強制起訴された。
 小沢公判の前に秘書3人が有罪判決を受けた陸山会裁判がありましたが、あの判決にも驚きました。これも世界では例がないものでした。(インタビュアー・堀田佳男)
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緊急インタビュー カレル・ヴァン・ウォルフレン氏は小沢裁判をどう見ているのか
日刊ゲンダイ(2011/10/25)
秘書3人の「推認」による有罪は司法による“大量虐殺”だ
小沢裁判の前に秘書3人が有罪判決を受けた陸山会裁判がありましたが、判決は「推認」による有罪でした。私に言わせれば、あれは司法による“大量虐殺”に等しい。秘書3人は、別に政治献金を着服したわけではありません。単なる記載ミスです。控訴中ですし、真偽はわかりませんが「推認」によって有罪判決を受けるといったことが先進国であっていいのでしょうか。
少なくとも他の民主主義国家でこの程度のことが重罪とされることはないでしょう。裁判官の見識を疑わざるを得ません。犯罪と呼べる行為ではありません。ですから有罪判決が下されたことは大変残念です。
日本の司法と新聞には「推定無罪」という当たり前の考え方が存在していません。疑わしきは罰せずという基本的姿勢が感じられません。新聞も最初から「小沢有罪」という流れで書いています。
■日本のスキャンダルは作為的
私はずいぶん日本のスキャンダルについて勉強しました。月刊誌「中央公論」にも以前書きましたが、日本のスキャンダルというのは故意に仕立て上げられる。違法行為を犯していなくとも、意図的に銃口を向けて撃ち落とせるカラクリがあるのです。
この点で日本は法治国家と本当にいえるのか疑問です。あえて問われれば、答えは「イエス」と「ノー」の両方。日本は近代国家ですが、一方で国家の中心にあるべき核になるものが見えません。日本の政治システムは合議制で、大統領制のような強い行政力を持ったリーダーを意識的につくってこなかったのです。
■小沢は反米ではない
鳩山政権時代、小沢氏はずっと後ろで鳩山氏を支えていました。しかし、その鳩山政権を米国は明らかに倒したかったはずです。ワシントンは「独立した日本」は望まないのです。鳩山氏は、ASEANに日本と中国と韓国を加えた「ASEANプラス3」としきりに言っていましたし、小沢氏は議員を大勢連れて中国に出向いたりしていました。こうした行為はワシントンの癇(かん)に障る。「勝手なことはやめてくれ。日本は我々がOKということだけをやっていればいいのだ」ということです。
私は長年、日米関係を研究していますが、それは歴史的に見ても世界に他にはない二国間関係だから興味がそそられるのです。しかし一方で、悲しいことにあまりに片務的です。日米関係はかつては日本の産業発展に役立ちましたが、いまや役に立たないどころか、危険な関係になっています。
小沢氏の起訴に至る今回のケースで、米国がなんらかの役割を果たしたかどうかはわかりません。ただ、そうだとしても私は驚きません。ワシントンは小沢氏を信用していないからです。小沢氏は決して反米ではないのに、バカげたことです。(インタビュアー・堀田佳男)
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緊急インタビュー カレル・ヴァン・ウォルフレン氏は小沢裁判をどう見ているのか
日刊ゲンダイ(2011/10/26)
大マスコミは「小沢たたき」をやり過ぎたと分かっている
09年の政権交代直後に大手新聞の編集者と酒席を共にした時のことです。彼らは私に「明治維新の後、日本が生まれ変わったように、民主党政権でも再び日本は変わっていけると思うか」と聞いてきました。私は「できるかできないかは、あなたたちにかかっています」と言ってやりました。まったく自分たちのやっていることを理解していない。マスコミがどれほどの力があるかよく分かっていないのです。
昨年、小沢氏が不起訴処分になった時、新聞は1面から大きな記事を書き大騒ぎしました。これは司法とマスコミの騒ぎ過ぎで、日本社会のバランスのなさが如実に表れた好例です。
ただ最近、日本のマスコミの小沢氏への論調が少しずつ変化しています。朝日新聞でさえも変化の兆しが見えます。つまり、小沢たたきをし過ぎたという反省にも似た態度が見られるのです。朝日の編集者と話をすると、自分たちの自己矛盾(二面性)を認めてもいます。週刊誌の論調にも変化が見られます。
■官僚を使いこなせる政治家
政治力という点を考えると、田中角栄は天才でしたね。角栄がすごかったのは、官僚をうまく使いこなしたことです。小沢氏はこの点を角栄から学んだはずです。ですから、小沢氏は官僚からコントロールされずに、官僚を使っていける政治家だろうと思うのです。角栄・小沢両氏に共通するのは、政治家としての自信にあふれている点です。一方、菅・野田両首相はすぐに官僚にコントロールされてしまう。そこが違うところです。
政治家小沢一郎への関心は、自民党政権を終わらせ、民主党政権を樹立し、55年体制を崩した点にあります。
少なくとも、彼が政治潮流のハンドルを切った。当時多くの日本人と話をすると、とにかく自民党政権を終わらせなくてはいけないという思いで共通していました。
そして民主党政権が誕生し、民主党は、官僚任せではなく、政治家主導で政策を立案しなくてはいけないとの強い思いにあふれていました。しかし実現できなかった。
いま民主党議員は2つのタイプに大きく分かれます。ひとつは名声を得るためだけに、ハシゴを一生懸命上っている単なる野心家。このタイプの議員は首相や大臣になることが目標なのです。カネは入るし、周囲からは敬意を払われる。最大の関心事は自身の再選。政策立案には関与しなくていいと最初から思っている。
もうひとつは、政策立案にかかわって政治のハンドルを握ろうとするタイプの政治家です。小沢氏はまさにこのタイプに属するわけです。小沢氏はいまでも最も指導力のある政治家だと思います。
■日本社会の歪みの修正に期待
日本の政治システムは、責任の所在がずっと曖昧なままです。問題が起きた時に、誰が責任を取るのかがはっきりしていない。
民主党政権が誕生した時に、政治的責任という概念が取り沙汰されましたが、結局曖昧なままです。
私が期待するのは、東日本大震災後、東北の復興だけでなく、日本社会の歪んだ部分が修正され、再生してほしいということです。単に復興という観点ではなく、新しい次元で生まれ変わるくらいのエネルギーと英知がほしい。日本が生まれ変わる好機だと考えるべきでしょう。(インタビュアー・堀田佳男)

離党、更なる追随者の可能性/「大地・真民主党」に松木謙公・石川知裕・浅野貴博・横峯良郎・平山誠氏

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内山氏ら、年明け新党結成=「民主と是々非々」―松木、横峯氏らも30日旗揚げ
2011年12月28日21:42 JST
 民主党に離党届を提出した内山晃衆院議員ら9人は28日午後、衆院議員会館で記者会見した。内山氏は、衆院選マニフェスト(政権公約)に記載のない消費増税路線を進める野田佳彦首相を批判。「来年のしかるべき時期に新党をつくる。野党として、民主党が正しい方向に行くよう是々非々で対応する」と明言した。これとは別に横峯良郎参院議員も同日、離党届を提出。同党を除籍(除名)された松木謙公元農林水産政務官らとともに、30日に新党を結成することが分かった。
 輿石東幹事長ら執行部は、内山氏らの離党の意志が固いことから、慰留はしない考え。八ツ場ダム建設再開に抗議して離党届を出した中島政希衆院議員を含め、政権運営への不満から計11人が離党届を出す事態に至ったことで、首相には打撃となる。大詰めを迎えた消費増税論議にも影響を与えそうだ。
 内山氏は会見で「新しい第三極の固まりになる思いで行動した」と強調。「来る者は拒まずだ。しっかり受け皿になる」と述べ、民主党からさらなる追随者が出る可能性を示唆した。
 内山氏ら9人のうち8人は、小沢一郎元代表のグループの議員。政党交付金受け取り手続きの期限である1月16日までの旗揚げをにらみ、新党の名称や基本政策などの調整を急ぐ方針。内山氏らは元代表が会長を務める勉強会「新しい政策研究会」にも引き続き参加するとしており、元代表とも呼応して活動するとみられる。
 一方、松木、横峯両氏は、新党大地(代表・鈴木宗男元衆院議員)の浅野貴博衆院議員とともに新たな政党「大地・真民主党」を結成、30日に記者会見を開く見通し。昨年2月に民主党を離党した石川知裕衆院議員、無所属の平山誠参院議員も参加する。[時事通信社]
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鈴木宗男氏、新党「大地・真民主党」届け出
 民主党に離党届を提出した内山晃元総務政務官(千葉7区、当選3回)ら9人は28日、国会内で記者会見し、「来年のしかるべき時期に新党を作る。野党として民主党が正しい方向に行くよう是々非々で対応する」と述べ、年明けに新党を結成する考えを表明した。
 野田政権が進める消費税増税や環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加などに反発したことが離党の理由だ。内山氏は「国民と約束したマニフェスト(2009年衆院選政権公約)をほごにしている」と野田首相を批判した。
 民主党執行部は、年明けの役員会などで9人の離党を認める方針。党内の結束の乱れが集団離党に発展したことで、野田首相の政権運営への影響は避けられない情勢だ。
 一方、仮釈放中の鈴木宗男元衆院議員は28日、東京都選挙管理委員会に新党「大地・真民主党」の設立を届け出た。
 所属議員は、衆院議員が無所属の松木謙公(北海道12区、当選3回)、無所属の石川知裕(同11区、同2回)、新党大地の浅野貴博(比例北海道、同1回)の3氏。参院議員は、28日に民主党に離党届を提出した横峯良郎(比例、同1回)、無所属の平山誠(比例、同1回)の2氏だ。
(2011年12月28日20時48分  読売新聞)
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民主党決壊!離党予備軍90人超
日刊ゲンダイ2011年12月28日
小沢Gに限らず党全体に拡大
 <松木謙公らが「新党」立ち上げ>
 民主党の離党ラッシュが止まらない。八ツ場ダム建設再開に反対して離党表明した中島政希衆院議員(比例北関東・当選1回)に続き、28日午前、9人の中堅・若手議員が離党届を提出した。年末年始をはさんでさらに離党者が膨張するのは間違いない。いよいよ民主党の内部崩壊が始まった。
  28日離党届を出したのは、いずれも衆院議員で内山晃(千葉7区・当選3回)と豊田潤多郎(比例近畿・2回)、渡辺浩一郎(比例東京・2回)。他に、石田三示(比例南関東)、小林正枝(比例東海)、斎藤恭紀(宮城2区)、中後淳(比例南関東)、三輪信昭(比例東海)、渡辺義彦(比例近畿)の1回生議員たちだ。
 民主党を除名になり現在は無所属の松木謙公(北海道12区・3回)と新党を立ち上げる見通しだ。
 「離党者は十数人まで膨れ上がりそうです。彼らは、野田政権が09年の政権交代で国民と約束したマニフェストをことごとく破り、マニフェストになかったTPPや消費税に猛進することに、もう我慢ならない、と本気で怒っている。ずいぶん前から、小沢グループの1年生は、松木さんに対し『新党をつくって下さい』という相談をしていた。小沢さんは『もう少し待て』とブレーキをかけてきたが、八ツ場ダムの建設中止という目玉公約を投げ捨てたことで、離党の動きに拍車がかかり、抑えが利かなくなった」(関係者)
  雪崩を打ったような離党騒ぎだが、見過ごせないのは、小沢一郎元代表が号令を掛けているわけではないことだ。24日に離党届を出した中島は小沢グループではなく、松木たちの新党には合流しないとみられ、中間派の1年生も水面下で「民主党ではもうダメだ」とサジを投げている。
  つまり、民主党の離党ドミノは、もはや小沢グループに限った話ではなく、党全体に広がっているのだ。完全に決壊し始めている。
  政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
 「表立って『離党』とは口にしていなくとも、民主党が政権交代の原点を忘れ、変質していることに失望している議員は、取材すると1年生中心に相当数います。次の選挙は民主党では戦わないと決心している人もいる。『離党』か『新党』か『みんなの党』へ行くのかなど、悩みに悩んでいて、あとは飛び出すタイミングを計っている状況です。これからどんどん離党者が出るでしょう。最後のヤマは、小沢グループの集団決起。60〜70人規模で新党もしくは分党の旗揚げになるのではないか」
  小沢グループを入れれば、“離党予備軍”は90人を下らない。
  年末年始、民主党議員は地元で支援者から、「自分たちの身も切らずに、消費税を増税するのか!」と罵声を浴びせられるのは必至。年明け、永田町に戻れば、離党の渦はますます拡大する。
  野田が消費増税に突き進み、マニフェスト違反を続ける限り、民主党は空中分解するしかない。

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民主党9人が離党届提出/斎藤恭氏も離党表明/小沢系[新しい政策研究会]の出席者一覧2011-12-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 野田政権に大打撃 民主、若手9人が離党届を提出
産経新聞 12月28日(水)10時28分配信
 野田佳彦首相が目指す消費税増税などに反発する民主党の内山晃衆院議員(57)=千葉7区=ら9人が28日午前、国会内で樽床伸二幹事長代行に離党届を提出した。内山氏らは、すでに党除籍(除名)となっている松木謙公衆院議員(52)=北海道12区=と年明けの新党結成に向けて連携する意向で、野田政権にとって大きな打撃となる。
 離党届を提出したのは、内山氏のほか、渡辺浩一郎(67)=比例東京▽豊田潤多郎(62)=比例近畿、斎藤恭紀(42)=宮城2区▽中後淳(41)=比例南関東▽石田三示(59)=比例南関東▽三輪信昭(69)=比例東海▽小林正枝(40)=比例東海▽渡辺義彦(55)=比例近畿の各衆院議員。9人は午後に国会内で記者会見する。
 党執行部は離党をとどまるよう慰留に務める方針。1月下旬に開かれる党常任幹事会で正式に対応を決める。
..................
関連;小沢系勉強会の出席者
 民主党の小沢一郎元代表を会長とする新勉強会設立総会の出席議員は次の通り。(敬称略、丸数字は当選回数)
 ◇民主
 〔衆院〕小沢一郎(14)、小沢鋭仁(6)、東祥三、川内博史、小林興起、原口一博、山田正彦=以上(5)、黄川田徹、伴野豊、松野頼久、三井辨雄、吉田治=以上(4)、内山晃、奥村展三(参(1))、神風英男、鈴木克昌、中塚一宏、仲野博子、樋高剛、松宮勲、和田隆志=以上(3)、太田和美、岡島一正、古賀敬章、階猛、辻恵、豊田潤多郎、中川治、橋本清仁、福田昭夫、松崎哲久、横山北斗、若井康彦、渡辺浩一郎=以上(2)、石井章、石田三示、石原洋三郎、石森久嗣、石山敬貴、今井雅人、大谷啓、大西孝典、大山昌宏、岡本英子、奥野総一郎、笠原多見子、金子健一、川口浩、川島智太郎、木内孝胤、菊池長右エ門、木村剛司、京野公子、熊谷貞俊、熊田篤嗣、黒田雄、小林正枝、坂口岳洋、菅川洋、瑞慶覧長敏、空本誠喜、高橋英行、高松和夫、田中美絵子、玉城デニー、中後淳、中野渡詔子、萩原仁、橋本勉、畑浩治、福嶋健一郎、水野智彦、皆吉稲生、三宅雪子、村上史好、柳田和己、山岡達丸、渡辺義彦=以上(1)
 〔参院〕尾立源幸、主浜了、広野允士(衆(1))、森裕子=以上(2)、梅村聡、大久保潔重、行田邦子、小見山幸治、佐藤公治(衆(2))、武内則男、田城郁、谷亮子、徳永エリ、友近聡朗、外山斎、中村哲治(衆(2))、西村正美、はたともこ、姫井由美子、平山幸司、藤原良信、室井邦彦(衆(1))、安井美沙子、米長晴信=以上(1)
 ◇新党大地
 〔衆院〕浅野貴博(1)
 ◇無所属
 〔衆院〕松木謙公(3)、石川知裕(2)、佐藤夕子(1)
   (時事通信2011/12/21-19:39)

上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」2/書いてはいけないことがある不思議/メディアのココがダメ

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上杉隆の「ここまでしゃべっていいですか」1(1〜2)朝日新聞が世間の感覚とズレにズレている理由」からの続き

■書いてはいけないことがある、という不思議
相場:ボクは現役時代に、他社の先輩からよく怒られました。「あの記事はちょっと書きすぎ」「あの書き方は卑怯だ」「お前、ちょっと守りに入りすぎ」などと。しかしそうした反応が返ってくると、こちらもリアクションがとれます。
 しかし上杉さんが官房機密費を報じるようになってから、他社からのリアクションがなくなったというのは本当ですか?
上杉:彼らにとって、ボクは見えない存在になっている。
窪田:ボクの知り合いの記者もこんなことを言っていました。「個人的に、上杉さんの書いていることは賛成している。だけど会社的にはちょっとな」と。たぶんこの記者は、上杉さんのことを無視している1人だと思います(笑)。
上杉:ある先輩はこんなことを言っていました。「君の書いていることは正論なんだよ。けどね、書いちゃいけないこともあるんだ」と。じゃあ、嘘を書け、ってことですかね。一体どうすればいいんでしょうね。
 またある人は「政治記者というのは、政治家が言ったことを全部書いてはダメなんだよ」と言っていましたが、そもそもボクは政治記者じゃないし(笑)。ゴルフジャーナリストだし(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
■江頭2:50のキャッチフレーズ
上杉:今後は日本にも「ハフィントン・ポスト(The Huffington Post)」(政治ブログとしてスタートし、今や新聞社のWebサイトを上回る影響力を持つ)や「ポリティコ(Politico)」(ワシントンDCを拠点にした政治専門メディア)のようなWebサイトができるといいですね。例えば掲載されている記事に対し、読者がお金を支払うシステムになれば、記者も活性化されるのではないでしょうか。
 しかし今は大きな組織が、記者個人の発信を邪魔している。多様な価値観を持つ記者がたくさん出て、論争を起こし、その中から選択すればいいだけなのに。社説などで「ウチの会社の考え方はこうです」と提示するより、記者個人の考えに対し、読者が賛成・反対すればいいと思う。
 これまでは記者クラブ制度があって、みんな横並びの記事を書かざるを得なかった。これからは同じ記事を書かない方が、ビジネスになるのではないでしょうか。
相場:あるネタをつかんでいるのにもかかわらず、そのネタを扱う記者クラブのキャップと仲が悪いから記事を書けないというケースがあるんですよ。例えばボクは金融関係のクラブにいましたが、産業関係クラブに詰めている記者ともめたりする。そうなると声が大きい方が勝ったり、年次で勝ったりする。
窪田:私の知人のある大企業の広報が、A新聞の記者にこっそり特ダネをリークして言ったそうです。「これは公的に発表するつもりはないネタだ。A新聞だけだ」と。ところが、その記者は「それじゃ書けませんよ」と特ダネを断った。きわどいネタがゆえリスクがある。クラブの発表じゃないですが、ペーパーで書かれた情報じゃないと安心できないという他社との横並び意識が邪魔したんですね。その広報担当者はあきれていましたね。
上杉:やはり新聞記者というのはエリートなんでしょうね。失敗することに対し、ものすごく恐怖感を抱いていますから。でもジャーナリストであれば失敗を恐れてはいけない。もちろんミスは極力少なくした方がいいが、人間だから失敗は避けられない。
 社内での立場やこの記事を書いたらこうなる、ということを考えれば書けなくなってしまう。あえて物議をかもす必要はありませんが、少なくとも自分の取材に対しては正直になった方がいいですね。
窪田:社内で、賛否両論になる記事は書きたくない、という思いがあるのかもしれない。当たり障りのないスクープであればいいのでしょうが、「お前、これはやりすぎじゃないのか!?」という記事を書いてしまうと、その後の出世に響くかもしれない。
相場:社内で真っ先に刺されましたね。ボクの背中は傷だらけですよ(笑)。
窪田:相場さんは然るべくして、外に飛び出して行ったのでしょうね(笑)。
上杉:この問題は新聞社だけに限りません。テレビでも出版社でも同じこと。なので官房機密費問題を『週刊ポスト』で取り上げるときには、念には念を押しましたからね。そうしないと必ず、小学館内部からも自主規制を行う人が現れますから。
窪田:平気な顔して、ハシゴをはずす人がいますからね。
上杉:あとは、いつでもこの職業を辞める覚悟がないといけない。
相場:そうですね。
上杉:例えばテレビに出ているときには「ワンクールのレギュラー(出演)よりも、1回の伝説を」という江頭2:50のキャッチフレーズを常に頭に入れていました(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:江頭さんのように裸になれという意味ではなく、言いたいことを我慢するくらいであれば言いたいことを言って番組を降ろされる方がいい。
相場:ボクのところにも某局からコメンテーターとしてオファーがありました。そして「どんなネタをやれますか?」と聞かれたので、大きい自動車会社や大きい流通会社の裏話をちょっとしただけで、「頼むから止めてください」と言われてしまった(笑)。
 こちらはビックリして「こんなネタでもダメなんですか?」と聞いたところ「絶対にダメです」と言われ、結局断わられました。
窪田:コメンテーターの仕事というのも難しいですよね。いたるところに"地雷"があるわけじゃないですか。番組スポンサーのことを気にしながらコメントをしなければいけないし。なので当たり障りがない人の方が向いている。漫画家のやくみつるさんも、相当に気をつかっているはずですよ(笑)。
■最後に残る新聞社
相場:通信社での仕事は一瞬で記事をまとめる――いわば職人技が求められます。「このネタはダメだ」と判断したときには、速報を流しません。しかし最近はネットの発達によって、各社の速報競争に拍車がかかってきた。これは複数の現役記者から聞いた話なのですが、記事にするか判断に迷っていると、上司から「書いてしまえ!」と命令が飛んでくるそうです。昔だったら、確実に書かなかったことでも、最近では突っ走る傾向があるようですね。
上杉:通信社の仕事というのは、それなりの職業訓練が必要になってきますよね。新聞社もまた別の訓練が必要となります。
相場:そうですね。
上杉:なのに大手新聞各社は、ネット上で速報記事を流している……。それは通信社の仕事、危ないなあ朝日新聞は(笑)。
相場:ハハハ。
窪田:朝日新聞の記者は、通信社が行う訓練を受けていませんからね。
上杉:新聞各社は生き残り策を模索しなければいけないのに、まだ合従連衡がうまく進んでいない。しかし最後に残るのは逆に現在の弱者の毎日新聞や産経新聞ではないか、という話をホリエモン(堀江貴文)としました。いまの記者クラブを中心としたメディアシステムは、すでに破たんしている。
 また1つの事業者が多くのメディアを傘下に置くクロスオーナーシップの制度の下では、読売グループが強かった。しかしこうした制度がなくなってくると、これまで強かった読売新聞などのメディアが一気に瓦解するかもしれない。その一方で、なんとか生き残ろうと必死にもがいている毎日新聞や産経新聞が残るかもしれません。
■プチスピンドクターがいない
相場:今の菅政権はどのくらいヒドイのでしょうか?
上杉:官邸内の話でいうと、とてもヒドイですね。その理由は2つあって、1つ目は官邸官僚を使いこなせていないこと。もう1つは記者クラブ制度を中途半端にしてしまっていること。中途半端に開放するという選択肢はなく、もうオープンにするかクローズにするしかない。しかし中途半端なままにしているので、ヘンな敵まで作ってしまった。
 そういう意味ではスピンコントロール(情報操作などを行うこと)が全くできていない。メディアコントロールはとても大切なのに、日本の政権だけができていない。
窪田:なんでこんなにコントロールされていないんだろう、といった感じですね。
上杉:スピンコントロールを意識的に行っていたのは、小泉政権のときの飯島勲さん。小泉政権が強かった背景の1つに、飯島さんの力が大きかったのではないでしょうか。あとは石原都知事の特別秘書を務めている高井英樹さんも、スピンコントロールを行っている。
窪田:官房機密費を手にしていた“大物”解説委員たちは、これまでプチスピンドクターのような役割を果たしていた。しかし今は、彼らのような後継者が育っていない。プチスピンドクターもいることはいるのですが、みんな小物ばかりなので、中途半端なスピンしかできていないですね。
上杉:以前、窪田さんと対談したときに「日本は記者クラブがスピンドクターだ」いう話をしました。しかしその記者クラブが崩壊しつつあるので、今はスピンがきかなくなっている状態ですね。
相場:1990年代の半ば、銀行はスキャンダルまみれでしたが、ある銀行の行員は情報操作がものすごくうまかった。もちろん本人は「自分はスピンドクターだ」という意識はなかったと思うのですが、直に頭取と記者をつないでくれたりした。なので、その人にあたれば、記者は情報をとることができた。また情報操作がうまい人がいる銀行では、問題が起きても、あまり傷が大きくならないんですよ。
窪田:頭取という意思決定ができる人間と直にやりとりができる情報参謀みたいな人がいたわけですね。それを政治で例えると、自民党の派閥のボスにくっついていた政治記者になる。しかしそうした政治記者も、かつての輝きを失ってきている感じがしますね。
相場:例えば出版社から「菅政権のことについて書いてくれ」という話が来ても、誰に取材すればいいのか分からない。つまり、キーになる人が見えてこないんですよ。しかし民間企業であれば、ニオイで分かったりする。この人を抑えておけば、記事にすることができる、といった感じで。
上杉:菅さんと(官房長官の)仙谷さんに関しては、記者クラブ制度に関する理解がない。そもそも多くの政治家は、記者クラブに問題があることすら理解できていない。なぜなら政治家も一緒になって、“洗脳”されてきたから。問題がそこにある、ということすら分かっていない。
窪田:政治家になったときからスピンコントロールされているので、理解することができないんでしょうね。
上杉:官邸システムのことを一番よく分かっているのは、古川元久官房副長官ですね。彼とは記者クラブ制度のことをよく話をしていたので、完璧に理解している。しかしマスコミ担当からはずれてしまった。で、福山哲郎官房副長官が担当することになったのですが、古川さんと比較すると記者クラブの問題点を完璧に理解しているとは言いがたい。菅さんについては、スピンコントロールのことを言っても「はあ!?」といった感じ。彼はネットをうまく使いこなせていないし、そもそも記者クラブ問題を理解しようともしない。だから、なぜネット上で記者クラブ問題が盛り上がっているのかが分かっていない。ただ40代の枝野幸男幹事長は違う。情報公開の意味を認識し、記者クラブ制度に問題があることも分かっている。なので政治家の間にも、世代による差がものすごくありますね。これは政治の世界だけではなく、メディアでも同じことが言える。日本民間放送連盟の広瀬道貞会長は正しいことを言っている。正しいことを言っているんだけど、それは1980年代であれば正しい、といった内容。要するに時代から遅れてしまっているのに、そういう人たちがメディア界を牛耳っていることが問題です。
■最後の護送船団
上杉:政治の世界というのは、まだまだ55年体制の古い体質が残っていて、いわば“最後の護送船団”のようなもの。
窪田:記者クラブもそうですね。最後に残った談合組織といった感じ(笑)。そういう意味では経済界の方が、古い体質が早く消えましたね。もちろんまだまだ古い体質が残っている部分もあるかとは思いますが。
上杉:1990年代の銀行を象徴に、古いシステムが変化を余儀なくされていきました。
相場:それまで残されていた秩序が、完全に崩れました。
上杉:官僚についても、2000年からの官僚バッシングで自浄作用が働いた。ところがメディアだけは、いまだに変わらない。なぜかというと、メディアを叩くメディアがないから。やはり日本人はメディアに洗脳されすぎ。久米宏さんは『ニュースステーション』でいろいろな問題発言をして、物議を醸していました。当時、久米さんに「意識的に問題発言をしているのですか?」と聞いたところ、「ボクは100人の視聴者がいたら、そのうちの10人が賛同してくれたら大満足」だと言っていました。つまり、残りの90人を敵に回してもいい、といったことを話していました。そのとき「なるほど」と思いました。万人を納得させなくてもいいとなれば、自分の考えにブレがなくなるな、と。久米さんを真似して、ボクも「100人中1人が賛同してもらえれば満足」と思うようにしている(笑)。
相場・窪田:ハハハ。
上杉:いや、ひょっとしたら1人もいないかもしれない(笑)。
窪田:もし万人が賛同すれば、それはもう意見ではないですよね。
上杉:自分の意見に100人中10人が賛同してくれれば満足……と思っている人が増えればいいんですよ。そうすればいろんな意見が出てくるので、そこからベターなものを選択していけばいいだけのこと。なので視聴者や読者に合わせる必要なんてない。ベターなものを選択できるように、視聴者や読者に情報を提供していけばいい。しかし既存メディアは「自分たちはこう思っている。だから視聴者・読者もここに当てはめよう」といった考え。しかし、こうしたメディアの考えはとても傲慢ですよね。
 むしろ「自分たちはこう思っています。これに賛同してくれる一部の方は、どうぞ支持してください」というスタンスの方が健全ですよ。
■官房機密費問題に賞を
窪田:話は変わりますが、今回(2009年度)、新聞協会賞を受賞した記事を知っている(参照リンク)、という人はどのくらいいるのでしょうか。ちなみに編集部門では東京新聞の「東京Oh!」、毎日新聞の「無保険の子」救済キャンペーン、熊本日日新聞の「川辺川ダムは問う」の3本。しかし多くの人が知らないような記事が受賞するのは、いかがなものでしょうか。
上杉:あんなくだらない賞はさっさと止めた方がいい。
窪田:新聞協会賞というのは「この記事が社会をよくしているんですよ」といった意味が含まれている。しかし多くの人が「オレ、そんな記事知らないよ」というのであれば、ちょっとおかしい。
相場:であれば官房機密費問題に賞をあげればどうでしょう?
窪田:上杉さん、新聞協会賞を受賞すればどうしますか?
上杉:もちろんお断りします(笑)。
 →鼎談連載終わり。

上杉×相場×窪田の「ここまでしゃべっていいですか」バックナンバー:
朝日新聞が、世間の感覚とズレにズレている理由(1)
政治家のフトコロから記者にカネ……メディア汚染の問題点とは(2)
“ブラックなカネ”と記者クラブの密接な関係(3)
あなたはモグリの記者ですか? そう感じさせられたエライ人の論理(4)
主要メディアが、官房機密費問題を報じないワケ(5)
新聞社の立派な建物が残り、報道が消えてしまうかもしれない(6)
大臣を逃がしている自覚がない? つまらない質問をする記者たち(7)
「裸になる」わけではないが……江頭2:50を見習う理由 (8)
最後に残る新聞社はどこなのか(9)
久米宏さんに学んだ、既存メディアのココがダメ(最終回)

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〈来栖の独白2011/12/28 Wed.〉
 久米宏さんの「ボクは100人の視聴者がいたら、そのうちの10人が賛同してくれたら大満足」〈つまり、残りの90人を敵に回してもいい〉との言葉が、快く響く。
 釈迦は次のように云ったではないか。
 “「一つの道を二人して行くな」「犀の角のようにただ独り歩め」と。世尊御自身が群れを成すのを嫌悪していられた。弟子がともすれば徒党を組むのを厳しく戒められた。”(瀬戸内寂聴著『釈迦』新潮文庫)
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福永武彦の『草の花』など・・・2010-09-07 | 読書
 〈来栖の独白2010/09/07〉
 本日、中日新聞夕刊に、福永武彦に関する記事。じっと読んだ。福永武彦の一連の作品は大学のころ愛読し、大きな影響を与えられた。私の美意識、人生観を形成した。
 若かったあの頃。学生時代。
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「Chopinと福永武彦と」2008/01/21 より
 ショパンの華麗さとしなやかさに惹かれて、一昨年から弾いてきた。高く深い美しさに惹かれた。ダン・タイ・ソンで聴いてからは、虜になった。小原孝さんがご自分の番組NHKFMのなかで「フォルテは無いと思ってください。すべてピアノで」とおっしゃっていたが、本当にそう。あくまでも、やさしくしなやかに弾く。特にノクターンは。
 先日もNocturnesを弾いていた。No1.Op.9-1「変ロ短調」。ちょっとロマンチックな出だし、甘さすら感じさせると、ずっと思っていた。
 しかし突然、違う、と感じた。甘くない、と。凛とした孤独が聴こえた。そしてすぐに、それはそのはずだ、と思った。ショパンが、孤独を奏でないはずがない。他人の寄り付くことを頑なに拒んで強靭な美のリアリストだったショパンの音楽に、孤独が漂っていないわけがない。
 私がショパンに強く惹かれたのはこの孤独の旋律の故だった、と気づいた。
 ショパンは、次のように言う。(音楽とは)「音によって思想を表現する芸術」、「自分の耳が許す音だけが音楽である」と。この思想の故に、ショパンは孤独であった、と私は思う。
 思想とは、生命の証、生きる意味である。
 不意に(いや、当然のように)、福永武彦を思い出した。
 福永武彦の作品に出会ったのは、大学の教養時代だったと思う。青年特有の寂しさと不安(落ち着かなさ)を持て余し悩んでいた私は、この『草の花』に衝撃を受けた。たまたま前期の試験と時期を同じにしたが、福永作品の世界から抜け出せなかった。単位を落とすことも覚悟した。が、試験を受けることだけはしておこうと思った。アメリカ文学史(アメリカン・フォークロア)の試験で、答えがさっぱり書けず、問題とは関係のない要らぬことを書いて出した。「私はいま福永武彦の小説に夢中になっています。氏の描く『孤独』は、いまの私にとってのっぴきならないテーマなのです・・・」。単位を落とすことを覚悟しているので、気持ちだけは強かった。ところが、後日発表を見ると「優」をくれていた。びっくりした。申し訳ない気持ち、単位が貰えてほっとしている自分、弱い自分が恥ずかしかった。
 長い時を隔てて、『草の花』を手に取った。懐かしい文字列。しかし、今回初めて、この小説にショパンという文字が出てくることを発見した。福永氏の心の中で、恐らくショパンの孤独が鳴り響いていたのだろう。
福永武彦著『草の花』(抜粋)
 しかし、一人は一人だけの孤独を持ち、誰しもが閉ざされた壁のこちら側に屈み込んで、己の孤独の重味を量っていたのだ。
 ----僕は孤独な自分だけの信仰を持っていた、と僕はゆっくり言った。しかしそれは、信仰ではないと人から言われた。孤独と信仰とは両立しないと言われたんだ。僕の考えていた基督教、それこそ無教会主義の考え方よりももっと無教会的な考え方、それは宗教じゃなくて一種の倫理観だったのだろうね。僕はイエスの生き方にも、その教義にも、同感した。しかし自分が耐えがたく孤独で、しかもこの孤独を棄ててまで神に縋ることは僕には出来なかった。僕が躓いたのはタラントの喩ばかりじゃない、人間は弱いからしばしば躓く。しかし僕は自分の責任に於いて躓きたかったのだ。僕は神よりは自分の孤独を選んだのだ。外の暗黒(くらき)にいることの方が、寧ろ人間的だと思った。
 孤独というのは弱いこと、人間の無力、人間の悲惨を示すものなんだろうね。しかし僕はそれを靭いもの、僕自身を支える最後の砦というふうに考えた。傲慢なんだろうね、恐らくは。けれども僕は、人間の無力は人間の責任で、神に頭を下げてまで自分の自由を売り渡したくはなかった。
 ---ピアノコンチェルト一番、これ、前の曲ね。これはワルツ集、これはバラード集。どうしたの、これ?
 ---千枝ちゃんにあげるんだよ。千枝ちゃんがショパンを大好きだって言ったから、それだけ探し出した。向うものの楽譜はもうなかなか見付からないんだよ。
 僕の書いていたものはおかしな小説だった。(略)全体には筋もなく脈絡もなく、夢に似て前後錯落し、ソナタ形式のように第一主題(即ち孤独)と第二主題(即ち愛)とが、反覆し、展開し、終結した。いな、終結はなく、それは無限に繰り返して絃を高鳴らせた。
 僕はそうして千枝子を抱いたまま、時の流れの外に、ひとり閉じこもった。僕はその瞬間にもなお孤独を感じていた。いな、この時ほど、自分の惨めな、無益な孤独を、感じたことはなかった。どのような情熱の焔も、この自己を見詰めている理性の泉を熱くすることはなかった。山が鳴り、木の葉が散り、僕等の身体が次第に落ち葉の中に埋められて行くその時でも、愛は僕を死の如き忘却にまで導くことはなかった。もう一歩を踏み出せば、時は永遠にとどまるかもしれない。しかしその死が、僕に与える筈の悦びとは何だろうか、・・・・僕はそう計量した。激情と虚無との間にあって、この生きた少女の肉体が僕を一つの死へと誘惑する限り、僕は僕の孤独を殺すことはできなかった。そんなにも無益な孤独が、千枝子に於ける神のように、僕のささやかな存在理由の全部だった。この孤独は無益だった。しかしこの孤独は純潔だった。
 孤独、・・・いかなる誘惑とも闘い、いかなる強制とも闘えるだけの孤独、僕はそれを英雄の孤独と名づけ、自分の精神を鞭打ちつづけた。
 支えは孤独しかない。
 僕の青春はあまりに貧困だった。それは僕の未完の小説のように、空しい願望と、実現しない計画との連続にすぎなかった。
 藤木、と僕は心の中で呼びかけた。藤木、君は僕を愛してはくれなかった。そして君の妹は、僕を愛してはくれなかった。僕は一人きりで死ぬだろう。
>この孤独は無益だった。しかしこの孤独は純潔だった。・・・・僕は一人きりで死ぬだろう。
 なんという、ぞっとさせるような孤独だろう。しかし、冷静な理知の眼には、人生の現実はそのような残酷なものだ。『草の花』は知的な青年の孤独を描いている。私はこの孤独(純潔)に魅せられ、惹かれ続けてきた。守りたいものであった。群れることを嫌った。
 若いときには若いときの、老いには老いの孤独があるだろう。老いての孤独は、若いときとは比較にならぬ峻烈なものであるのかもしれない。人は、そのようにして、やっと死に辿りつくことができる。2008/01/21 up

◆福永武彦の日記発見 克明に記した戦後の日々
中日新聞夕刊2010年9月7日
 「風土」「死の島」などの作品で知られる作家福永武彦(1918〜79年)が終戦後に書いた日記4冊が、6日までに見つかった。敗戦の混乱期に文学を志した日々や、結核に苦しめられた苦悩を克明につづっており、戦後文学の貴重な研究資料となりそうだ。
 日記は45〜47年の3冊と、51〜53年をまとめて記した1冊。大学ノートなどに書かれていた。10年前に研究者が47年の日記の写しを入手し、その後、古書店などで現物が見つかったという。
 日記からは、文芸誌創刊を夢見て奔走していたことや、長引く闘病と貧困の中で苦悩の日々を送っていたことがうかがえる。「5年以内に文筆、それも翻訳でなく創作で、生活出来るやうになりたい」(46年1月3日)など、文学への情熱を読み取ることもできる。
 長男で作家の池沢夏樹さんは「日記文学として価値がある。今、忘れられがちな戦後の生々しい風俗、歴史の記録そのものでもある」と発見の意義を話していた。
 45〜47年の日記の一部は、7日発売の「新潮」10月号に掲載される。(共同)
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小沢一郎氏 2012年は最後のご奉公、文字通り「最後」と語る/人間・小沢一郎「最後の大構想」

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小沢一郎氏 2012年は最後のご奉公、文字通り「最後」と語る
ニュースポストセブン2011.12.29 07:00
民主党政権の政治運営について東日本大震災や原発事故への対応を見るだけでも大きな失望感が広まっている。改革を掲げ日本の政治を変えようとしたはずの民主党も、気がつけば自民党と同じことをしている。旧体制(アンシャン・レジーム)をなぜ壊せなかったのか。政治ジャーナリスト渡辺乾介氏(『小沢一郎 嫌われる伝説』著者)が小沢一郎・元民主党代表に聞いた。
* * *
――民主党がアンシャン・レジームになってしまった。
小沢:(苦笑しながら)そうなんだよね……。
――その民主党をどうやって、もう一度ぶち壊すのか。
小沢:僕は現時点においては、野田(佳彦首相)さんが初心に返り、政権交代の原点に思いをはせて、そしてぜひ「国民の生活が第一。」の政策に戻ってほしいと、ひたすらに望んでいます。そうしなきゃ、民主党政権に明日がない。必ず国民から見放される。
――すでに、今日もない。
小沢:ん…? 今日もないけれども(苦笑)。
――次の総選挙で「今度こそやります」と訴えたからって、国民は民主党を……。
小沢:それは信用しない。
――政策を担保する何か、あるいは覚悟が本気だと思ってもらうための新たな努力が必要ではないか。
小沢:さっきいったように、僕は野田さんがまず、「国民の生活が第一。」の理念に基づいて、しっかりしたビジョンを語るべきだと思う。それが全くないまま、ただ増税だけを推進しているとなると、民主党政権は滅びる。かといって自民党政権に戻ることもない。日本はぐちゃぐちゃのカオスの状況に入ってしまう。
――国外に目を転じると、北朝鮮では金正日・総書記が死亡し、東アジア情勢も流動的になってきた。
小沢:突然のことで大変驚きました。核開発の問題もありますので、日中韓をはじめ関係各国が緊密に連携して、不測の事態に対処しうる体制を早急に構築することが肝心だと思います。
――選挙まで残り任期は少ない。今の政権が原点に戻らない場合、あなた自身はどういう覚悟を決めるのか。
小沢:その時は、ほかの手段を考えなきゃならない。
――その手段とは。
小沢:今、具体的にどうこうというわけにいかないけれども、今の政権がどうしても(原点回帰は)だめだといったら、僕も国民を裏切ることになってしまう。それは困るし、それによる日本の大混乱も防がなきゃならない。何らかの方法を考えなければならない。
――そのカオスを突き抜けるところで、あなたにとって2012年は相当過酷な年になる。
小沢:最後のご奉公です。文字どおり「最後」です。
※週刊ポスト2012年1月1・6日号
      

人間・小沢一郎「最後の大構想」
  週刊ポスト2012年1月1・6日号
 小沢一郎。この稀有で頑固な政治家の「人間」を解剖することは日本の政治の形、国家の形がどう変わらなければならないかを探るケーススタディといえるかもしれない。天の怒りに地の喜びが打ち砕かれた2011年3月11日。政治は荒れた大地に陽炎の如く輪郭を浮かべ、無為に時を重ねた。多くの国民は「動かない小沢」に焦れた。小沢封じの政治の病巣は現実と醜悪な乖離を見せつけた。何をしていたのかという挑みの問いに、小沢が「人の顔」で激しく語った。(聞き手・渡辺乾介氏 政治ジャーナリスト)
■震災対応で二つの「政治問題」
 2011年の掉尾を奮う時、東日本大震災を抜きにしては語れない。人々は地震と津波の襲来、息つく間もなく放射能禍に見舞われ、日常のすべての営みを断たれ、最愛の家族と生活の絆、仕事を失い、形骸だけを残した街を目の当たりにした。
  被災者は誰も人たることの根源的問い、選択を強いられ、呻吟しつつ、絶望の悲嘆にくれる暇さえなく、生きる使命と希望に奮い立った。その姿は世界に大きな感銘を与えた。
 そして、政治と行政の力を求めたが、空前絶後に事態に機能不全に陥り、無力であることを知って、人々は自力で我が町、我が村を興そうと動き出したのだった。やがて恐る恐る政治がやってきた。遅きに失するばかりの復興対策である。被災者は惨状に只中にありながら、政治や行政にかまわず自助自立、相互扶助で苦難に立ち向かってきた。
 人災としての放射能禍は、政治が最大の障害というべき連関に人々を押し込め苦しめた。人民あっての政治が、政治ゆえに人々に立ちはだかる。
 一体、政治とは何なのか。未曾有の困難と混乱の大震災であればこそ「国民の生活が第一」という民主党政権の拠って立つ基本理念の実践、その真価が問われたのではなかったか。
  同時にそれは、政権交代の立役者であった小沢の存在理由であり、国民との約束の政治的価値そのものなのである。
だから、問う。
 震災直下で人々が、人たることの根源的問い、選択を強いられ、呻吟していたように、政治家でありながらも、一人の人間として、小沢もまた被災地に立って何を思い考え、いかなる人たる呻吟をしていたか、である。
小沢:被災地の皆さんは非常に厳しい、そして辛い生活をずっと耐えて、長い間頑張ってこられた。亡くなった方々へのお悔やみとご家族へのお見舞いを申し上げると同時に、くじけずに頑張っておられる郷里の皆さん、被災地の皆さんに、心から敬意を表したいと思います。
 千年に一度の巨大地震、大津波というのでは、人知の及ばない面もある。そこは自然災害に対する今後の方策を考えていく以外にないんだけれども、政治的には二つの大問題があります。
 一つは原発。日本の再建だ、東北の再建だと言っていますけれども、放射能封じ込めに成功しないと日本経済の再建も日本の将来もない。福島第一原発の事故はマスコミでは喉元過ぎればで、なんだか風化したみたいになってますけれども、日本人的な現象で非常に危険だと思います。
 この放射能については、なんとしても完全に封じ込めないといけない。そのためには、どれだけお金を使ってもやむを得ないし、封じ込めの先頭に立つのは国だ。ということを僕は言い続けてきたんです。事故の現状は、東電が第一義的に責任者だからといって、東電にやらせていいという状況を超えている。国が自ら先頭に立って、主体的にやらなくちゃいけない。
 原発による被災者の皆さんの生活の問題と同時に、放射能をいかにして封じ込めるか。水をかけて「冷温停止状態を達成した」なんていたって、永久に水をかけ続けるのか?今になって、核燃料が圧力容器からメルトスルーして、もうすぐ格納容器の底のコンクリートを抜けるかもしれないなんて、呑気なことを言っているわけですね。
 震災の2、3日後には、熱工学の学者をはじめ客観的に事実を見ている人たちは、必ず炉心は壊れていると言っていた。燃料も必ずメルトダウンしているとわかっていたわけですよ。それにもかかわらず、政府は2ヵ月後にようやくメルトダウンを発表して、そして最近になって落ちたウラン燃料がコンクリートを侵食して、底を突き破るまであと30何センチだなんて言ってるわけです。あれ、突き抜けて土の中に入っちゃったら、汚染の拡大を止められなくなりますからね。
 それをまず徹底的に封じ込めないといけない。それは国家、政府が先頭に立ってやるべきことです。
 もう一つは統治の機構。この機会に「地域主権」を確立すべきですよ。
復興のための補正予算などで金銭的な手当ては一応してあるんだけれども、その使い方は相変わらず旧来と同じ公共事業でしょう。今まで同じパターンで補助金を出すやり方だから、仕事は遅いし無駄が多い。
  政府は地方の再建、東北の再生なんて言っていますが、これを機会に我々が主張してきたように中央省庁が仕切る補助金の制度を、地方自治体が自由に使える一括交付金の制度へと変える。これだけの大被害なんだから暫定的にでもやるという理屈も成り立つ。好きなように使ってよいというお金をもらえれば、もっと早く、もっとたくさん仕事ができると言うんですよ。(被災地の)知事も市町村長もそう言う。
 相変わらず予算を貰うには、いちいち中央の役所から査定に来る。学校つくるにも、仮設住宅つくるにも、海岸つくるにもすべて中央が査定して、霞ヶ関へ持って行って、そこでまた検討して、やと補助金が出る。しかも、旧来の役所のメニューにある事業、やり方しか対象にならない。
 私は、今こそ民主党が政権交代で訴えてきた補助金制度の改革を断行して、一気に「地域主権」を確立すべきだと思う。中央集権の霞ヶ関一極集中の統治機構を変える絶好の機会だと思っているんだけれども、そういう発想はまったく出てこない。非常にジレンマと苛立ちを感じています。
渡辺:あなた自身、大震災が発生して現地に入るまでどういう気持ちだったのか。
小沢:かつてないほど多くの方が亡くなった。僕は昔から浜も何もかも歩いて知っているから、どこがどうなったかはわかる。しかし、生きている者は町づくり、村づくりをしなくちゃいかんから、そっちの方に目が向いた。僕はどのようにして復興財源を賄うかとか、どういうふうに直せばいいのかとかいうことを考えなければならない。だから、達増拓也岩手県知事とはずっと連絡を取り合って協力しながらやってきた。
 実はあれだけの大津波にもやられなかった浜があるんですよ。岩手で2ヶ所かな。明治時代に津波にやられた教訓で、昔の村長さんが主導して高台に全部移転していたんだ。それが今回幸いした。だから同じ金を掛けるにしても、そういうことまで考えて、根本的な浜の町づくりをしないといけない。
■「もう帰れない」と伝える責任
渡辺:被災者の人たちが、苦悩、苦難、困難を抱えながらも自分たちの手で何かやらねばならないという、この大衆のエネルギーを政治が汲み取ろうとしないところが悲しく虚しい。
小沢:今回、一般の人たちがお互いに連帯していろいろな救助活動や復興活動に立ち上がった。これは日本人のとてもいいところで、みんなが感動した点だと思う。
  一方、地方はいちいち中央の霞ヶ関の許可をもらったりするのが面倒臭くてしょうがないと思っているけれども、それが政治的な運動にならない。そこが日本社会が他の国から遅れているところですね。大きな変革を起こせない理由でもある。本来ならば、特に福島県の人たちなんか、全県民が上京して、霞ヶ関を取り巻くぐらいの筵旗(むしろばた)デモを起こしてもよさそうなのに日本はそうはならないんだね。
渡辺:外国なら暴動が起きても不思議はない。
小沢:政治に何をして欲しいんだというものは必ずあるはずです。それが政治の変革を求める運動に繋がっていかないのが、日本社会の最大の問題だね。
渡辺:元ソ連邦大統領のゴルバチョフ氏は回顧録で、チェルノブイリ原発の事故について「わが国の技術が老朽化してしまったばかりか、従来のシステムがその可能性を使い果たしてしまったことを見せつける恐ろしい証明であった」と書いている。福島原発も同じ問題を内包していると思う。
小沢:溶けた核燃料を取り去るなんて工程表に書いてある。でも、どうやって取り出すの?それをどこへ持っていくの?何も方策がないのに、そんなことを文書にだけ書いてどうするんだ。そういう意味のないスケジュール表みたいなのを作ったって、何の役にも立たないと僕は思う。
 それをこのままに放置しておくとなると、今を生きている我々が末代まで責めを負わなければならない。
渡辺:戦争以外であれだけの領土を事実上、失うことは大変な事態です。
小沢:(大きく頷いて)まさにそうです。
渡辺:それだけ重大であるという意味が、政・官・財、大メディアにも共有されていない。
小沢:原発から20キロだか30キロのあたりで、これ以上放射能が拡散しないという保証があるならいいけれども、もっと拡散するかもしれない。まだ政府はなんとなく避難した人たちがいずれ故郷に帰れるみたいな話ばかりしているでしょう。だから避難した人たちは、もしかしたら帰れるかもしれないと思って新しい生活設計ができない。中途半端で宙ぶらりんの状態になっている。これは政治の一番の罪だと思う。
 事実上、放射能の強い地域には帰れない。だから、被災者にはきちんとそう言って、新しい生活に対して支援をしていくべきです。みなさん、それぞれ生活設計をしてください、帰るのは当分考えられる限り無理です、ということをじはっきり言わないと避難している人たちに対する裏切りというか、背信、嘘つきになっちゃう。
■増税せずとも当面の金はある
渡辺:被災者も国民も、政治は国民のために動いていないと怒っている。たとえば、原発事故では被曝予測システム「SPEEDI」の情報を隠し、復興を口実にして国民に負担増を強いる。この震災の結果責任の悲劇的なところだ。
小沢:自分が担当している間は無難に過ごせばいいという事なかれ主義、悪い意味の官僚的発想なんですね。誰も泥をかぶらないで、かわい子ちゃんでいたい。官僚だけでなく政治家もそうなっちゃったということですね。
渡辺:あなたが唱えてきた「自立と共生」の視点から、これだけ病み、傷んだ国土、国民、国家の震災後の在り方を語るときに、どういう再生の方向性があるのか。それは国民があなたに注目する大きな一つの視点だ。
小沢:日本には、市民の力によって政治体制を変えた歴史がほとんどないですから、自ら政治を動かそうという発想がなかなか国民の間に生まれてこない。
  ただ、インターネットの広がりとともに、政治に無関心であったといわれる若い人たちがかなり関心を持ち始めて、そして実際に行動するようになったんじゃないだろうかと思う。原発の問題もそうだけれど、年金の問題でも、掛け金(保険料)を払ったって年金をもらえるのかという先行き不安が現実に出ている。いずれも結局は政治の場で解決する以外ないわけだから、だんだん政治に対する見方が変わってきているんじゃないかという気がします。
 民主主義社会では、上からの革命というわけにはいかない。国民が支持し、国民が支援してくれなきゃ改革はできない。今はほとんどの人がインターネットで情報を共有できるので、普通の人、特に若い人が行動するようになってきたことに僕は希望を見出します。
渡辺:今の答えの中にあったが、年金と消費税がセットで国民生活を闇の中に押し込めようとしている。「国民の生活が第一。」という政権交代の理念と基本政策を、民主党は冷凍保存しようとしているのではないか。
小沢:僕が代表のときに掲げた言葉だから嫌なんでしょう。(笑)
渡辺:政府・与党の中枢部は事あるごとに「国民にも痛みを分かち合ってもらう」という言い方をするが、安易に復興税だ、消費税だとのめり込み、返す刀で年金支給年齢引き上げを画策したりと、国民負担増だけに政治の軸足を置いている。
小沢:これは民主党だけでなく、自民党も同じなんですが、自分たちが唱えてきたこと、選挙に国民に訴えたことは何だったのかということをまったく忘れている。
 先日も政府に入っている議員10人ぐらいと会合があったから話してきたんです。「今の時点では、それぞれの役目をこなす以外にないけれども、我々は古い仕組みを変えるんだと主張して政権を与えられたんだから、そのことを頭において仕事をしないといけない。役人の言うことばかりを聞いていたら、国民から自民党以下だと言われる。それだけは忘れないでくれ」とね。
渡辺:「痛みを分かつ」というのは、変節政治家と官僚が自分の無能を隠蔽する常套句だ。あなたは消費税の増税について非常に厳しく批判し反対している。
小沢:我々は総選挙で、特別会計を含めた国の総予算207兆円を全面組み替えて、国民主導の政治と地域主権の社会を実現すると国民に約束して、政権交代を認めてもらった。その理念、主張をまったく忘れちゃって、今までと同じやり方で予算編成を行っている。各省庁の要求を集めたものが総予算ですが、それが前年度の大枠よりちょっと出ていれば一律のカットするというだけのことで何も変わっていないわけです。
 我々はそれを変えて、政治主導で国家予算の総組み換えを断行して行政の無駄を省き、中央集権の官僚支配を打破することによって、必要な財源も生み出していくと主張した。それで民主党は政権をいただいたんですよ。なのに何もせずに役人のペースにどっぷり浸って「お金はありません。だから増税です」という話しか聞こえないわけだね。これじゃ、国民の理解は得られない。
渡辺:政府・与党は消費税を5%上げて社会保障、年金財源にするという名分を掲げているが、本当にそうなのか。5%上げると、税収は約13兆円増える。ところが、今年7月に閣議了解された「社会保障と税の一体改革」の成案によると、13兆円の税収のうち、社会保障の充実に回るのは消費税1%分の2・7兆円。うち年金分は6000億円に過ぎない。つまり、消費税は倍に上げても大半は何に使うかわからない。痛みを分かつと言いながら、これではまた官僚に好き勝手に利権食いされるような心配が先に立つ。それが消費税増税の最大の問題点だと思う。
小沢:消費税増税を言う前に私は「当面の金はまだある」と言ってます。増税せんでも財源はある」と言っているんだけれど、誰もそれを言おうとしない。
  僕はずっと所得税減税を主張していて、そのためには間接税の消費税の引き上げはいずれ検討しなくちゃいけないかもしれない。それは否定していないけれども、なんの政治理念もなく、何の努力もせずに「痛みを分かち合ってください」というのは詐欺的行為だと思います。税制論議以前の問題だね。
渡辺:消費税アップの「社会保障・税一体改革成案」は7月に閣議了解したといわれているが、実際は与党の国民新党が反対したために閣議決定できず、閣議了解さえもできていない。「閣議報告」という形で当時の菅内閣は発表した。だが、政策だけは既成事実となり野田首相はいつの間にか「もう決定した」みたいなことを言う。行政の正しい手続きすらない。
小沢:野田さんが本当に国民のために、お国のためにそれが必要なんだ、それはこういう理由からだとちゃんと説明して、自分の政治生命を懸けるという決意がはっきりすれば、まだ国民はそうなかなという気持ちになるかもしれない。けれども、上げた消費税を何に使うのかもわからない。ただ闇雲に消費税、消費税と言っているようにしか見えないから、絶対に国民に理解されないと思います。
渡辺:あなたは優しいからそう言う。(笑)でも、野田首相が今の状態でいくら説明し、決意を述べたとしても納得できない。
小沢:いや、僕も賛成しないですよ。
■増税推進なら「他の手段」を考える
渡辺:先ほどの一体改革成案には、現在65歳の年金支給開始年齢の68〜70歳への引き上げが盛り込まれている。増税が年金充実のためというなら、給付が手厚くならなきゃ辻褄が合わないのに、70歳支給になったら、国民の老後は真っ暗になる。現在、厚生年金の平均受給額は月に約16万円だから、支給開始が5年引き上げられると1人当たり1000万円の減額になる。
 それだけでも空前の年金カット計画だが、なぜそれが必要なのか。厚生省年金局の「年金検証結果レポート」によると、年金財源に厚生年金で500兆円、国民年金で50兆円、合わせて550兆円の債務がある。1人1000万円ずつ年金を減らすと、厚生年金加入者は約3444万人だから344兆円が浮く。さらに、これから厚生年金に加入する19歳以下世代の削減額を含めると、550兆円の債務を帳消しにできる。いかにも役人らしい悪巧みが潜んでいることを『週刊ポスト』は指摘している。
 これが「国民の生活が第一」を掲げて政権交代した民主党内閣がやろうとしている消費税増税と年金改悪の二重詐欺です。あなたの消費税増税批判はちょっと中途半端じゃないか。
小沢:我々は年金制度を根本から変えて一元化すると主張している。月額7万円前後の最低保障年金は消費税を全て充てて安定させ、その上に報酬比例年金を設けて、2階建ての新しい年金制度を作ると提案した。
 ところが、それについても政府は作業をしていない。国民との約束をまったく顧みないで、支給開始年齢だけでなく、掛け金まで上げるというのだから、僕は本当に詐欺、裏切り行為だと思う。消費税も年金も所得税も国民負担を増やすという話には僕は到底賛成できない。
渡辺:大新聞も支給開始年齢の引き上げを叫んでいる。いわば内閣と官僚と大新聞の共同正犯行為による詐欺みたいな形になっている。
小沢:ただ、国民はかなり情報を正確に知るようになってきている。国民が情報を得る手段はもうテレビや新聞だけじゃない。いずれ国民に鉄槌を下されると僕は思います。
渡辺:公約に対して忠誠を誓うという意味において、先の大阪のダブル選挙、あるいはその前に愛知のトリプル選挙で当選した市長・知事たちの、有権者に対する死に物狂いの公約実現の努力をどう見るか。民主党も国の仕組みを変えると言ったけれども、今に至る政権の姿は橋下徹大阪市長、河村たかし名古屋市長と真反対です。
小沢:彼らが頑なに自分の主張、市民との約束を徹底して実行しようとしているということは、まず間違いないと思います。
 それに反して民主党政権、そして今の自民党も、市民感覚からはもう駄目だと思われている。だから、荒っぽいかもしれないけれど約束は守る、国民のためには旧体制を壊さないと駄目だ、という橋下さんや河村さんに期待する結果になったのは無理もないと思う。
渡辺:その意味では、あなたはもう一度総選挙でその動きを作り直すしかない。
小沢:橋下さんは府庁舎や市役所そのものをぶっ壊さないと本当の改革はできないと主張している。僕も旧体制、アンシャン・レジームをぶっ壊さないと新しい世の中はできないとずっと言い続けてきた。それゆえに「壊し屋」とみんなから非難されているけれど、橋下さんはまだそういわれていないようだから、それだけでも彼はたいしたもんじゃないの。(笑)
 予算編成のことを例にして言いましたけれども、自民党政権のときとずっと同じことをやってきておいて、金がない、何がないのと言ったって始まらないんです。
渡辺:民主党がアンシャン・レジームになってしまった。
小沢:(苦笑しながら)そうなんだよね・・・。
渡辺:その民主党をどうやってもう一度ぶち壊すのか。
小沢:僕は現時点においては、野田さんが初心に帰り、政権交代の原点に思いをはせて、そして是非「国民生活が第一。」の政策に戻って欲しいと、ひたすらに望んでいます。そうしなきゃ民主党政権に明日はない。必ず国民から見放される。
渡辺:すでに今日もない。
小沢:ん?今日もないけれども。(苦笑)
渡辺:次の総選挙で「今度こそやります」と訴えたからって国民は民主党を・・・。
小沢:それは信用しない。
渡辺:政策を担保する何か、あるいは覚悟が本気だと思ってもらうための新たな努力が必要ではないか。
小沢:さっき言ったように、僕は野田さんがまず「国民の生活が第一。」の理念に基づいて、しっかりしたビジョンを語るべきだと思う。それがまったくないまま、ただ増税だけを推進しているとなると、民主党政権は滅びる。かといって自民党政権に戻ることもない。日本はぐちゃぐちゃのカオスの状況に入ってしまう。
渡辺:国外に目を転じると北朝鮮では金正日が死亡し、東アジア情勢が流動的になってきた。
小沢:突然のことで大変驚きました。核開発の問題もありますので、日中韓をはじめ関係各国が緊密に連携して、不測の事態に対処しうる体制を早急に構築することが肝心だと思います。
渡辺:選挙までの残り任期は少ない。今の政権が原点に戻らない場合、あなた自身はどういう覚悟を決めるのか。
小沢:その時は他の手を考えなきゃならない。
渡辺:その手段とは。
小沢:今、具体的にどうこう言うわけにはいかないけれども、今の政権がどうしても(原点回帰は)だめだといったら、僕も国民を裏切ることになってしまう。それは困るし、それによる日本の大混乱も防がなきゃならない。何らかの方法を考えなければならない。
渡辺:そのカオスを突き抜けるところで、あなたにとって2012年は相当過酷な年になる。
小沢:最後のご奉公です。文字通り「最後」です。
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「チャーチル/復権・・・」裁判闘争を終えた時、小沢一郎はどんな言葉を国民に語りかけるか。〈悪党?〉2011-09-24 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
  『悪党 小沢一郎に仕えて』石川知宏 元小沢一郎秘書・衆議院議員著(朝日新聞出版)
--第2部第4章より--
p203〜
 2011年の元旦、私は深沢を訪ねた。恒例の「小沢新年会」に出席するためだ。
p204〜
 2010年は幹事長辞任、代表選敗退、そして検察審査会による「起訴相当」の議決と、小沢一郎にとっても不遇の1年だった。2011年からは私も小沢一郎も裁判闘争が始まることになっていた。
*チャーチルとの共通点
「よくもまあそんな2人が元旦に向き合うなんて・・・」
 私はそう思いながら小沢一郎の様子をうかがった。
 何か話題を出さなければいけないと思って、私は切り出した。
「最近、チャーチルの本を読んでいるんですよ」
 すると小沢は即座に反応した。
「おまえ、知ってるか。チャーチルも2回厳しい時があったんだ」
 それを聞いて、私は驚いた。小沢氏はちゃんと「次」を考えていた。
 2010年末の空いた時間、私はイギリスの元首相であるウィンストン・チャーチルについて書かれた新書をいくつか読んだ。チャーチルは私の中では小沢一郎と匹敵するぐらい興味が尽きない人物である。
 私が近くにいた時期は、小沢一郎が政治人生の中で1番苦しい時代だったと思う。自民党幹事長、新生党代表幹事、民主党幹事長が3つの絶頂期だとすると、その狭間はすべて不遇の時期。これだけ浮き沈みがある政治家は見たことがない。
「いつ総理大臣になるんだ」
「チャーチルでも65歳でなったから、まだ大丈夫ですよ」
 ちょうどいい言い訳をチャーチルから学んだ。
 小沢のチャーチル好きはあまりメディアで語られたことはないと思う。小沢は訪英した時にチャーチルを墓参している。
p206〜
 チャーチルは1929年には半ば外される形で蔵相を退任してから10年間、官職から干された。保守党のドン、ボールドウィンとの確執が鮮明になったのである。植民地・インドの自治領化や国王の結婚問題などで真っ向から対立して権力から遠ざけられた。
 「アラウンド50」のチャーチルも政治家としては1番脂がのっていた。なのに、活躍の場はない。チャーチルは不遇の時期に歴史を学んでじっくり大局を読んだ。自伝『わが半生』も書いた。河合さんの本にはこうあった。
「チャーチルは、自らの孤立が深まれば深まるほど、歴史の中に支えを求めていった。それは、目前の問題をその時々に実際的に解決しようとすた保守党指導者の態度ときわめて対照的であった」
 自分の祖先の歴史や自分の半生を本にまとめ、趣味の風景画にも興じた。それを知って、
「小沢はチャーチルそっくり」
 と思った。小沢も不遇の時期には、できるだけ表舞台には姿を見せず、さまざまな歴史書に当たりつつ、じっくり大局をうかがっていた。地方行脚に出かけるのもそういう時で、現場の声を聞いて冷静に分析している。八丈島に釣りに行ったり、金丸さんや二階堂さんの墓参に行ったり、神社仏閣を訪ねている。(略)
p207〜
 小沢の復権シナリオ
 チャーチルと小沢一郎は生い立ちも似ている。互いに父は保守政治家で、チャーチルの父は蔵相、小沢の父は建設相だ。また、2人とも受験に2度失敗している。チャーチルは陸軍士官学校の試験に2度失敗し、小沢も東大法学部を目指して2浪しても不合格で、仕方なく慶應義塾に入学した。2人とも何度も挫折を味わいながら、若くして父を失い、その後、政界で頭角を現した。
 チャーチルは保守党で初当選して4年で自由党に入り、20年後に再び保守党に戻った。人からは「変節漢」と揶揄された。自民党から新生党、新進党、自由党、民主党と渡り歩いた小沢も同じヤジをあびせられた。それは時代に即した考え方、変化に即した行動を取ろうとするからで、本人の中では筋が通っている。(略)
 とにかく小沢のそばにいて学んだことは「過ちて改むるに憚ること勿れ」ということだ。とにかく信念を貫き、予想通りにうまくいかなかったら譲る。ただし、譲った後でも歴史の流れは見誤らない。
 TPP(環太平洋経済連携協定)が問題になった。小沢は自由貿易論者だが、TPPには慎重な立場にいる。地域レベルではなく、WTO(世界貿易機構)のように、あくまで世界的な枠組みでのルール作りにこだわっている。それは世界恐慌後に列強がブロック経済に走り、第2次世界大戦につながった歴史の反省からだ。貿易自由化とは小沢にとって安全保障戦略でもある。かつて掲げた「国連待機軍構想」も、世界平和を希求するためにならず者国家に対しては世界が一致結束して戦う考えからきている。
 1939年、対独宥和政策でナチスの台頭を招いてしまったチェンバレン内閣は、ナチスに対する最大の批判者でありながらも、当時は「時代遅れの政治家」と揶揄されていたチャーチルをあえて海軍相として呼び戻した。そのとき、海軍は全艦隊に向けて3語、「ウィンストン・イズ・バック」、つまり、「チャーチルが戻ってきたぞ!」と打電したのだ。チャーチルの復活劇は国民を鼓舞し、やがて彼は首相の座にのし上がった。その後、チャーチルはイギリスを第2次世界大戦勝利に導く。
 日本でも、菅政権の支持率が落ち込むほど、小沢を求める声が高まっている。(略)
p210〜
 チェンバレン内閣はドイツ軍からノルウェーを救う作戦に失敗し、与党・保守党内からも「チェンバレンおろし」の声がわきあがった。チェンバレンは反乱軍を取り込もうとしたが、彼らは野党と連立しないかぎりは入閣を固辞した。そこでチェンバレンは野党に連立を打診するが、首相が代わらない限りは首を縦に振ろうとしない。それでも留任にこだわったチェンバレンは震災後の菅さんとそっくりだ。
 一方のチャーチルは次期首相候補に浮上するが、与野党に敵が多く、軽率な言動で戦局のかじ取りに懸念がたえなかったが、労働党が「新政権」との連携に意欲を示す。その頃チャーチルは若い低所得者層に人気があった。ラジオ出演を頻繁に繰り返していたからだ。チャーチルの時代にとってのラジオは、小沢一郎がよく出演する「ニコニコ動画」と同じような位置づけだろう。自民党が恩讐を超えて、小沢一郎にラブコールを送る日は来るのだろうか。
 チャーチルは首相就任演説で「血と労苦と、汗と涙をささげる」と誓っている。小沢も2010年の党代表選で演説の最後をこう締めくくった。
「皆さんにこうして訴えるのも、私にとっては最後の機会になるかもしれません。私は自らの政治生命の総決算として最後のご奉公をする決意であります。そして同志の皆さんとともに、日本を官僚の国から国民の国へ立て直し、次の世代に松明を引き継ぎたいと思います。そのために私は政治生命はおろか、自らの一命をかけて全力で頑張る決意であります」
 どこかチャーチルに似ている。チャーチルは1度政権を手放した後、76歳で返り咲いた。小沢もそうだが、70歳近くにもなるともう自分の利益を考えて政治をやる年ではない。裁判闘争を終えた時、小沢ははどんな言葉を国民に語りかけるか。必ず歴史に残る一言になると思う。 *強調(太字・着色)は来栖
               
「日本の政治家として一番やってはいけないことはなんだと思いますか」「そりゃ、天皇制をいじることだ」2011-10-01 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
 『悪党 小沢一郎に仕えて』 ?
「チャーチル/復権・・・」裁判闘争を終えた時、小沢一郎はどんな言葉を国民に語りかけるか。2011-09-24 
  『悪党 小沢一郎に仕えて』?
小沢一郎が語った「原発/国家のリーダー(衆愚の中からは衆愚しか)/マスコミは日本人の悪いところの典型」2011-09-19  
 『悪党 小沢一郎に仕えて』 ?
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小沢一郎裁判=「官僚支配に従う者」と「国民主権を打ち立てようとする者」とを見分けるリトマス紙である2011-10-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏 初公判 全発言/ 『誰が小沢一郎を殺すのか?』2011-10-06 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

民主議員離党届/この時期の離党は政党交付金狙いだと容易に想像はできるが/公約破りへの警鐘だ

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年末新党、背景に政党交付金 額は1億円以上
産経ニュース2011.12.27 23:47
 年末に新党構想が浮上する背景には、国から支給される政党交付金の存在がある。
 政党助成法に基づく交付金の算定基準日は通常1月1日で、基準日の翌日から15日以内(1日が基準日なら16日まで)に「所属国会議員5人以上」などの政党要件を満たして総務相に届け出れば、交付金を受けられる。交付金の額は最低条件の5人でも1億円を超える。平成7年の政党助成法施行以降、12月から1月1日にかけて結成された新党が11党もあるのは、このためだ。
 今回の民主党離党表明者が新党で交付金を受けるためには、まず政治資金規正法に基づき来年1月1日時点で新党として存在していることが必要となる。政党名や代表者、本部所在地などを決めて同月10日までに届け出なければならない。
 ただ、現在民主党所属の議員が参加した新党が交付金を受けるには、来年1月1日時点で参加者が民主党を完全に離党していることが条件になる。「二重党籍」ならば、交付金の二重取りになるからだ。
 9年12月末に解散した新進党の場合、自由党など6つに分かれた各党が「10年1月1日に成立」との手続きを速やかに行い、交付金を受けた。だが、民主党執行部は今回、離党の扱いを年明けに決める方針であるため、政党交付金を受けるのは困難とみられる。
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民主議員離党届 公約破りへの警鐘だ
中日新聞2011年12月29日 社説
 民主党の九衆院議員が集団で離党届を提出した。消費税率引き上げ方針などへの反発だという。にわかには評価できないが、少なくとも野田政権の幹部は、公約破りへの警鐘だと受け取るべきだ。
 かつて見た光景がまた眼前で繰り広げられている。年末の離党、新党騒ぎ。この時期の離党は政党交付金狙いだと容易に想像はできるが、背景にある危機感を見過ごすわけにはいかない。
 それは民主党が、政権交代を果たした二〇〇九年当時とは異なる存在に成り果てたということだ。その代表格が、消費税増税方針や八ツ場ダム建設再開であることはいうまでもない。
 離党届を提出した議員の一人は記者団に「(〇九年衆院選)マニフェストで当選した議員として、ことごとくほごにされては立つ瀬がなくなる。変質した民主党に失望した」と語ったという。
 その心情は理解できる。ただ、本当に失望しているのは国民であることを忘れてもらっては困る。
 選挙の洗礼を受けていない野田佳彦首相は、マニフェストに書いていない消費税増税に「不退転の決意」を強調する一方、約束したはずの行政の無駄をなくすことにはあまりにも不熱心だ。
 中止を掲げた八ツ場ダムの建設再開が省庁主導で決まったり、沖縄県での米軍基地新設を強行するために書類を夜陰に乗じて運び込むのを見ると、民主党政権はすでに官僚に対する統制力を失っているとすら思えてくる。
 こんな党にとどまっても、目指す政策は実現できないし、何より次の選挙で当選するのは難しい。ならば離党して新党から立候補した方が生き残りの機会は広がる。離党者はそう考えたのだろう。
 民主党税調は消費税を現行の5%から一三年に8%、一五年に10%に引き上げる案を示した。
 本来なら離党せず、政権がマニフェストとは違う方向に進むのを全力で阻止すべきだった。当選一回議員が多く経験不足とはいえ、それが政党政治家の役割だ。
 筋論で言えば、個人名の票ではなく民主党票で当選した比例代表選出議員が離党した場合、議員辞職するのが望ましい。
 離党者は野田政権批判を強める小沢一郎元代表に近い。第二、第三の離党者が続く可能性もあり、権力闘争の側面は否定できない。
 しかし、野田首相や輿石東幹事長ら政権幹部が彼らの行動を支えている国民の怒りを軽んじるなら民主党にもはや存在価値はない。
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小沢氏、グループから8人離党を渋々「黙認」
 民主党で28日、小沢一郎元代表グループの若手議員が集団離党し、新党結成を表明したことで、小沢元代表の動向に注目が集まっている。
 元代表は民主党内での主導権確保を目指しているとみられ、新党組との連携もにらみながら影響力発揮を狙う戦略をとることになりそうだ。
 集団離党した衆院議員9人は、鳩山元首相グループの斎藤恭紀衆院議員を除き、内山晃衆院議員ら8人が小沢グループだ。離党者の中には、元代表が今後合流し、「小沢新党」に発展することに期待をかける向きもあるが、小沢グループ内では「来年9月の党代表選に向けた多数派形成が最大の課題だ」との声が強い。
 9人のうち渡辺浩一郎衆院議員ら6人は今年2月、元代表の処分問題や政権公約見直しを巡って執行部と対立し、会派離脱願を提出した衆院比例単独議員で、党内では「16人組」と称されてきた。小沢グループの中核とは言えず、グループ内からも「広がりに欠ける」と冷ややかに見る向きがある。
 内山氏は28日の記者会見で、元代表から離党については理解を得られたと説明し、「『君は頑固だからなあ』と言われた」と明かした。
 しかし、民主党内での復権を期す元代表の基本戦略にはそぐわないとの指摘もある。今回の集団離党で野田政権に打撃を与えた点では元代表にとってプラスになるが、来秋の代表選に向けて党内の票を固めるうえではマイナスになるからだ。
 実際、元代表は21日に国会議員106人を集め、自らを会長とするグループの統合勉強会を設立したばかりで、党内から「代表選にに向けた布石だ」との見方が広がっていた。元代表は最近、野田政権の環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加や消費税増税方針などに不満を募らせるグループ議員らと頻繁に会食し、「今は動く時期ではない」と離党を急がないように自重を促してきた。
 このため、元代表側近は「今回の動きは小沢氏主導ではない。どうしても納得できない若手の受け皿を作るのを手伝っただけで、渋々の『黙認』だ」と解説する。
(2011年12月29日10時39分 読売新聞)
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離党、更なる追随者の可能性/「大地・真民主党」に松木謙公・石川知裕・浅野貴博・横峯良郎・平山誠氏2011-12-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

“武器輸出国”“死の商人”になった/日本の技術を組み込んだ武器流出の懸念/「平和国家」の理念、骨抜きに

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武器輸出緩和 憲法の理念が骨抜きに
信濃毎日新聞 12月28日(水)
 憲法が掲げる「平和国家」の理念が骨抜きにされかねない状況になった、と認識するべきだろう。
  政府は、これまで国是としてきた「武器輸出三原則」を見直し、事実上の禁輸政策を大幅に緩和する新しい基準を了承した。これほどの政策転換は、三原則が確立して以来初めてのことである。
  “武器輸出国”になったことを国際社会に表明したことで、日本がテロや紛争に巻き込まれる危険性がより高まった。
  日本の行方にかかわる問題なのに、国民的な議論をすることもなく、前のめりで決定した野田佳彦内閣をはじめとする民主党政権の姿勢は問題だ。原則の見直しは容認できない。
  三原則は▽共産圏諸国▽国連で決議された武器禁輸国▽紛争の当事国―への武器輸出を禁じた政策である。1967年、当時の佐藤栄作首相が国会で表明し、その後全面禁輸となった。
  この政策は国会決議や法制化には至らなかった。このため、米国への武器技術供与やミサイルの日米共同開発など、見直しが迫られる状況になるたびに官房長官談話を発表する形で、個別に例外扱いしてきた経緯がある。
  今回の見直しは、格上げされた禁輸政策が葬られたことを意味する。まず、平和貢献や国際協力における防衛装備品の「海外への移転を可能にする」と明記した。国際共同開発・生産については安全保障面で協力関係があり、日本の安全保障に資する場合にその国と実施する、と決めた。
  どちらも日本の同意がない目的外使用や第三国への移転を禁じ、厳格な管理が行われることを前提としている。
  けれど、具体的な管理の仕方まで踏み込んでいない。約束が守られる保証はない。武器輸出の条件として平和貢献や国際協力を掲げているが、いかようにも解釈できる内容であり、心もとない。
  なし崩しで武器輸出が拡大したり、第三国へ渡ったりする可能性が否定しきれない。その武器が使用されることで日本が敵とみなされる恐れもある。
  武器輸出を国民が監視できる仕組みが必要だ。野田政権は責任を持って提示するべきだ。
  日本を取り巻く安保環境が大きく変わるというのに、民主党政権は米国の圧力に押される格好で、突っ込んだ議論もせずに見直しを決めている。憲法との整合性が問われる問題を軽々に扱う政治姿勢は理解に苦しむ。
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[武器輸出三原則] 緩和には流出の懸念も
南日本新聞社(12/29付)社説
 政府は、日本の防衛政策の基本である武器輸出三原則に基づく事実上の禁輸政策を大幅緩和し、国際共同開発・生産への参加と平和構築・人道目的での装備品供与を解禁する新基準を決定した。
  米国などわが国と安全保障面で協力関係のある国を対象に、防衛装備品などの国際共同開発・生産を進めていくことで最新の防衛技術を獲得して防衛産業の生産技術基盤を維持・高度化するとともに、コスト削減を図ることが主眼である。
  藤村修官房長官は、憲法の掲げる平和国家の理念や三原則は堅持するなどとした談話を発表した。だが、日本の防衛政策を大きく転換しようというのに十分な議論が尽くされたとは言い難く、日本の技術を組み込んだ武器が紛争国に流出する懸念も残る。運用に当たっては慎重な管理が求められる。
  日本の武器輸出三原則は1967年、佐藤栄作首相が国会で(1)共産圏諸国(2)国連決議による武器禁輸国(3)紛争当事国−への武器輸出を認めないと発言したのが基本だ。その後76年には三木内閣が政府統一見解で、その他の国にも輸出を慎むことを決め、全面禁輸政策となった。
  だが、戦闘機などのハイテク装備では、米国が主導する形で80年代から共同出資や分業でコスト削減を図る国際共同開発が本格化していた。
  代表的な例としては米国、英国、オランダ、イタリアなど9カ国が参加する最新鋭ステルス戦闘機F35が挙げられる。政府は先にF35を航空自衛隊のF4戦闘機の後継機として選定したが、開発に参加しなかったため1機当たりの平均価格が6500万ドル(約50億円)と、他機種に比べ高額なのがネックだった。
  軍拡を続ける中国が既に第5世代ステルス戦闘機を完成させており、ロシアも開発を加速させる中で、日本の制空権を守るために最高性能の戦闘機が求められていた。今後は無人戦闘機の開発も行われる見通しで、日本が共同開発に参加すればより安価な調達が可能になる。
  政府は、共同開発の相手国に米国や北大西洋条約機構(NATO)加盟国などを想定しており、厳格な管理で第三国などへの流出を防げるとしている。ただ、日本が共同開発に参加した武器を、米国などが戦争で使用する可能性は否定できない。共同開発に際しては、日本の事前同意なく目的外使用ができないようなルール作りも進めておくべきだ。
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武器輸出三原則:大幅緩和 事実上の大転換 国民的議論ないまま
 政府は27日、武器輸出三原則の大幅緩和を発表。国際協力目的での防衛装備品の他国への供与▽友好国との武器などの共同開発−−を幅広く解禁した。個別案件ごとに「例外」を設けていた従来の緩和方法を超え、事実上の三原則の転換に踏み切った。政府は、先端防衛技術の欧米との共有や、開発・生産コスト削減などのメリットを強調する。だが、公開の場での十分な議論のないまま、平和国家・日本の理念である三原則を一気に緩和したことへの批判の声も上がっている。
 三原則による武器禁輸政策のため、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に選んだF35など、新型兵器の共同開発に、日本はこれまで参加できずにいた。単独で開発してもコスト面で太刀打ちできず、機密情報保持のため、部品生産から外されるリスクもある。防衛省幹部は「いずれやらねばならなかった」と緩和を評価。今後、米国のほか豪州、北大西洋条約機構(NATO)加盟国との共同開発の道が開けるとみる。
 国内の防衛メーカーからも「生産・技術基盤の維持・高度化につながる」(三菱重工業)など、歓迎のコメントが相次いだ。
 また、国連平和維持活動(PKO)などの任務を終えた自衛隊が、従来、武器とみなされ他国に提供できずにいた、建設重機や防弾チョッキなどの装備品を支援国に渡せるようになる。自衛隊幹部は「日本の国際貢献度が増す」と話す。
 野田政権は、年明けに予定していた公式訪米前の緩和表明を目指し、政府内での議論を加速。訪米は延期となったものの、内閣支持率の低迷を受け「野党が攻勢を強める前に」と、決着を年内に前倒しした。しかし、防衛、外務、経済産業3省の副大臣級による11〜12月の非公開協議はわずか3回。公開の場での検討は皆無で、防衛省からは「国民的議論なしで大丈夫か」(幹部)との懸念が漏れる。
 共同開発推進を主張してきた自民党は、緩和を容認する構えだ。しかし、共産、社民のほか公明党も「共同開発の武器が紛争国に輸出されれば、日本は『死の商人』にみられる」(斉藤鉄夫幹事長代行)と強く反発。紛争国への流出防止策を「一概に言えない」(内閣官房)と具体的な説明を避けるなど、議論の生煮えぶりも目立つ。見切り発車で緩和を決断した野田政権への批判は避けられそうにない。【朝日弘行、寺田剛、鈴木泰広】
毎日新聞 2011年12月28日 東京朝刊
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日本が武器輸出三原則を緩和も、「日中が戦争することはない」
サーチナ 2011/12/29(木) 16:00
  日本政府が27日、武器輸出三原則の大幅な緩和を認めたことについて、中国の環球時報は、日本の軍事復興の明らかな兆候であり、日本が平和国家理念を離脱するのではないかと中国世論は心配していると報じた。しかし、日本JCC新日本研究所の庚欣副所長は、「日中関係の発展における小さなエピソードの1つにすぎない」と述べた。以下は同記事より。
■日中関係
  ここ数年、日中関係にはいざこざが絶えなかったが、いがみ合いながらも大事には至らなかったのには2つの理由がある。1つは、両国とも平和・反戦を日中関係の政治的基礎としていることで、「日中は再び戦争することはない」という思いは深く人びとの心に染み込んでいる。米中間は台湾問題ゆえに、日米間は安保ゆえに武力に訴えるということがあるかもしれないが、日中間にはその心配がない。
  今回の野田首相の訪中は、暗たんとしていた日中関係に一筋の光を与えた。金正日総書記の死を引き金とした北朝鮮問題は、日中間の共通の関心事であり、両国の共通認識を強化した。朝鮮半島に対する認識と利益という面では、日本は米国よりも中国寄りなのだ。
  2つ目の理由は、経済協力を通して相互依存を深めていることだ。日本にとって中国は今でも輸出入ともに第1位の国であり、日本の対中貿易額は毎年2300億ドルに上る。これは米国と比べて2倍以上の数字だ。平和が日中間の政治的基礎と言うなら、これらの経済データは日中関係の経済的基礎と言える。野田首相の訪中で国債の相互購入を決めたことは、外貨準備資産を分散し、人民元の国際化を促進するものであり、両国の利益にかなった建設的な措置だ。
  もちろん、日中関係は複雑で、民間の温度もまだまだ低いが、それでも熱い敵意よりはましであろう。日中関係には現在、大きな障害はないものの、時おり報道されるマイナス面のニュースが日中関係に与える影響は大きいため、2012年は日中国交正常化40周年であり、この機会を大いに生かすべきだ。(編集担当:及川源十郎)

民主党 辻恵議員の緊急記者会見

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<来栖の独白>
 時事通信の以下の記事に対する「民主党辻恵議員の緊急記者会見」(於.港合同法律事務所=安田好弘弁護士)。
 辻恵議員(弁護士)は、小沢一郎グループ。極めて政治的な意図を感じさせる地検の動き。
.........
民主・辻議員に資金トラブル=弁護士業務めぐり訴訟−周辺関係者を聴取・東京地検
 民主党の辻恵衆院議員(63)(大阪17区)が弁護士として行った業務をめぐって、資金トラブルが起き、訴訟に発展していることが27日、分かった。融資金を回収できなくなった大阪市の会社が、「担保を確保できるという辻氏の説明にだまされた」として、約1億9000万円の賠償を求め東京地裁に提訴。来年1月に判決が予定されている。
 東京地検特捜部も、トラブルをめぐる資金の流れに関心を示しており、周辺関係者から事情を聴くなど、慎重に解明を進めているもようだ。
 辻氏は時事通信の取材要請を受け記者会見し、「私にだます動機はない。全く事実無根の話だ」と述べた。
 原告側の訴訟資料によると、辻氏は2007年、都内の不動産会社の代理人として、東京・六本木のビルに関する仮処分を申請した際に、5億2620万円を法務局に供託した。
 原告の貸しビル会社「永和実業」(大阪市)と辻氏は08年8月、この供託金の払い戻しを受ける権利を担保とする契約を締結。永和側はこれを受け、09年9月までに計1億6400万円を、辻氏が代理人の不動産会社に融資した。供託金の払い戻し権を確実な担保とするには、担保設定したことを法務局に通知する必要があったが、辻氏は通知しなかった。
 一方、辻氏は09年5月、供託金を出した医薬品会社から返還を求める訴訟を起こされ、同年11月、永和実業に無断で、供託金払い戻し権をこの医薬品会社に譲渡して和解。このため永和側は担保を失い融資を回収できなくなり、利息を含む融資金の賠償を求め、同12月に辻氏を提訴した。
 辻氏は裁判で「担保設定の契約を結んだ事実はない。永和実業が不動産会社に融資をした証拠もない」と反論している。(時事通信2011/12/27-21:13)


小沢一郎裁判/三権協調・菅政権の有力閣僚・国家権力に寄生する巨大メディア・・・によって

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平野貞夫の「永田町漂流記」
「日本一新運動」の原点(88)── 去年今年(こぞことし) 明星を待つ まつりごと

 平成23年は、菅首相による小沢一郎民主党元代表を政界から排除する動きから始まった。2月27日、民主党役員会は小沢元代表を「党員資格停止」とした。まったく根拠のない理由であった。小沢元代表が、検察審査会から強制起訴されたことを、我が身のためだけの政権維持に、菅首相が利用したのである。この背後には、「小沢を排除すれば長期政権が可能だ」と囁く頭の悪い評論家や、新聞記者たちがいた。
 政治的見識と判断力に欠ける菅首相は、やがて袋小路に陥る。在日韓国人からの違法献金問題を指摘されて、誰もが退陣必死と思った数時間後、東日本大震災と福島第一原発事故が発生する。菅首相は、これで政権維持は可能と内心ほくそ笑んだとたん、国民は、菅首相の統治能力のないことに国家危機を感じ取り、数ヶ月後には退陣を余儀なくされた。
 後継の野田佳彦首相は、人事では「挙党態勢」をつくったかに見えたが、政策は菅政権をさらに悪く継承した。政権交代の総選挙で国民に公約した政策だけでなく、理念すら放棄した。その政治目標は、悪霊に取り憑かれたようになって「消費税増税」を強行しようとしている。このまま突き進めば、世界恐慌の入り口で、国民の生活を破壊し、国家財政をさらに悪くする。その前に民主党そのものを崩壊させるであろう。
 そういえば、野田首相の背後霊に当たる元首相が「野田首相は、消費税増税が出来なきゃ、政界再編の方がましだと考えている。それが野田首相の生きる最適の道だろう」と漏らしたとの噂を耳にしたが、どうやら野田首相を狂わせているのは財務省だけでもないようだ。
 どうしようもなく暗くて不透明な日本の政治の世界に、明けの明星が射し始めた気がする。それは、12月21日(水)に発足した民主党の政策勉強会「新しい政策研究会」(略称・新政研)である。小沢一郎元代表を会長として、「一新会」「北辰会」、「参議院小沢グループ」が統合し、他のグループからも、指導的立場にいる議員が多数参加したとのこと。民主党国会議員の3分の1を超える136人でのスタートだが、「年明けには更に増える」との情報も届いている。消費税に反対するだけではなく、政権交代の歴史的意義を再確認し、国民との公約実現に最大限の努力をしようというのだ。民主党を立て直し、「真正民主党」を創造すべきだ。
 最も重要なことは、「国民の生活が第一」とは単なるスローガンではないという認識である。単なる選挙用のキャッチフレーズと思っている民主党国会議員がいるなら、直ちにその職を辞すべきである。『国民の生活が第一』とは、「マネーゲーム資本主義」に対峙する、新しい資本主義のイデオロギーである。21世紀では、国民の生活を第一にする市場経済社会を創造しなければ人類は生きていけないのだ。136人の「新しい政策研究会」とは、「国民の生活第一党」といえる。マネーゲーム党とか、既得権益党との理念や政策の違いを明らかにすれば、日本の否、世界の夜明けの明星となることができると確信する。
■小沢裁判は民主政治に対する挑戦だ!
 10月6日(水)、小沢氏は陸山会事件の初公判で「検察の不当な捜査で得られた供述調書を唯一の根拠にした検察審査会の誤った判断に基づくものに過ぎない。この裁判は直ちに打ち切るべきだ」と主張した。その後の裁判で、小沢氏の主張どおりのことを、現・元職検事が証言している。いかに検察・司法という国家中枢権力が腐敗し、民主社会を支えることが出来なくなっているか、驚くばかりだ。
 12月16日(金)の第10回公判で、元検事・前田恒彦氏(村木事件で証拠を改竄したとして実刑が確定)は、陸山会事件で東京地検に応援入りしたとき、主任検事から「この件は特捜と小沢の全面戦争だ。小沢を挙げられなかったら特捜の負けだといわれた」とか、「特捜部長の頭の中では、胆沢ダム工事で各ゼネコンから小沢側にいくらかが渡った、という筋を描いていた。水谷建設が裏金提供を認めた5千万円以外の話を出せとの捜査方針に、現場の検事らは(裏金の)話は全然出ず、立件は難しいと考えていて、だいぶ疲弊していた」とか、「小沢氏の立件に積極的だったのは、佐久間部長・木村(主任)検事、大鶴東京高検次席検事ぐらいで、特捜部の捜査は見立て違いで問題があった」という趣旨のことを証言し空恐ろしい捜査の実態をあからさまにした。
 この前田元検事の証言は、私がかねてから主張してきた「政権交代阻止のため、麻生自民党政権が仕組んだ政治捜査で、当時の森英介法務大臣の指示による政治弾圧である」を証明するものである。
 さらに、前日15日(木)の第9回公判では、検察側の捜査報告書の「捏造」が明るみになった。証人として出頭した元東京地検特捜部所属の田代政弘検事が、元秘書・石川知裕議員の保釈後に任意聴取し、捏造した捜査報告書を佐久間特捜部長に提出していたのである。田代検事は石川氏が発言していないことを捏造して、小沢氏が「虚偽記載」に共謀したとの傍証としようとした。石川議員が録音したテープを公開して判明したものであり、田代証人は「記憶が混同していた」と誤りを認めた。
 この田代検事の虚偽報告は、検察審査会が小沢氏を強制起訴した決定的資料となったもので「小沢裁判」の存立に関わる証言だった。
 また、第11回公判では、筑波大学の弥永真生教授(会計学の権威)が、政治資金収支報告の記載、いわゆる「期づれ問題」について証言。不動産取得の計上時期について「土地の引渡時期を外部から確認できる登記時を基準とすべき」と証言し、本登記前に代金を支払っても「前払いに当たる。記載義務はない」とも証言した。これであれば、元秘書・石川氏らの会計処理は「虚偽記載」にあたらないことになる。
 これらの裁判の経過から、多くの国民は小沢元代表は無罪だと確信するようになった。裁判の場で、直接担当した検察官が、これだけ証言することも異例なことだ。世界の先進国なら、ここまでくれば「裁判は打ち切るべきだ」との主張が、法律家や有識者から出てくるのが常識だが、我が国では巨大メディアほど逆の動きをして、相も変わらず「小沢有罪」の合唱が止まない。情報によれば、最高裁事務総局と法務省当局は極秘に「小沢有罪」の工作を画策しているとのことであり、十分な監視が必要である。
 昭和9年、我が国の戦争体制を推進するために、軍部と司法省首脳が共謀した「検察ファッショ―帝国人絹事件」は、公判で当時の警視庁総監・藤沼庄平が「起訴は、司法省の行政局長の塩野季彦らが内閣倒壊の目的をもって仕組んだ陰謀だった」と証言したことから真相が判明し、16人の被告は全員無罪となった。あの帝国憲法の時代にさえ、国家社会の正義を護ろうとする武士(もののふ)がいたのだ。
 世界に誇るべき民主憲法を持つ我が国で、検察・裁判所が政治捜査と政治弾圧を一体となって行うことに怒りを憶える。さらに、国家権力に寄生して税金による意見広告費で生存するようになった巨大メディアが、社会の木鐸たることも放棄して、その刃を国民に向ける。こんな社会に民主主義は存立しない。せめて裁判所だけでも若干の正義が残っていると信じていたが、それも無いものねだりであった。
 「小沢裁判」は、政治捜査とはいえ検察が不起訴としたものだ。それを検察審査会が強制起訴したことによる。そこにいたる経過は森ゆうこ参議院議員の活躍と、市民の努力で真相が明らかになりつつある。それよりも、問題は最高裁事務総局にあるとの情報が寄せられている。小沢氏を強制起訴した「第5検察審査会」で、審査員が選ばれたといわれる経緯。どう審査が行われたのか、特捜から不起訴の説明があったのか、謎だらけだ。
 最高裁事務総局には、聖地にふさわしくない不詳事問題を持っていることは、かつて参議院で森ゆうこ議員が明らかにした。信用できる情報によると、菅政権の有力閣僚が第5検察審査会の補助弁護人の選任に関わり、小沢氏の強制起訴の伏線を敷いたということだ。それを成功させるには、検察審査会を指導・掌握する最高裁事務総局との裏の協力が欠かせない。陸山会事件の政治捜査も民主政治を破壊する不祥事だが、小沢氏を強制起訴するに至った政治権力と司法権力の談合疑惑も究明されなければならない重大問題だ。
 我が国は政策不況と大震災・原発事故により、多くの国民の暮らしが危機に直面している。消費税増税となれば、生活の危機は極限となろう。
 さらなる危機がもうひとつある。それは社会正義を確立すべき司法権、最高裁を頂点とする裁判所が不正常となったことだ。このままで果たして国民が安心して暮らせる社会正義と秩序が維持できるのか、という危機である。九月二十六日の東京地裁の登石判決が典型的な例証といえる。
 私は参議院議員12年間のうち、11年近くを法務委員会に所属して、司法改革に尽力してきた。それがまったく徒労に終わったことが悔しい。その思いを胸に置き、年明けには登石裁判官の訴追請求を行う予定である。 投稿者: 平野貞夫 日時: 2011年12月26日 23:24
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小沢排除は三権協調して行われた/森英介元法相「小沢事務所の大久保秘書逮捕=あれは私が指示した事件だ」2010-10-11 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏裁判/弁護側、虚偽の報告書を根拠にした起訴議決は無効だとして報告書証拠申請へ2011-12-25 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏裁判 第11回公判 「虚偽記入にはあたらない」弥永真生筑波大教授(商事法)の証人尋問2011-12-21 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏裁判/国民の代表である政治家と「全面戦争する」と言う特捜=国民主権を認めない組織〈検察〉2011-12-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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小沢一郎氏裁判 第10回公判〈前〉/前田恒彦元検事「上司から『特捜部と小沢の全面戦争だ』と言われた」2011-12-16 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
田代政弘検事 ウソの捜査報告書作成=検察審査会「起訴相当」議決に影響/小沢一郎氏裁判 第9回公判2011-12-16 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア

橋下流ポピュリズムとバッシング/大阪の現象を出現させた背景/巨大な無責任への転落の可能性を内包

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小泉氏に重なる橋下流 ポピュリズムとバッシング 改革か独裁か
中日新聞2011/12/27Wed.【論壇時評】金子 勝
 11月27日に行われた大阪府知事と大阪市長のダブル選挙において「大阪維新の会」が圧勝した。この結果をめぐって正反対の評価が生じている。
■大阪都構想の是非
 維新の会代表である橋本徹新大阪市長のブレーンである堺屋太一は、「“橋下改革”こそ日本の救い」(『Voice』1月号)において、「いまや日本は、『第3の敗戦』ともいえる苦境にあり、発想と体制の大転換が必要」と主張し、「『大阪都構想』が『日本を変えるきっかけになる』可能性がある」と述べる。堺屋は、「大阪府議会に上程されている大阪府教員基本条例、同職員基本条例」は、「勤務成績不良の教員、職員は解雇を含む処分を可能にする条例である。まずこれだけでも、日本の教職員や公務員の雇用制度は大変化しそうだ」と述べ、さらに「大阪都構想」は「大阪府と大阪市との権限争議と二重行政とは、『不幸せ(府市合わせ)』といわれる長年の病弊である。大阪都構想は、それを体制の変革で解決しようとするものだ。そんなことが『選挙』を通じて住民の意志で行われるのは、日本史上はじめてだろう」と持ち上げる。
 これに対して、松原隆一郎「『橋下徹総理』という悪夢」(『文芸春秋』1月号)は、「橋下氏の『既存の制度を批判して“ぶっ壊す”』という手法は、小泉純一郎元首相とそっくりです。手段に過ぎない制度いじりを、選挙で勝つための1つの道具にしています」と指摘する。
 松原は、「市役所の職員を“抵抗勢力”に仕立て上げ」、「市役所職員の質を上げる仕組みを作るべきなのに、首にすると脅すばかり」と橋下を批判する。「公務員の人数を減らしたら景気が良くなる」と橋下はいうが、「公務員の数と景気の良し悪しには直接の因果関係」はなく、「給与が下げ止まらない民間企業に勤めている有権者は、公務員叩きに溜飲を下げる」が、やがて「小泉改革以降の雇用流動化に拍車がかかり、サラリーマンも平気でクビにできるようになりかねません」。維新の会が提案する教育基本条例も同じで、「ただ首を切るならば間違いなく(教育の質は)下がります」という。そして、大阪都構想も橋下氏は「『大阪都』になれば経済成長する」と繰り返すだけで、「一向に中身が良く分らない」と批判する。
 たしかに、単純化されたフレーズを繰り返す橋下の姿は、“抵抗勢力”を作り上げ、米国流金融自由化に追随して「郵政民営化こそすべての改革の突破口だ」と連呼した小泉元首相の姿と重なる。
 ところが、大阪都構想などの政策には、日本経済の「失われた20年」をどのように克服していけるのかという具体的な道筋についてほとんど説明がない。残るのは、バッシングとポピュリズムの政治手法だけであり、それを煽る大手メディアである。
■「独裁」の教訓とは
 それゆえにこそ、「『今の日本の政治で1番重要なのは独裁』という(橋下の)発言は、彼の危機意識の鋭さを表現したものだ」が、「他方で、彼の政治意識の根幹にある危うさを示すもの」であるという野中尚人の指摘を無視できない(「橋下徹の圧勝で大阪府民は幸せになるか」=『中央公論』1月号)。野中は続けて、「単独の人間が勝手な意思決定を続ける仕組みは、結局は大きな失敗に終わっている。それが人類の過去の経験であり鉄則だ」と警告する。
 野中は直接言及していないが、こうした警告の背後に思い浮かぶのは、戦前ドイツのブリューニング政権が大恐慌への対処に失敗し、ベルサイユ体制下の賠償支払いが重荷になる中で、バイエルンの地域政党に閉じ込められていたナチスが、議会選挙を通じて国政を掌握していったという史実である。もちろん、今すぐファシズムがやって来るなどと言うつもりはない。問題は、こういった類の政治しか出てこない日本の状況にある。
 不良債権処理問題、イラク戦争、小泉「構造改革」、原発事故と、これだけ大きな失敗が続いているにもかかわらず、失敗の総括が一切なく、誰一人として責任をとっていない。民主党政権の政策が自民党に似てきて、政権交代の意味が失われ、二大政党制が機能しなくなっている。そして知識人たちは「たこ壺化」して批判的言説は後退し、人々は強いリーダーシップを求め、ポピュリズムとバッシングの政治が横行してしまう。
■丸山真男の分析
 丸山真男は、1961年に『日本の思想』(岩波新書)で、戦前の体制について「決断主体(責任の帰属)を明確化することを避け、『もちつもたれつ』の曖昧な行為関連(神輿担ぎに象徴される!)を好む行動様式が冥々に作用して」おり、国体における「臣民」の「無限責任のきびしい倫理は、このメカニズムにおいては巨大な無責任への転落の可能性をつねに内包している」と書いた。つまり、戦前の体制は責任の帰属が曖昧で、巨大な無責任につながるメカニズムになっていたと分析している。
 残念ながら、この文書は今の日本の政治、社会にもそのまま当てはまる。それが大阪の現象を出現させた背景と言えるかもしれない。戦後の66年間とは一体何だったのだろうか。いま一度、深く噛みしめてみなければならない。(かねこ・まさる=慶応大教授、財政学)
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橋下大阪市長:「都構想」「組合是正」柱に施政方針演説
 大阪市の橋下徹市長は28日、市議会で施政方針演説に臨み、「大阪都構想」の実現と「職員組合の是正」を2大方針に掲げた。大阪府と大阪、堺両市の首長と議員らでつくる「大阪都構想推進協議会」の設置条例案を、来年2月市議会に提案する考えも表明。「大阪から日本を変えていく」と、都構想実現へ強い決意を示すとともに、地方自治制度について国に改革を求めた。
 橋下市長は「『府市100年戦争』に終止符を打ち、大阪新時代の幕を開く」と述べ、松井一郎知事との連携を強調した。府と市が一体運営する新組織「大阪府市統合本部」は「府市の類似事業の仕分け、広域行政の一元化を行う」と説明。港湾、水道、病院などの一体運用、市営地下鉄・バスの民営化を進め、市役所は住民サービスに徹してスリム化を図る方針を示した。
 市役所改革では、区長に予算や人事などで大きな権限と財源を与えると明言。来年4月から4年間の任期で全国公募している24区長について、成果を出さなければ罷免するとし、「公務員の絶対的身分保障に挑戦していく」と語った。
 補助金や福祉サービスについては「特定の団体や市民への既得権となって固定化されている。既得権を破壊することが私に与えられた使命だ」として、市の事業をゼロベースで見直す考えを示した。
 職員組合を巡っては今月26日、市営バスの営業所内で組合が政治活動をしていたことが発覚。これを受けて橋下市長は演説にこの問題を加え、「庁舎内での政治活動は許されない。組合を徹底的に是正していくことで日本全国の公務員組合を改める」と述べた。
 国と地方の役割分担にも言及し、「国と地方それぞれが決定した施策は、自らで権限と財源と責任を持つ。これが目指すべき国のかたちだ」と持論を展開した。
 同日の市議会では、橋下市長の給与を3割、退職金を5割それぞれカットする特例条例も成立した。【小林慎】毎日新聞 2011年12月28日 20時47分(最終更新 12月28日 21時07分)
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「橋下徹・大阪維新の会」圧勝/パンとサーカスで大衆を煽動するポピュリズム/光市事件懲戒呼びかけ2011-11-29 | 政治
 政党政治が崩れる〜問責国会が生む失望感===透けるポピュリズム
論壇時評 金子勝(かねこ・まさる=慶応大教授、財政学)2011/02/23Wed.中日新聞
 歴史の知識を持つ人にとって、今日の日本政治には政党政治が崩壊する臭いが漂っている。約80年前の大恐慌と同じく、今も百年に一度の世界金融危機が襲っており、時代的背景もそっくりだ。
 保坂正康「問責国会に蘇る昭和軍閥政治の悪夢」(『文藝春秋』3月号)は、昭和10年代の政治状況との類似性を指摘する。
 保坂によれば、「検察によるまったくのでっち上げ」であった「昨年の村木事件」は、財界人、政治家、官僚ら「16人が逮捕、起訴された」ものの「全員無罪」に終る昭和9年の「帝人事件」とそっくりである。それは「検察の正義が政治を主導していく」という「幻想」にとらわれ、「いよいよ頼れるのは軍部しかいないという状況」を生み出してしまった。
 ところが、「民主党現執行部」は「小沢潰しに検察を入れてしまうことの危険性」を自覚しておらず、もし小沢氏が無罪になった時に「政治に混乱だけが残る」ことに、保坂は不安を抱く。さらに「問責決議問題」は「国家の大事を政争の具にした」だけで、「事務所費問題」も、国会を「政策上の評価ではなく、不祥事ばかりが議論される場所」にしてしまった。
 保坂によれば、「最近の政党が劣化した原因」は「小泉政権による郵政選挙」であり、その原形は「東条内閣は非推薦候補を落とすため、その候補の選挙区に学者、言論人、官僚、軍人OBなどの著名人を『刺客』としてぶつけた」翼賛選挙(昭和17年4月)に求めることができるという。そしてヒトラーを「ワイマール共和国という当時最先端の民主的国家から生まれたモンスター」であるとしたうえで、「大阪の橋下徹知事」が「その気ならモンスターになれる能力と環境があることは否定できない」という。
 保坂とは政治的立場が異なると思われる山口二郎も、「国政を担う2大政党があまりにも無力で、国民の期待を裏切っているために、地方政治では既成の政治の破壊だけを売り物にする怪しげなリーダーが出没している。パンとサーカスで大衆を煽動するポピュリズムに、政党政治が自ら道を開く瀬戸際まで来ている。通常国会では、予算や予算関連法案をめぐって与野党の対決が深刻化し、統治がマヒ状態に陥る可能性もある」(「民主党の“失敗” 政党政治の危機をどう乗り越えるか」=『世界』3月号)という。
 山口も同じく、「小沢に対する検察の捜査は、政党政治に対する官僚権力の介入という別の問題をはらんでいる。検察の暴走が明らかになった今、起訴されただけで離党や議員辞職を要求するというのは、政党政治の自立性を自ら放棄することにつながる」とする一方で、「小沢が国会で釈明することを拒み続けるのは、民主党ももう一つの自民党に過ぎないという広めるだけである」という。
 そのうえで山口は「民主党内で結束を取り戻すということは、政策面で政権交代の大義を思い出すことにつながっている。小沢支持グループはマニフェスト遵守を主張して、菅首相のマニフェスト見直しと対決している」と述べ、民主党議員全員が「『生活第一』の理念に照らして、マニフェストの中のどの政策から先に実現するかという優先順位をつけ、そのための財源をどのように確保するかを考えるという作業にまじめに取り組まなければならない」と主張する。そして「菅首相が、財務省や経済界に対して筋を通すことができるかどうか」が「最後の一線」だとする。
 しかし残念ながら、菅政権は「最後の一線」を越えてしまったようだ。菅政権の政策はますます自民党寄りになっている。社会保障と税の一体改革では与謝野馨氏を入閣させ、また米国の「年次改革要望書」を「グローバルスタンダード」として受け入れていくTPP(環太平洋連携協定)を積極的に推進しようとしている。小泉「構造改革」を批判して政権についたはずの民主党政権が、小泉「構造改革」路線に非常に近づいている。
 まるで戦前の二大政党制の行き詰まりを再現しているようだ。戦前は、政友会と民政党の間で政策的相違が不明確になって、検察を巻き込みつつ、ひたすらスキャンダル暴露合戦に明け暮れて国民の失望をかい、軍部の独裁を招いた。現在の状況で総選挙が行われて自民党が勝っても、政権の構成次第では様相を変えた衆参ねじれ状態になり、また野党が再び問責決議を繰り返す状況になりかねない。
 このまま政党政治が期待を裏切っていくと、人々は既存の政党政治を忌避し、わかりやすい言葉でバッシングするようなポピュリズムの政治が広がりかねない。何も問題を解決しないが、少なくとも自分で何かを決定していると実感できるからである。それは、ますます政治を破壊していくだろう。
 いま必要なのは歴史の過ちに学ぶことである。それは、たとえ財界や官僚の強い抵抗にあっても、民主党政権はマニフェストの政策理念に立ち返って国民との約束を守り、それを誠実に実行する姿勢を示すことにほかならない。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
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東日本大震災 公共が支えるとすれば、単純な減税策〈ポピュリズムの色彩〉でいいのか2011-04-01 | 政治 
  【二大政党へ失望感 ポピュリズムの色彩】
論壇時評 金子 勝 2011/03/30Wed.中日新聞夕刊
 東日本大震災が起きた。夥しい人が犠牲となり、街々の全てを津波がさらい、十万人もの自衛隊員が救助にあたり、そして原子力発電所が爆発して煙が立ちあがる。まるで“敗戦”直後の情景を見ているようだ。
 これまで、日本は不良債権処理、小泉「構造改革」など、何度も失敗を繰り返してきた。結局、規制緩和は新しい成長産業を生み出さず、金融自由化は世界金融危機に行き着き、貧困と格差は大きく拡大した。政治もまた壊れかけてきた。その間隙をぬって、地域政党が台頭している。地域政党は、公選による首長と議会という二元代表制の欠陥を突いて、いまや選挙を通じて地方議会を公然と攻撃するようになっている。
 実際、橋下徹・河村たかし「大阪・名古屋から国政に革命を われら地域政党が日本の政治を変える」(『文芸春秋』4月号)で、橋下と河村は機能不全に陥った地方議会のあり方を批判し、その改革論を展開しつつ強いリーダーシップの獲得を目指す。
 「大阪都構想」を掲げる地域政党「大阪維新の会」を立ち上げた橋下は、「有権者は地方議員から『あれをやる、これもやる』と聞いて投票する。当然何も実現できないから、政治不信になっちゃってるんですね」と地方議会を批判し、「地方議会にも予算編成権を渡して」「議会内閣制」を形成して「反対するだけの体質を変える」べきだとする。国政も、「小泉純一郎元首相みたいな、とんでもない人が出てこない限りは動かない。将来的には、首相公選制を導入する必要がある」という。
 一方、「10%減税の恒久化、選挙による地域委員会の全市拡大、市議報酬の半額カット」を掲げる「減税日本」を立ち上げた河村氏は、「国会も地方も議員が稼業化している」と批判し、「最終的には議員をボランティア」にし、「党議拘束」をなくすべきだという。
 この対談で、橋下が「既存の政党ではもう何も変えられない」ことに「みなさんが気付き始めている」と述べ、河村も「国民が政治にこれほど裏切られている」理由として「稼業化」を挙げ、既存政党への忌避感を公然と表明している。地域政党の台頭は、国政レベルにおける民主・自民の二大政党への失望感を背景としていることは疑いない。
 松谷満「ポピュリズムの台頭とその源泉」(『世界』4月号)は「2000年代以降は『新保守系首長の時代』が確かに到来している」という。実際、松谷の分析によれば、石原慎太郎や橋下徹は「ネオリベラリズムとナショナリズム」という「二つの政治的価値観をともに強くもつ人において」支持されている。
 だが、彼らが支持する理由は「政治的な理念・思想」「具体的な政策」ではなく、むしろ「語り口・本音の発言」「リーダーシップ・実行力」「組織・団体との対決姿勢」などのポピュリズム的要素が強い。しかし、その支持は不安定さを抱えている。「若者および政治家に対する不信の強い人びとをつなぎとめる」のは非常に難しく、彼らは「『ふつうの政治家』のようにふるまってはならないし、つねに何かしらのトピックによって期待と関心を集め続けなくてはならない」がゆえに、より挑発的な言動を続けなければならない宿命を持つ。
 後房雄「政権交代以後の迷走する二大政党と主張の反乱-2・6『名古屋・愛知の乱』は何をもたらすか」(『都市問題』3月号)によれば、「河村氏は、2大公約である減税や地域委員会を否決した市議会だからリコールだと主張している」が、「マニフェストにもなかった市議の報酬と定数の半減案」を否決させ、こうした挑発によって、「減税や地域委員会を否決しつつ高い報酬を維持しようとしている市議会、というイメージ」を市民に強く印象付るのに成功した。
 そして、河村氏は「名古屋市における政策の実現にはほとんど関心」を示さず、「関心を示したのは、議員報酬の半減、議会リコール運動、減税、地域委員会だけ」だという。まさにポピュリズムの特徴そのものである。
 東日本大震災の被災地の復興事業にはかなりの財源がいるが、現在、名古屋は国から地方交付税をもらっている。おまけに議員報酬半減で捻出される財源では、10%恒久減税を実施するにはとても足りない。しかも、減税は民間部門を元気にするというが、具体的プロセスは説明されない。いま私たちの社会は東日本大震災で未曾有の危機を迎えている。
 竹信美恵子「大震災で浮かんだ市場主義の危うさ『公共』の回復めざすきっかけに(『週刊金曜日』3月18日号)は、「地震報道のさなかの13日、名古屋市議選で、地域政党『減税日本』が第1党になった。だが、今回の大きな被害を公共が支えるとすれば、単純な減税策でいいのかとの議論も、出てくるだろう」という。竹信が言うように、今回の震災は「1980年代を起点に壊され続けてきた公共や安心の回復、社会連帯に目を向ける契機になる」ように「生かせなければ、日本社会が経済の低迷と社会不安のただなかに投げ込まれることは必至」だろう。
 (かねこ・まさる=慶応大教授、財政学)
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<来栖の独白>
 橋下氏個人の人生(先行き)について「まだまだお若いので、なかなかに苛酷なことになるのでは・・・」というのが、府知事に当選された時、咄嗟に浮かんだ私の感想であった。人の心は移ろいやすい。今は喝采を浴びておられるが(人心が離れ、ポストも追われたなら、そこからの人生が長く、苛酷ではないか・・・)、と余計なことを思った。まことに余計なことである。

離党届9人 新党「きずな」結成へ 代表に内山晃氏 幹事長に渡辺浩一郎氏

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離党届9人 新党「きずな」結成へ
NHKニュース12月31日 4時13分  
 民主党に離党届を提出した9人の衆議院議員は、年明けに発足させる新党について名称を「きずな」とし、代表に内山晃元総務政務官が就任することを決めました。
 民主党の小沢元代表に近い衆議院議員や鳩山元総理大臣に近い衆議院議員、合わせて9人は、野田政権が目指す消費税率の引き上げは、先の衆議院選挙の政権公約に反しており、容認できないとして、今月28日に離党届を提出しました。
 そして、政権公約の実現を旗印に、年明けに新党を結成するため、調整を進めた結果、新党の名称を「きずな」とし、代表に内山元総務政務官が就任することを決めました。また、幹事長に渡辺浩一郎氏、政策調査会長に斎藤恭紀氏、国会対策委員長に豊田潤多郎氏が、それぞれ就任する方向となりました。
 内山氏らは、今後、党の綱領や政策などについて調整を進めたうえで、年明けの来月4日に総務大臣に新党結成を届け出ることにしています。
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与党か野党か、民主離党者らの新党構想はや混乱
読売新聞 12月30日(金)10時7分配信
  民主党離党者らによる新党構想が、活動方針などを巡って混乱している。
 来年1月1日が基準日となる政党交付金の確保を念頭に、駆け込みで政党要件を満たすために必要な「5人以上」の所属議員集めを急いだことが影響しているとみられ、「新党を作るには準備不足だ」との指摘が出ている。
 民主党を集団離党した内山晃氏(千葉7区、当選3回)ら衆院議員9人は年明けの1月3日に集まり、同4日に新党結成を表明する方向で調整している。29日は中後淳(比例南関東、当選1回)、斎藤恭紀(宮城2区、当選1回)両氏らが国会内に集まり、新党設立に向けた事務作業を進めた。
 しかし、集団離党した議員の間からは「当初の想定と違う」と不満の声が上がっている。集団離党した9人のうち8人が小沢一郎元代表グループで、6月に民主党を除名された元代表側近、松木謙公衆院議員(北海道12区、当選3回)とともに新党を結成する段取りだったが、その思惑が外れたためだ。
 松木氏は28日、仮釈放中の鈴木宗男元衆院議員が代表を務める「大地・真民主党」に参加することが判明。松木氏は同夜、都内の居酒屋で離党議員の一部を集めて経緯を説明し、「統一会派を組むなど連携していこう」と理解を求めた。
 ただ、統一会派構想が実現するかどうかは不透明になっている。
 内山氏らは民主党に対し、「野党として是々非々」の立場で臨むとしている。
 これに対し、「大地・真民主党」代表の鈴木氏は29日、今後の活動方針について「与党の枠組みでやっていく」と述べ、内山氏らの新党とは統一会派を組まない意向を明らかにした。次期衆院選を考えれば、民主党や同党支持の連合の協力は不可欠との事情があるとの見方が出ている。
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民主党9人が離党届提出/斎藤恭氏も離党表明/小沢系[新しい政策研究会]の出席者一覧2011-12-28 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 野田政権に大打撃 民主、若手9人が離党届を提出
産経新聞 12月28日(水)10時28分配信
 野田佳彦首相が目指す消費税増税などに反発する民主党の内山晃衆院議員(57)=千葉7区=ら9人が28日午前、国会内で樽床伸二幹事長代行に離党届を提出した。内山氏らは、すでに党除籍(除名)となっている松木謙公衆院議員(52)=北海道12区=と年明けの新党結成に向けて連携する意向で、野田政権にとって大きな打撃となる。
 離党届を提出したのは、内山氏のほか、渡辺浩一郎(67)=比例東京▽豊田潤多郎(62)=比例近畿、斎藤恭紀(42)=宮城2区▽中後淳(41)=比例南関東▽石田三示(59)=比例南関東▽三輪信昭(69)=比例東海▽小林正枝(40)=比例東海▽渡辺義彦(55)=比例近畿の各衆院議員。9人は午後に国会内で記者会見する。
 党執行部は離党をとどまるよう慰留に務める方針。1月下旬に開かれる党常任幹事会で正式に対応を決める。
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◆鈴木宗男氏、新党「大地・真民主党」届け出
 民主党に離党届を提出した内山晃元総務政務官(千葉7区、当選3回)ら9人は28日、国会内で記者会見し、「来年のしかるべき時期に新党を作る。野党として民主党が正しい方向に行くよう是々非々で対応する」と述べ、年明けに新党を結成する考えを表明した。
 野田政権が進める消費税増税や環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加などに反発したことが離党の理由だ。内山氏は「国民と約束したマニフェスト(2009年衆院選政権公約)をほごにしている」と野田首相を批判した。
 民主党執行部は、年明けの役員会などで9人の離党を認める方針。党内の結束の乱れが集団離党に発展したことで、野田首相の政権運営への影響は避けられない情勢だ。
 一方、仮釈放中の鈴木宗男元衆院議員は28日、東京都選挙管理委員会に新党「大地・真民主党」の設立を届け出た。
 所属議員は、衆院議員が無所属の松木謙公(北海道12区、当選3回)、無所属の石川知裕(同11区、同2回)、新党大地の浅野貴博(比例北海道、同1回)の3氏。参院議員は、28日に民主党に離党届を提出した横峯良郎(比例、同1回)、無所属の平山誠(比例、同1回)の2氏だ。
(2011年12月28日20時48分 読売新聞)
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民主・横峯参院議員も離党 「一身上の都合」
J-CASTニュース2011/12/28 18:03
 民主党の横峯良郎参院議員(51)=比例区、1期=は2011年12月28日、離党届を出した。「一身上の都合」としている。28日には、消費税増税に反発して民主9衆院議員が離党届を提出しているが、この9人の動きとは関係ないという。横峯議員は、プロゴルファー横峯さくら選手の父としても知られる。

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関連;小沢系勉強会の出席者
 民主党の小沢一郎元代表を会長とする新勉強会設立総会の出席議員は次の通り。(敬称略、丸数字は当選回数)
 ◇民主
 〔衆院〕小沢一郎(14)、小沢鋭仁(6)、東祥三、川内博史、小林興起、原口一博、山田正彦=以上(5)、黄川田徹、伴野豊、松野頼久、三井辨雄、吉田治=以上(4)、内山晃、奥村展三(参(1))、神風英男、鈴木克昌、中塚一宏、仲野博子、樋高剛、松宮勲、和田隆志=以上(3)、太田和美、岡島一正、古賀敬章、階猛、辻恵、豊田潤多郎、中川治、橋本清仁、福田昭夫、松崎哲久、横山北斗、若井康彦、渡辺浩一郎=以上(2)、石井章、石田三示、石原洋三郎、石森久嗣、石山敬貴、今井雅人、大谷啓、大西孝典、大山昌宏、岡本英子、奥野総一郎、笠原多見子、金子健一、川口浩、川島智太郎、木内孝胤、菊池長右エ門、木村剛司、京野公子、熊谷貞俊、熊田篤嗣、黒田雄、小林正枝、坂口岳洋、菅川洋、瑞慶覧長敏、空本誠喜、高橋英行、高松和夫、田中美絵子、玉城デニー、中後淳、中野渡詔子、萩原仁、橋本勉、畑浩治、福嶋健一郎、水野智彦、皆吉稲生、三宅雪子、村上史好、柳田和己、山岡達丸、渡辺義彦=以上(1)
 〔参院〕尾立源幸、主浜了、広野允士(衆(1))、森裕子=以上(2)、梅村聡、大久保潔重、行田邦子、小見山幸治、佐藤公治(衆(2))、武内則男、田城郁、谷亮子、徳永エリ、友近聡朗、外山斎、中村哲治(衆(2))、西村正美、はたともこ、姫井由美子、平山幸司、藤原良信、室井邦彦(衆(1))、安井美沙子、米長晴信=以上(1)
 ◇新党大地
 〔衆院〕浅野貴博(1)
 ◇無所属
 〔衆院〕松木謙公(3)、石川知裕(2)、佐藤夕子(1)
 (時事通信2011/12/21-19:39)

日本の防衛政策の大転換 輸出3原則緩和の目的とは/日本の武器輸出緩和、北東アジアの軍備競争を加速

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日本の防衛政策の大転換 輸出3原則緩和の目的とは
サーチナ2011/12/28(水) 19:34
  日本政府は27日の安全保障会議で、武器輸出3原則の大幅な緩和を決めた。中国網日本語版(チャイナネット)は28日、日本の防衛政策が大転換したとし、輸出3原則が緩和された目的について考察する記事を掲載した。以下は同記事より。
  ◇防衛力アップ
  藤村修官房長官が公表した談話によると、米国、オーストラリア、北大西洋条約機構(NATO)加盟国との武器の共同開発・生産に日本が参与することが認められる。また平和、人道目的の武器供与が可能となる。
  一部では、財政赤字の大幅な悪化により、日本の軍事技術の発展に対する意欲は低下しているとの見方もある。財政赤字が対GDP比が200%というレベルに達したため、今年度の日本の防衛予算はわずか4兆6000億円という10年で最少額に抑えられた。日本の防衛用のハードウェア施設のコスト上昇は、政府に武器輸出3原則の緩和を再び検討させた主な要因である。
  今回の武器輸出3原則の緩和は、防衛請負業者に新たな市場を切り開き、政府の防衛予算の引き上げも後押しすると見られる。日本政府は先週、最新鋭ステルス戦闘機F35を大量に調達し、航空自衛隊の主力戦闘機とする方針を固めた。日本は向こう20年で208億ドルを投じる計画だが、武器輸出3原則の緩和により、日本の軍需企業はF35の共同開発とメンテナンスに参与し、コストを削減することができる。
  日本メディアは、武器輸出3原則の抜本的な緩和は初めてで、日本の防衛政策の大きな転換点になると見ている。(つづく 編集担当:米原裕子)
  ◇緩和の目的
  北京中国当代世界研究センターの楊鴻璽研究員は、日本の財政予算が緊迫状態にあり、輸出が低迷していることから、武器輸出3原則の緩和を考えるようになったと分析。実際、日本は不景気だが、世界的に見ればまだ多くの国より勝っている。10年堅持してきた武器輸出3原則の緩和には、非常に深い戦略に基づいた目的がある。
  日本の平和憲法には武器や軍隊などに対する厳しい制限が盛り込まれているため、今回の緩和を通して米国側の態度を探る一方で、既成事実を作りたい考えだ。米国はこのごろアジア回帰を目指しており、それには日本の力に頼らなければならない。日本は米国と東アジア問題において共同利益もあるが、長期にわたって米支配から脱却し、軍隊と政治の発言権を持つ国になることを望んでいる。
  米国は日本と東アジア問題で連携したい考えで、日本の軍事力の支えも必要としている。一方、日本はチャンスを捉え、現状を変えてゆっくりと正常な国家の道を歩もうとしている。
  また、楊鴻璽氏も次のように話す。日本の武器輸出3原則の緩和は周辺国、特に中国にとって喜ばしいことではない。日本の防衛支出は非常に大きく、技術と蓄えもあり、国外との協力を強化すれば中国への圧力が増すことになる。そのほか、中国と領土・領海争いのある国に武器が輸出されれば、中国の海外戦略策定における不安定要素となる。
  著名軍事評論家の宋暁軍氏は、武器輸出3原則の緩和の実現には非常に複雑な法的プロセスを踏まなければならないため、ずっと先のことになると見ている。実際、日本では決定までに数年もの話し合いが行われてきた。1976年にできた武器輸出3原則は法的拘束力を持たず、政府が採ってきた方針に過ぎない。(おわり 編集担当:米原裕子)
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日本の武器輸出緩和、北東アジアの軍備競争を加速
サーチナ 2011/12/31(土)13:18
  日本政府は27日の安全保障会議で、「武器輸出3原則」に基づく禁輸政策の大幅緩和に同意した。北東アジアの軍備競争を加速させるだろう。これについて、中国外交部の報道官は「日本地域の平和と安定と発展に建設的な役割を果たすことを希望する」と述べた。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。以下は同記事より。
  日本政府が武器輸出基準を抜本的に緩和したのは40年ぶり。新規定では、米国、豪州、北大西洋条約機構(NATO)諸国との武器共同開発・生産への参加、平和・人道目的の装備品の対外供与を認めた。日本政府の関係者は、これは武器輸出規制政策の「特例」と強調しているが、「武器輸出3原則」が有名無実になったことは間違いない。
  民主党は「自民党化」しつつあるとの声があがっている。政権を握って以来民生改善に関する公約を放棄し、外交・安全保障分野で自民党の果たせなかった「遺志」を次々と実現している。武器輸出禁令の緩和は前の2人の首相も考えていた。野田佳彦氏は前の2人の首相よりも防衛問題における態度が強硬だ。
  日本政府が共同開発の相手国を制限しているのは、紛争当事国又はテロ組織に武器が流れるのを防ぐためだ。武器の拡散をいかに阻止するかは難しい問題だ。
  日本と共同開発している米国はイスラエルと密接な関係にある。中東情勢が緊張すれば、イスラエルは米国に米日が共同開発する武器の購入を求めるだろう。そうした場合、日本はどうするのか?
  日本の武器輸出禁令緩和は、日本の防衛政策の重要な転換点となるだろう。「日本の安全保障と世界平和を守る」という2つの前提をあまりに曖昧(あいまい)で、多くの状況に適用できる。
  主要な軍事装備の国際共同開発に参加することが、日本の今後の主流となり、日本は平和国家の理念から離脱する可能性が高い。野田内閣の構成メンバーはまだ十分な議論を行っていないため、政策を打ち出すにしてはあまりに軽率という非難は免れないだろう。
  米国がアジアに重心を移す政策を推し進めるなか、日本がその先鋒になり、日本側も共同開発を名目に米国を利用するつもりだ。いずれにせよ、日本が武器輸出緩和でパンドラの箱を開いたことで、北東アジアの軍備競争は加速するだろう。(おわり 編集担当:米原裕子)

“武器輸出国”“死の商人”になった/日本の技術を組み込んだ武器流出の懸念/「平和国家」の理念、骨抜きに2011-12-29 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉 

 

みなさま御一人御一人のうえに幸いがありますよう

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ぼうごなつこさんの年賀用イラスト 

 この1年、弊ブログを御訪問くださいました皆様に、心よりお礼を申し上げます。弊ブログは、ネットという「みなも」に浮かぶうたかた、(泡のように)たちまち消えてゆくもの。ちっぽけな私の、手すさびにすぎません。儚いものです。
 が、世界を見ますれば、本年は、インターネットの力を実感させられたという気がしています。既存のメディアにとって代わる、情報収集、コミュニケーション、社会変革の力づよいツールであると実感しました。新しい年こそ、旧態依然とした官僚支配から、文字通り新しい何かが萌しますよう期待しています。

 みなさま御一人御一人のうえに幸いがありますよう・・・。感謝のうちに
                          2011年12月31日来栖宥子拝

オウム真理教元幹部平田信容疑者逮捕/23年12月31日午後11時50分頃、警視庁丸の内署に1人で出頭

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オウム・平田容疑者を大崎署に移送 取り調べ本格化
日本経済新聞2012/1/1 10:15
 警視庁は1日午前8時半ごろ、逮捕監禁致死容疑で逮捕した元オウム真理教幹部、平田信容疑者(46)の身柄を、出頭した同庁丸の内署(東京・千代田)から留置先の大崎署に移送した。同庁は同署内で、事件での役割や16年半に及んだ逃走の足取りなどについて同容疑者の本格的な取り調べを始める。
 平田容疑者は丸の内署のエレベーターを降り、駐車場に向かわされた。途中の通路に設けられた目隠しの仕切りの上からわずかに見えた茶髪の頭頂部は、染めてから時間がたっているためか一部が黒くなっていた。
 黒いセダンの後部座席に乗せられ、両脇を捜査員が固めて出発。平田容疑者はスモークガラスの窓の向こうでダウンジャケットを頭にかぶってうずくまり、表情はうかがえなかった。
 周辺の交通整理に警察官100人超が動員され、元日に似合わない物々しい雰囲気に包まれた。
 平田容疑者を乗せた車は約20分後に大崎署(同・品川)に到着。同署周辺も50人余りの警察官が交通整理などにあたった。通りかかった50代のタクシー運転手男性は「あのオウムの平田容疑者が捕まったのか」と驚いた様子で眺めていた。
 大崎署には、1995年2月に発生した目黒公証役場事務長、仮谷清志さん(当時68)の逮捕監禁致死事件の捜査本部が置かれている。
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96年2月以降、足取り途絶える=一時死亡説も、逮捕の平田容疑者
[時事通信社]2012年1月1日10時6分
 16年以上にわたる逃亡の末、警視庁丸の内署に出頭して逮捕されたオウム真理教元幹部平田信容疑者(46)。逃亡中の足取りはほとんど分かっておらず、警視庁は潜伏先や逃走資金の入手方法について本格解明を進める。
 捜査関係者などによると、平田容疑者は教団幹部から逃走資金として1000万円を受領。教団の女性信者=犯人隠避容疑で指名手配、時効成立=と行動を共にしていたとみられる。女性信者は1995年12月〜96年2月の約3カ月間、仙台市宮城野区の飲食店で働いており、同容疑者は店の従業員寮に潜伏していた可能性があるという。
 その後の足取りは途絶え、新宿青酸ガス事件に関与した元信者の男=殺人未遂ほう助罪で実刑=は、96年11月に埼玉県警に出頭した際、平田容疑者について「死んでいる」と話していた。
 警視庁は教団施設周辺での張り込みや、人混みで顔などの特徴から容疑者を捜す「見当たり捜査」などを継続。昨年、北海道に住む平田容疑者の母親が亡くなった際にも入院先や葬儀に捜査員を派遣するなどして行方を追っていた。
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公証役場事務長事件
 公証役場事務長事件 1995年2月28日、オウム真理教元代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)の指示を受けた井上嘉浩死刑囚や中川智正死刑囚らが女性信者の居場所を聞き出すため、兄の目黒公証役場事務長仮谷清志さん=当時(68)=を拉致、監禁した。平田信容疑者も関与したとされる。中川死刑囚が仮谷さんに全身麻酔剤を過剰に打って意識を失わせ、3月1日、山梨県の旧上九一色村の教団施設内で死亡させた。同死刑囚らは遺体を焼き、湖に捨てた。(時事通信2012/01/01-06:05)
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逃亡17年、平田容疑者「区切りつけたかった」
読売新聞 1月1日(日)6時44分配信
  1995年2月に発生したオウム真理教による目黒公証役場事務長、仮谷清志さん(当時68歳)拉致事件で警察庁に特別手配され、17年近くにわたって逃亡を続けていた平田信容疑者(46)が31日深夜、警視庁丸の内署に出頭、1日未明に逮捕監禁致死容疑で逮捕された。
 平田容疑者は「区切りをつけたかった」などと供述しているという。同庁は、逃亡中の足取りの解明を進めるとともに、現在も逃亡を続ける特別手配犯2人の所在についても事情を聞いている。
 同庁幹部によると、平田容疑者は31日午後11時50分頃、ダウンジャケットにジーパン姿で丸の内署に出頭。宿直の警察官に「平田信です。出頭しました」と告げたという。リュックサックには下着や着替え、シャンプーなどが入っており、所持金は数万円だった。髪は肩まで伸びていたが、変装はしていなかったという。同庁が指紋を確認したところ、平田容疑者と一致した。
 平田容疑者の逮捕容疑は、95年2月28日夕、東京都品川区上大崎の路上で、仮谷さんをレンタカーで拉致し、山梨県の旧上九一色村(現富士河口湖町)の教団施設に連れ込んで薬物を大量に投与し、翌3月1日に死亡させた疑い。
 調べに対し、「車を運転しただけだ」などと容疑を一部否認し、出頭した理由については「時間もたったので、一区切りつけたかった」などと説明しているという。
 平田容疑者は、95年3月19日に宗教学者が住んでいた杉並区のマンションに時限式爆弾を仕掛けた爆発物取締罰則違反の疑いでも、警視庁に指名手配されていた。
 平田容疑者は95年8月、名古屋市内で林泰男死刑囚(54)と会食していたことが確認されたのを最後に足取りが途絶えていた。警視庁は、平田容疑者が国松孝次・元警察庁長官銃撃事件についても何らかの事情を知っている可能性があるとみて、行方を追っていたが、銃撃事件は10年3月に公訴時効を迎えた。
 教団を巡っては、地下鉄サリン事件で特別手配されている菊地直子(40)、高橋克也(53)の両容疑者が現在も逃走を続けている。 最終更新:1月1日(日)10時6分
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平田容疑者を逮捕監禁致死容疑で逮捕 警視庁 
産経新聞 1月1日(日)5時10分配信
  平成7年2月の目黒公証役場事務長逮捕監禁致死事件などで特別手配され、12月31日深夜に出頭したオウム真理教元幹部、平田信容疑者(46)について、警視庁は1日早朝、逮捕監禁致死容疑で逮捕した。容疑内容や逃走ルートなどについて本格的な取り調べを始める。平田容疑者の逃亡は16年半に及んだ。
 平田容疑者は、教団への強制捜査を攪乱(かくらん)する目的で7年3月、教団に好意的だった東京都杉並区内の宗教学者の元自宅に爆発物を仕掛け、爆発させた事件でも、爆発物取締罰則違反容疑で警視庁公安部に指名手配されており、公安部は今後、立件する。
 平田容疑者は23年12月31日午後11時50分ごろ、東京都千代田区の警視庁丸の内署に1人で出頭。指紋などから本人と確認された。
 残るオウム真理教元幹部の特別手配犯は菊地直子(40)と高橋克也(53)=いずれも地下鉄サリン事件の殺人、殺人未遂容疑など=の2容疑者で、この2人の行方についても追及する。
 これまでの警視庁の調べによると、平田容疑者は、麻原彰晃死刑囚(56)=本名・松本智津夫=らと共謀し、目黒公証役場事務長の仮谷清志さん=当時(68)=から、教団を脱会しようとしていた仮谷さんの妹の居所を聞き出そうと計画。7年2月28日、品川区内の路上で仮谷さんを車で拉致し、教団施設(当時山梨県上九一色村)に監禁、麻酔薬を注射して死亡させた疑いが持たれている。拉致の実行犯の1人とみられている。
 また、22年3月に公訴時効が成立した国松孝次元警察庁長官銃撃事件についても事情を聴く方針。教団信者だった警視庁元巡査長が、現場に平田容疑者ら複数の教団幹部がいたと供述していたほか、周辺で平田容疑者に酷似した男の目撃情報が複数あった。
最終更新:1月1日(日)5時37分
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<来栖の独白2012/01/01 Sun.>
 この時の自首。「尊師」を始め死刑確定したかつての仲間の死刑執行を阻止するためかというのが、一報に接してまず私の胸に浮かんだ思いだった。厳しい捜査の眼を潜って、16年余も生きてきた。これからだって、逃げ遂せないなどとは考えていなかったろう。それを、「むざむざ」出頭した。
 昨年12月で、オウム真理教関連被告はすべて刑確定した。が、平田信氏の裁判が始まるとなれば、当局も、関係なしとして死刑執行するわけにもゆくまい。そのために、文字通り身を挺する挙に出たか。

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オウム中川被告「寝耳に水」=仮谷さん殺害示唆を否定―きょう上告審判決・最高裁
2011年11月18日15時6分
 オウム真理教による1995年の公証役場事務長仮谷清志さん=当時(68)=監禁致死事件をめぐり、教団元幹部中川智正被告(49)=一、二審死刑=が事件直後、殺害を示唆する発言をしたとされる問題で、中川被告は時事通信の取材に対し、「寝耳に水の話で全く事実ではない」と発言を否定する内容の手紙を18日までに寄せた。
 中川被告の上告審判決は午後に言い渡される。オウム事件の裁判は21日の元幹部遠藤誠一被告(51)=一、二審死刑=の上告審判決で終結する見通し。
 手紙は13日付で、手書きで便箋に3枚。元幹部井上嘉浩死刑囚(41)が今年8月、遺族に対し、中川被告が事件直後、「殺害できる薬物の効果を確かめようと点滴したら、亡くなった」と発言したと伝えたことについて、「真偽は別にして、井上君が彼なりの真実を述べるのであれば、ご遺族の方々の関心の高い内容だけにもっと早く話してほしかった」と不快感を示した。その上で「井上君が述べている話は、私の記憶とも実際にあったこととも違う」と改めて否定した。[時事通信社]
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オウム真理教:井上死刑囚が仮谷さん「殺害」示唆の手紙
 オウム真理教による東京・目黒公証役場事務長の監禁致死事件(95年)で、事件に関与した井上嘉浩死刑囚(41)側が、被害者の仮谷清志さん(当時68歳)の遺族に対し、事件が殺人だったことを示唆する手紙を送っていたことが分かった。遺族は「『告白』を機に、事件の真相を知りたい」と話している。
 仮谷さんの長男実さん(51)によると、井上死刑囚の話を家族が代筆した手紙で、今年8月に届いた。仮谷さんの死後、中川智正被告(49)=1、2審死刑=から「ポア(殺害)できる薬物を点滴したら死亡してしまった」と聞いた、などと記されていた。
 手紙には「中川被告の刑が確定すれば面会もできなくなると考え、この時期に伝えた」との記述もあった。ただ、実さんが先月21日に中川被告と面会した際には、「積極的に何かをしたわけではない」と殺害を否定したという。実さんは「裁判が終わった後でも、改めて関係者から話を聞きたい」と話している。中川被告の上告審判決は18日、言い渡される。
 これまでの確定判決によると、井上死刑囚や中川被告らは教祖の松本智津夫死刑囚(56)の指示を受け、信者の居場所を聞き出そうと95年2月28日、東京都品川区の路上で、信者の兄の仮谷さんを拉致して監禁。3月1日、全身麻酔薬の副作用による心不全で死なせた。遺体はマイクロ波焼却装置で焼かれた。
毎日新聞 2011年11月12日 20時45分
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ウィーン楽友協会からの中継「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート 2012」

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 新年恒例の「ウィーン・フィル ニューイヤーコンサート」、ウィーン楽友協会からの中継(NHK)。指揮、マリス・ヤンソンス氏。汗だくの指揮。如何にも氏の選曲らしい“眠りの森の美女”もあり、楽しい3時間。
                                                                                            

 本日お昼には、ピアノの弾き初めをした。元旦に、なんて、珍しいこと。何年も前に弾きこんだショパンを。
 昨年の東日本大震災では、ピアノも流されたという。水を被った。けれど、苦労して、再び音が出るようにしたという。ピアノは、どんなに嬉しかったろう。「山川草木悉有仏性」などというが、復活したピアノ。「よかったね」と声をかけたくなる。人間も、少しはよいことをする。音楽は、人類の無残な所業の向こうに辛うじて遠望できる「希望」だ。
 明日は、三重県の温泉へ。


平田信被疑者の言「教祖松本死刑囚の死刑執行は当然」/吉村昭作品

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『日常生活を愛する人は?』-某弁護士日記(弁護士滝本太郎のブログ)
2012/1/2 平田信被疑者の言
 2012.1.2午前、私外1名の弁護士が面会しました。
 本人の声として、急ぎ下記のとおりです。
***
 国松長官事件が時効になって、間違った逮捕はありえなくなったので、早く出たかった。
 でも色々なことがあって遅れた。
 東北の大震災で不条理なことを多く見て、自分の立場を改めて考えた。
 2011年の内に出頭したく、31日の晩、出頭した。
 教祖の死刑執行は当然と考えている。
 自分は松本死刑囚を観想していないし、オウム真理教を信仰していない。
******
 なお、以前私が呼びかけていたのは
 下記2005.10.20のブログ記述などです。
 http://sky.ap.teacup.com/applet/takitaro/20051020/archive 
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中日春秋
2012年1月3日
 故吉村昭さんには、追われる男を描いた作品が多い。戦時中の航空隊基地で艦上攻撃機を爆破した海軍整備兵の人生を描いた『逃亡』は、実話に基づいている▼基地から脱走し都内に潜伏した整備兵は北海道に逃れ、偽名で劣悪な労働現場に身を投じた。戦後、米軍司令部に出頭した彼は、軍用機を爆破するよう勧めた男が米側の諜報(ちょうほう)機関員だったことを悟る▼逃亡兵という過去を持つ男は妻にも本当のことを話せず、闇の中に身を潜めるような日々を過ごす。事件の二十五年後、不意に電話があった小説家(吉村さん)の取材を受けると、胸に重苦しく沈殿していたものが一気に消える解放感を味わった。ぐっすり眠れたのは戦後初めてだった▼大みそかの深夜、突然、警視庁に出頭したこの男は今、どんな心境なのだろうか。十七年間の逃亡の末、逮捕されたオウム真理教元幹部の平田信容疑者は、接見した弁護士に「震災で不条理なことを多く見て自分の立場を考えた」と話したという▼出頭時は十万円を所持、衣服も整っていた。教祖の死刑を「当然」と語り、もう教団への信仰はないと語ったが、支援者の有無など謎は多い▼<男は、闇を信じていた>。吉村さんは『逃亡』をそう書き出した。闇の中から姿を現した平田容疑者は解放感を味わう前になすべきことがある。知る限りの事実を明らかにすることである。
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〔リンゼイさん事件〕市橋達也被告手記『逮捕されるまで 空白の2年7ヶ月の記録』/吉村昭著『長英逃亡』2011-01-25 | 死刑/重刑/生命犯 問題
 〈来栖の独白2011/01/25〉
 市橋達也被告が「逮捕されるまで 空白の2年7ケ月の記録」(幻冬舎)という手記を出版との報道に接し、咄嗟に、2005年に読んだ吉村昭著『長英逃亡』(新潮文庫)を思い出した。
 逃走の範囲が東北から四国(市橋被告の場合は沖縄の孤島まで)と、範囲に及んでいること、顔を変えていること、そして何よりも、そのサバイバル精神が共通しているように思えた。長英の概要をほんの少々。
 幕末期、最高の蘭学者と謳われた高野長英。幕府の鎖国政策を批判し永牢(ながろう=無期懲役)の申渡しを受けるが、牢に放火。放火・破牢・脱獄という罪科。潜伏を繰り返しつつ、逃亡する。発煙硝石精(しょうせきしょう)で顔を焼き容貌を一変させて沢三伯と名のる。
 市橋被告は整形外科で施術したそうだが、更に自身で口を切ったりなどして変形を加えた、といわれる。両人とも、常人には耐えられそうにない痛みを耐えて逃亡に意欲を燃やす。
 長英が最後に逮捕の契機となったのは、彼の手になる翻訳書『三平答古知幾』(さんぺいたくちいき)の余りにも優れた出来栄えであった。ロシアへ入国し死亡したと信じられていた長英だったが、生存しているのではないか、これほどの翻訳書を著せるのは長英をおいて他にない、と当局に推量させた。
 このことから分かるように、同じように広範囲に足を延ばし顔を変えた逃亡者であるが、二人の人間像は違うようだ。市橋被告のことはこれから公判が始まるわけで予断は差し控えたいが、高野長英はきわめて優れた学者であり、反骨の精神を持ち合わせて、情の深い人間像だ。吉村氏の著書は幾つか読んでいる。史実を掘下げ、探り、情緒を排して抑制の効いた硬質な文体。大好きな作家、本物の小説家である
 私はこのエントリでただ単に、市橋被告の出版に際し吉村昭氏の著書を思い出した、と書いた。出版にいたる市橋被告の心情、又それを受けての被害者の心情に言及するものではない。ただ何であれ「ブーム」と化してしまうこの国、市橋被告の潜伏したオーハ島を訪れる観光客という現象もでてくるのかな、などと余計なことを思った。

検察が不起訴にした政治家を国民の手で強制起訴した事で政治がどのような影響を受けたか噛み締めるべき

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変化する年
田中良紹の「国会探検」
投稿者: 田中良紹 日時:2012年1月2日01:42
 昨年は年初に「地殻変動の年」という一文を書いた。昨年の干支は「辛卯(かのとう)」で、生物が死滅し新たな世界が開かれる意味だった事と、中東各地で民衆が蜂起し磐石と思われた独裁体制が次々と倒れる情勢にあったからである。冷戦の終焉と同様の構造変化が起る事を予感して「地殻変動」という言葉を使った。
 ところが3月に、文字通り東北の太平洋沖の海底で地殻が変動し、大地震と大津波が東日本を襲った。それにより東京電力福島第一原子力発電所が壊滅的打害を受け、日本は深刻な放射能汚染にさらされる事になった。我々は国家のエネルギー政策を根本から見直し、国の統治のあり方も見直さざるを得なくなった。
 年末、世界で唯一「冷戦」が終焉していない朝鮮半島で独裁者が急死した。世襲による権力継承がどのような結果をもたらすかいまだ不明だが、チュニジアの独裁政権崩壊で始まった一年は北朝鮮の独裁者の死によって幕を閉じた。
 今年の干支は「壬辰(みずのえたつ)」である。種が膨らみ生物が成長していく様を表す。私はそれを「変化する年」と捉えたい。明日を作るためには我々が捉われてきた常識を捨て、大胆に変化する事を恐れず、「失われた時代」から決然と脱却するのである。
 今年は世界の指導者が交代の時期を迎える。いやでも世界は変化する。それをまず注目する必要がある。来週は台湾で総統選挙が行われる。与党国民党と野党民進党の一騎打ちだが、結果は中台関係に影響する。3月にはロシアで大統領選挙がある。プーチン氏の返り咲きが有力だが、昨年末の下院選挙不正疑惑がプーチン氏の権威を失墜させた。ロシア政治は安定から不安定へ向かっている。
 4月にはフランス大統領選挙がある。ヨーロッパ経済危機の真っ只中での選挙だけにサルコジ大統領が再選されるかどうか予断を許さない。そしてアメリカでは今月から予備選挙が始まり、11月に大統領選挙が実施される。現職大統領が再選されるのが普通だが、景気がどうなるかで交代もありうる。12月には韓国と中国で指導者が交代する。不透明な北朝鮮情勢とアジアへの関与を強めるアメリカの戦略、これに両国がどう向き合うかは目が離せない。
 そうした中で日本の政治は大震災と原子力事故からの再生を確固たるものにしなければならない。メディアは解散・総選挙が必至の情勢だと報じているが、本当だろうか? 「選挙モードに入るのか?」でも書いたが、私はその事に懐疑的である。日本の政治にそんな暇があるとは思えないからである。
 ヨーロッパの経済危機は対岸の火事ではない。世界経済を牽引してきた中国がヨーロッパの影響を受けて失速すれば世界は深刻な不況に陥る。日本はその中で大震災からの復興の道筋を固めなければならない。その時に与野党が喧嘩をしている場合かというのが私の率直な意見である。
 もっとも解散ムードを作り出したのは野田総理である。G20で消費税増税を国際公約したところから消費税政局が始まった。国際公約したというのは自分の首を賭けた事になる。3月に法案を国会に提出できなければ野田総理は国際社会から責任を問われる。なぜそこまでしたかの裏側には、単に財務省の差し金というだけではない、表に出ない事情が隠されていると私は見ているが、ともかくその事で民主党は二つに割れた。そして自公両党は「民主党の選挙公約違反」を理由に解散・総選挙を迫っている。
 「選挙公約違反」と聞くと昔の社会党を思い出す。昔、社会党は消費税に反対ではなかった。ヨーロッパ型福祉国家を目標にしていたからヨーロッパ各国が採り入れている消費税に反対の筈はない。しかし世論は増税反対であった。すると社会党は「選挙公約違反」を理由に反対に回った。
 中曽根総理が「大型間接税はやらない」と選挙公約した事を取り上げ、「選挙公約違反だ」と批判した。今回消費税を10%にすると先に言い出したのは自民党だから、総選挙になっても消費税増税の是非は争点にならない。もし「増税」が争点になれば、野田民主党と自公は同じ立場である。民主党の増税慎重派(反対ではない)とみんなの党、自民党内慎重派らがこれと対立する構図になる。
 そうなれば自民党対民主党の構図は消え、政界再編が浮上するが、その時増税を掲げて選挙に臨む政治家がどれほどいるか、私は疑問である。自公が「選挙公約違反」を槍玉に挙げているのは増税ではなく民主党のマニフェスト違反を争点にしたいのである。それに民主党は乗るだろうか。
 自公は一刻も早く政権に復帰したいから野田総理が国際公約を果たせなくなるよう追い込む。その時、野田総理が解散に打って出れば「殿ご乱心」である。昔なら身内に後ろからばっさりとやられた。日本復興に全力を挙げなければならない時に「やけっぱち」になるような総理は解散権を行使する前に辞めさせるしかない。5年前に国際公約を守れずに辞任した総理がいる。その安倍晋三氏は突然政権を投げ出した。自民党からばっさりやられたからである。野田総理もこのまま突き進めばそうなる。
 そこで別の誰かが総理になり民主党政権は続く。野田総理と主張の異なる人物が総理になれば国民は政権交代が果たされたような気分になる。そのためにも民主党の中には主張の異なる二つの潮流が存在し対立する意味がある。小児病メディアは民主党の分裂をマイナスにしかみていないが、政治はそれほど単純でない。私には民主党より自民党のバラバラの方が気になる。谷垣総裁の求心力が野田総理を上回っているようには思えない。
 野党が強くならなければ民主主義も強くならない。ところが今の自民党はまるで昔の社会党である。スキャンダル攻撃にしか力を発揮できない。強い野党の意味を勘違いしている。そんな野党では政権交代しても今度は自分がスキャンダル攻撃を受けるだけの話で不毛の政治が続く。批判するだけではない野党に生まれ変わらなければ強い野党にはなれないのである。
 もっとも国民も政治を与野党の争いと見る見方から脱却すべきである。国民生活を守るために官僚権力と戦い、外国の権力と戦うのが政党政治の務めである。与野党の対立はそれら権力との戦いを有利に進めるために行なうもので、根っこでは国民主権の政治という立場で繋がっている。ところが日本の政党政治は戦うべき相手から分断され不毛の争いを続けているのである。大震災は不毛の争いから脱却するチャンスだった。だがそのチャンスが生かされていない。
 不毛の争いよりも今年注目すべきは強制起訴された小沢一郎氏の裁判である。1月被告人質問、2月に証拠採用の決定、3月に求刑と弁論があり、4月に判決が下る。判決がどうであってもこの裁判の意味を国民は真剣に考えるべきである。検察が不起訴にした政治家を国民の手で強制起訴した事で政治がどのような影響を受けたかを噛み締めるべきである。
 政治の見方に対するこれまでの常識を捨て去り、政党政治に力を与え、大震災からの復興に正面から立ち向かう政治を作り上げた時、日本は「失われた時代」から脱却できると私は思う。今年はそのように日本が変化する事を願っている。
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小沢一郎氏裁判/国民の代表である政治家と「全面戦争する」と言う特捜=国民主権を認めない組織〈検察〉2011-12-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 検察崩壊 田中良紹の「国会探検」
 検察審査会によって強制起訴された小沢一郎氏の裁判で、陸山会事件を担当した二人の検事が重大な証言を行なった。その証言を聞いて、検察組織をいったん解体して作り直さなければならないと痛感した。
 この裁判が終ったら、結論が有罪だろうが無罪だろうが、立法府は国政調査権に基いて検察組織を徹底調査し、民主主義国家にふさわしい捜査機関に作り変える必要がある。日本が民主主義国家たらんとすれば、それは立法府の当然の使命である。
 一昨年の3月に私は『予言が現実になった』というブログを書いた。小沢氏の大久保隆規公設第一秘書が西松建設事件で突然東京地検に逮捕されたからである。07年の参議院選挙に自民党が惨敗した時、私は「自民党は民主党の小沢代表をターゲットにスキャンダルを暴露するだろう」と予言した。それが私の知る自民党のやり方であり、それ以外に政権交代を阻止する手立てはないからである。その予言が現実になったのである。
 しかし大久保秘書の容疑は政治資金規正法の虚偽記載という形式犯で、しかも西松建設からの献金を実体のない政治団体からの献金と偽ったというものである。ところが政治団体には実体があり、検察の言いがかりに過ぎない。普通なら逮捕も考えられないし、起訴しても無罪の可能性がある。狙いは他にあると私は思った。
 それは小沢氏に代表を退くか、もしくは政界引退を促す検察の脅しである。大人しく言う事を聞けば秘書は起訴しない。しかし言う事を聞かなければ捜査を拡大し、必ず犯罪の証拠を握って見せるという脅しである。政権交代が確実な情勢なのにあなた一人が頑張ると民主党全体に迷惑をかけますよと検察は言っているのである。これに小沢氏がどう対応するかを私は注目した。すると小沢氏は痛烈に検察を批判し戦いを宣言した。
 恐らく検察は怒り心頭に達したに違いない。しかし追い込まれたのは検察である。いかにバカなメディアを煽り、バカな国会議員を煽っても、西松建設事件だけで小沢氏を政界から葬り去る事は出来ない。検察は有罪に出来る保証のない形式的な事件で大久保秘書を起訴せざるを得なくなった。
 その起訴を見届けてから小沢氏は鳩山由紀夫氏と代表を交代し、幹事長として選挙の采配を振るった。西松建設事件の影響は最小化され、日本で初の政権交代が実現した。これで検察はますます窮地に追い込まれた。何とか小沢氏と企業との関係を洗い出し、裏金を見つけ出さなければならない。必死の捜査が始まったのは政権交代の後である。
 ところが何も出てこない。出てきたのは嘘を言って前の福島県知事を逮捕させた水谷建設だけである。小沢氏側に1億円の裏金を渡したとの証言を得た。水谷建設は札付きの企業で、金を貰った政治家は政界にも地方自治体にもごろごろいる。水谷建設は叩けばいくらでもホコリが出る。だから検察がお目こぼしをすると言えば嘘八百を言ってでも検察に協力する。そんな企業しか見つからなかった時点で検察の負けなのだが、それでも叩けば何か出ると検察は考えた。
 そこで無理をして陸山会事件に着手する。これも容疑は政治資金規正法の虚偽記載である。小沢氏から一時立て替えてもらった4億円が記載されていないのを「裏金だからだ」と踏んで、「期ズレ」を虚偽記載として秘書3人を逮捕した。私にはこれも言いがかりに見えるが、秘書3人を叩けば何か出るだろうという「思い込み」捜査が始まった。
 それにしても検察は政権交代がかかる選挙直前に西松建設事件を摘発し、陸山会事件では現職の国会議員を通常国会の直前に逮捕した。かつて検察や警察を取材した経験のある私には信じられないやり方である。民主主義国家で最も尊重されなければならないのは国民の民意を問う選挙であり、国民の税金の使い道を議論する国会の審議である。捜査機関がそれに影響を与えるような事は決してやってはならない。それが民主主義国家の民主主義国家たる由縁である。その原理原則がいつの間にかこの国から消え失せていた。
 そこで『国民の敵』というブログを書いた。「思い込み」によって現職の国会議員を逮捕し、「ガセ情報」をマスコミに書かせ、国民生活に関わる予算審議を妨害した日本の検察は民主主義の原理を無視した「国民の敵」だと書いた。また起訴された石川知裕衆議院議員の辞職勧告決議案を提出した自民党、公明党、みんなの党は国民主権が何かを知らない哀れな政党だと書いた。
 結局、検察は裏金の存在を立証する事が出来ず、また政治資金規正法の虚偽記載についても小沢氏を起訴する事が出来なかった。完全敗北である。すると政治的に小沢氏を葬り去ろうとする連中が動き出した。検察審査会が小沢氏を強制起訴に持ち込んだのである。理由は検察が「シロ」としただけでは納得ができず、裁判所の判断も聞いてみたいというのだから呆れた。
 「11人の愚か者が1億3千万人の国民生活の足を引っ張る判断をした」とブログに書いた。政治を裁くという事の重さを知らない凡俗が日本を世界に類例のない『痴呆国家』にしようとしたのである。しかしこれは小沢氏を追い詰めるどころか検察を追い詰める事になる。検察は唯一起訴する権限を有するから権力を持っている。それが起訴できず、一般市民に起訴してもらうのでは自らの存立基盤を壊す。それに気づかず強制起訴に協力した検事がいたら相当におめでたい。「検察審査会の強制起訴は逆に検察を追い詰める事になる」と『オザワの罠』というブログに書いた。
 その時がやってきた。石川知裕衆議院議員を取り調べた田代政弘検事と大久保隆規氏を取り調べた前田恒彦元検事が証人として小沢裁判に出廷した。人間はどんなに本当の事を喋ろうとしても本能的に自分を守るものである。法廷の証言でも証拠がなければ嘘をつく可能性がある。だから二人とも自分の取り調べに間違いはないと証言したが、それを私は信用しない。
 その部分を除くとしかし二人は実に興味深い証言を行なった。田代検事は「合理的であれば調書に取り入れるが、合理的でない供述は入れない」と証言した。「合理的」とは検察のストーリーに合致した事を言う。つまり取調べとは真相を究明する事ではなく、検察のストーリーに都合の良い言質をつまむ事だと言ったのである。それなら取調べの意味はない。
 そして田代検事は昨年5月に石川議員の取調べを行った際、実際のやり取りとは異なる架空の話を捜査報告書に書き入れた事を認めた。その嘘の捜査報告書が検察審査会の強制起訴の議決に影響を与えた可能性がある。大阪地検の前田元検事による証拠改竄は事件になったが、同じような証拠改竄が東京地検でも行なわれていたのである。田代検事は「記憶が混同した」と弁解したが、前田元検事も当初は「意図的でなく誤ってやった」と弁解した。
 その前田元検事は、検察に忠実であろうとして検察から切り捨てられた立場だけに、陸山会事件の捜査に批判的だった。応援要請を受けて大阪地検から東京地検に来た時「これは特捜部と小沢との全面戦争だ」と言われたと言った。そして捜査は「虚偽記載」ではなく「裏献金」に主眼が置かれていたと言い、しかし現場は厭戦ムードで捜査に積極的だったのは特捜部長と主任検事だけだったと明かしている。
 小沢氏の4億円を企業からの献金とするのを「妄想」と言い、事件の見立て、つまり検察が描いたストーリーが間違っていたと言った。だから「私なら小沢氏に無罪の判決を下す」と言うのである。水谷建設から石川議員への裏金も検察内部では「石川は受け取っていない」と言われていた事を明かした。
 ところが前田氏も「検察の想定と違う内容は証拠にしない」と言うのである。つまり検察に都合の悪い証拠は検察によって「隠滅」されるのがこの組織では常識なのである。これは立派な犯罪ではないか。
 国民の代表である政治家と「全面戦争する」と言うのは、国民主権を認めない組織がこの国に存在する事を意味している。その組織に都合の悪い証拠は隠滅される。これほどの感覚のズレを正すのに自己改革など到底無理な話である。行政権力を監視し、それを変える力は立法府にしかない。立法府がこの問題に真剣に取り組まなければ、日本は民主主義の名に値しない国の烙印を押される。
投稿者:田中良紹 日時:2011年12月18日23:48
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小沢一郎氏茶番裁判 特捜検察の恐るべきデタラメ/検察、警察はデッチ上げで犯罪、犯人を捏造している2011-12-17 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
小沢一郎氏裁判 第10回公判〈後〉前田恒彦元検事「私が裁判官なら小沢さん無罪」「検察、証拠隠しあった」2011-12-17
小沢一郎氏裁判 第10回公判〈前〉/前田恒彦元検事「上司から『特捜部と小沢の全面戦争だ』と言われた」2011-12-16
小沢一郎氏裁判 第9回公判〈後〉/証人 石川知裕議員女性秘書が語った深夜に及ぶ違法な取調べの実態2011-12-16
小沢一郎氏裁判 第9回公判〈前〉/証人 田代政弘検事「特捜部は恐ろしいところだ」=報告書に虚偽の記事2011-12-15
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小沢氏起訴議決検察審査会=11人の愚か者が下衆(げす)の感覚によって国民生活の足を引っ張る判断をした2010-10-07 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
「痴呆国家」田中良紹
Infoseek 内憂外患 2010年10月07日 09時00分

 11人の愚か者が1億3千万人の国民生活の足を引っ張る判断をした。政治を裁く事の重みを知らない下衆(げす)の感覚によって、この国の政治は混乱させられ、世界に類例のない「痴呆国家」になろうとしている。
 検察審査会の議決を「市民目線」と評価したり、「小沢氏は議員辞職すべきか」と質問したり、小沢氏を国会に証人喚問すべきだなどと主張する馬鹿がこの国にはいる。今回の容疑事実を知り、検察審査会の仕組みを知ったら、恐らく世界はその馬鹿馬鹿しさに驚くに違いない。しかしその愚かさに気付こうとしないのだから「痴呆」と言うしかない。
 やはりこの国は驚くべき未熟政治国家である。何故そうなるのか。私は国民が全く「政治教育」を施されていないからではないかと考える。子供の頃から教えられるのは、日本は民主主義で、三権分立であり、国会が国権の最高機関であるという建前の話だけである。現実の政治がどのように動いていて、建前と現実との間にどのような乖離があるかなど絶対に教えてもらえない。
 建前しか教えられていないから、日本人は民主主義を「素晴らしい制度」だと思い込み、その上で「反権力であることが民主主義」だとか、「庶民感覚を大事にする事が民主主義」だとか、とんでもない嘘を吹き込まれている。国民が投票で選び出した政治権力は国民と一体の筈であり、諸外国の謀略に打ち勝たなければならない政治家に庶民感覚を求めても意味がない事を知ろうとはしない。
 その庶民は、政治にとって最も大事な権力闘争を「汚れた行為」と捉え、物事を実現するために権力を集中させれば「反民主主義」と叫び、民主主義のかけらもない官主主義の国を民主主義国だと信じ込む。政治家を口を極めてののしるかと思えば、まるで芸能人を見るかのようにあがめ奉る。民主主義は衆愚政治と紙一重だが、この国では官主主義が国民を愚かにしている。
 英国のチャーチル元首相に言わせれば民主主義は「最悪の政治制度」であり、政治は人間の欲望がむき出しになる世界である。そういう事をこの国では決して教えない。学校は政治教育を忌避し、教える教師もいない。国民に主権を発揮されては困る官僚にとって、政治教育がない事は何よりである。国民が目覚めて本当の民主主義をうち立てられては困るからだ。
 かつて私が提携したアメリカの議会中継専門放送局C−SPANは、国民に対する政治教育を目的に設立された。議会の審議を放送する一方で、選挙権のない若者に対する政治教育に力を入れていた。議会審議のビデオテープを学校教育に使うように全米の大学と高校に働きかけている。
 私は実際に議会審議のテープを授業に使用しているイリノイ州の大学を取材したことがある。教授が選んだ審議の映像を学生達に見せ、それを巡って学生が討論を行うという形の授業だった。現実の政治家の議論が教材になっていた。そしてC−SPANは中継車で全米の大学と高校を回り、学生達の政治討論番組を生中継している。
 ある時、テレビを見ていたレーガン大統領が高校生の討論に電話で飛び入り参加した。それが全米で話題となり、私は素直に「素敵な話だ」と思った。日本にもC−SPANのようなテレビ局を作りたいと思った。勤務していたテレビ局を辞め、開局の準備を進めながら、まずは文部省に協力を求めに行った。
 アメリカの例を説明しながら、日本で「国会テレビ」を開局したら、高校と大学だけでなく義務教育の中学校にも普及させたいと言った。すると役人から「社会党と共産党の発言しか見せない先生がいるから」とすげなく協力を断られた。
 アメリカの大学の卒業式では決まって政治家が卒業生へのはなむけのスピーチをする。その時に党派が問題になることなどない。しかし日本では大学が政治家にスピーチを頼む事は滅多にない。そもそも政治家は国民の投票で選ばれた国民の代表である。にもかかわらず政治家は反教育的存在と見なされる。こうした事に私は長い官僚主導国家の岩盤の存在を感ずる。
 そういう国の国民だから、検察審査会の議決で政治を裁く事の重みなど感じない。愚かな11人は極めて非論理的で情緒的な判断を下した。公開の場の裁判で白黒をはっきりさせて欲しいなどという「願望」で政治を混乱させている。裁判で白になっても時間は戻らない。政治を混乱させた罪はどうなるのか、国家的損失をどう償う事が出来るのか。これは日本の司法の一大汚点となるのではないか。
 検察審査会制度はGHQの占領政策の一環である。特捜部と相前後して生まれた。独立したにもかかわらず、日本はいつまでアメリカの占領政策を引きずるのか。いつになったら自前の国造りが出来るのか。とても不思議で仕方がない。
 しかもその検察審査会が強制起訴まで出来るようになったのは、政権交代の総選挙を前に、それを阻止しようと思ったのか、東京地検特捜部が西松建設事件を、大阪地検特捜部が郵便不正事件の捜査に着手して民主党の代表と副代表をターゲットにした「でっち上げ」捜査を行っていた矢先である。「でっち上げ」が上手くいかなくなっても、素人の国民をちょっと洗脳すれば強制起訴に持ち込めると考えたとしても不思議でない。
 目的は以前から何度も書いてきたように小沢氏を有罪にする事ではない。民主党を分断することである。だから鳩山由紀夫氏は白で小沢氏は黒の流れになる。私の知る法曹関係者はみな「鳩山が白なら小沢はもっと白だ」と言う。一連の捜査は刑事目的ではなく政治目的なのである。小沢氏が無罪になっても十分に目的は達せられる。しかしこんな馬鹿をやっている暇は今の日本政治にはない筈だ。まさに「痴呆」と言うしかない。
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小沢一郎裁判=「官僚支配に従う者」と「国民主権を打ち立てようとする者」とを見分けるリトマス紙である2011-10-10 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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小沢一郎氏 初公判 全発言/『誰が小沢一郎を殺すのか?』2011-10-06 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
 〈小沢元代表 初公判の全発言〉
 今、指定弁護士が話されたような事実はありません。裁判長のお許しをいただき、ただいまの指定弁護士の主張に対し、私の主張を申し上げます。
 指定弁護士の主張は、検察の不当・違法な捜査で得られた供述調書を唯一の根拠にした検察審査会の誤った判断に基づくに過ぎず、この裁判は直ちに打ち切るべきです。
 百歩譲って裁判を続けるにしても私が罪に問われる理由はまったくありません。なぜなら、本件では間違った記載をした事実はなく、政治資金規正法の言う虚偽記載には当たりませんし、ましてや私が虚偽記載について共謀したことは断じてないからです。
 また本件の捜査段階における検察の対応は、主権者である国民から何の負託も受けていない一捜査機関が、特定の意図により国家権力を乱用し、議会制民主主義を踏みにじったという意味において、日本憲政史上の一大汚点として後世に残るものであります。以下にその理由を申し上げます。
 そもそも政治資金規正法は、収支報告書に間違いがあったり、不適切な記載があった場合、みずから発見したものであれ、マスコミ、他党など第三者から指摘されたものであれ、その政治団体の会計責任者が総務省あるいは都道府県選管に自主申告して収支報告書を訂正することが大原則であります。
 贈収賄、脱税、横領など実質的犯罪を伴わないものについて、検察や警察が報告の間違いや不適切な記載を理由に捜査すると、議会制民主主義を担保する自由な政治活動を阻害する可能性があり、ひいては国民の主権を侵害するおそれがある。
 だからこそ政治資金規正法が制定されて以来、何百件、何千件と数え切れないほどの報告間違いや不適切な記載があっても実質的犯罪を伴わないものは検察の言う単純な虚偽記載も含めて例外なく、すべて収支報告書を訂正することで処理されてきました。陸山会の事件が立件されたあとも、今もそのような処理で済まされています。
 それにも関わらず唯一私と私の資金管理団体、政治団体、政党支部だけがおととし3月以来1年余りにわたり、実質的犯罪を犯したという証拠は何もないのに東京地検特捜部によって強制捜査を受けたのであります。もちろん、私は収賄、脱税、背任、横領などの実質的犯罪はまったく行っていません。
 なぜ私のケースだけが単純な虚偽記載の疑いで何の説明もなく、突然現行法の精神と原則を無視して強制捜査を受けなければならないのか。これではとうてい公正で厳正な法の執行とは言えません。したがってこの事例においては、少なくとも実質的犯罪はないと判明した時点で捜査を終結すべきだったと思います。
 それなのに、おととし春の西松事件による強制捜査、昨年初めの陸山会事件による強制捜査など、延々と捜査を続けたのは、明らかに常軌を逸しています。
 この捜査はまさに検察という国家権力機関が政治家・小沢一郎個人を標的に行ったものとしか考えようがありません。私を政治的・社会的に抹殺するのが目的だったと推認できますが、明確な犯罪事実、その根拠が何もないにもかかわらず、特定の政治家を対象に強制捜査を行ったことは、明白な国家権力の乱用であり、民主主義国家、法治国家では到底許されない暴力行為であります。
 オランダ人ジャーナリスト、カレル・ヴァン・ウォルフレン氏は、近著「誰が小沢一郎を殺すのか?」で「小沢一郎に対する強力かつ長期的なキャラクター・アサシネーション、『人物破壊』は、政治的に類を見ない」と言っています。「人物破壊」とは、その人物の評価を徹底的に破壊することで、表舞台から永久に抹殺する社会的暗殺であり、生命を奪う殺人以上に残虐な暴力だと思います。
 それ以上に、本件で特に許せないのは、国民から何も負託されていない検察・法務官僚が土足で議会制民主主義を踏みにじり、それを破壊し、公然と国民の主権を冒とく、侵害したことであります。
 おととしの総選挙の直前に、証拠もないのに検察当局は捜査・逮捕権という国家権力を乱用して、私を狙って強制捜査を開始したのであります。
 衆議院総選挙は、国民がみずから主権を行使して、直接、政権を選択することのできる唯一の機会にほかなりません。とりわけ、2年前の総選挙は、各種世論調査でも戦後半世紀ぶりの本格的な政権交代が十分に予想された特別なものでありました。そのようなときに、総選挙の行方を左右しかねない権力の行使が許されるとするならば、日本はもはや民主主義国家とは言えません。
 議会制民主主義とは、主権者である国民に選ばれた代表者たる政治家が自由な意思により、その良心と良識に基づいて、国民の負託に応え、国民に奉仕する政治であります。国家権力介入を恐れて、常に官憲の鼻息をうかがわなければならない政治は、もはや民主主義ではありません。
 日本は戦前、行政官僚、軍部官僚検察・警察官僚が結託し、財界、マスコミを巻き込んで、国家権力を乱用し、政党政治を破壊しました。その結果は、無謀な戦争への突入と悲惨な敗戦という悲劇でした。昭和史の教訓を忘れて今のような権力の乱用を許すならば、日本は必ず同様の過ちを繰り返すに違いありません。
 東日本大震災からの復興はいまだに本格化できず、東京電力福島第一原子力発電所の事故は安全な収束への目途すら立たず、加えて欧米の金融・財政危機による世界恐慌の恐れが目前に迫ってきている時に、これ以上政治の混迷が深まれば、国民の不安と不満が遠からず爆発して偏狭なナショナリズムやテロリズムが台頭し、社会の混乱は一層深まり、日本の将来は暗たんたるものになってしまいます。そうした悲劇を回避するためには、まず国家権力の乱用を止め、政党政治への国民の信頼を取り戻し、真の民主主義、議会制民主主義を確立する以外に方法はありません。まだ間に合う、私はそう思います。
 裁判長はじめ裁判官の皆様の見識あるご判断をお願い申し上げ私の陳述を終えます。ありがとうございました。
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小沢一郎氏、岩手県連の会合で挨拶 政府の震災対応と予算配分の在り方に苦言 Ustream

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Ustream http://www.ustream.tv/recorded/19543183
録画日時 : 2012/01/03 14:25 JST
IWJ_IWATE1 2012/01/03 05:51
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 民主・小沢元代表、予算編成などについて政府を批判 野田政権への強い危機感示す
民主党の小沢元代表は、岩手県で開かれた会合であいさつし、予算編成などについて政府を批判した。
小沢氏は「相変らずの霞が関支配が続いていて、旧来と同じ手法、仕組みによって、予算の配分が行われている」と批判した。
 小沢氏は、震災をめぐる政府の予算対応を批判したうえで、「衆議院の任期は2年を切っており、2012年中に突破口を開かなければならない」と、野田政権への強い危機感を示した。
 一方、野田首相は高校の同窓会であいさつし、消費税増税を含む財政再建への不退転の決意を示したうえで、「最近は後ろの方からも弾が飛んでくる」と述べ、小沢氏ら党内の増税反対派をけん制した。
(FNNニュース01/03 16:36)
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小沢氏、旧来手法と政府に苦言 震災対応と予算配分で
 民主党の小沢元代表は3日、岩手県久慈市で開かれた岩手県連の会合であいさつし、政府の震災対応と予算配分の在り方に苦言を呈した。「東日本大震災という非常事態の中でも旧態依然の官僚支配が続き、旧来の手法で予算配分が行われている。迅速な解決ができていない」と述べた。
 同時に「地域の皆さんが知恵を出して町づくりを進めていけるような国の仕組みを実現したい」と「地域主権改革」への意欲を強調。「衆院議員の任期は2年を切っており、今年中に突破口を開かなければいけないと思っている」とも指摘した。
2012/01/03 10:55 【47ニュース 共同通信】
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人間・小沢一郎 最後の大構想/「福島県民は霞ヶ関取り巻くデモ起こしてもいいのに」/「最後のご奉公です」2011-12-26 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 人間・小沢一郎「最後の大構想」
  週刊ポスト2012年1月1・6日号
 小沢一郎。この稀有で頑固な政治家の「人間」を解剖することは日本の政治の形、国家の形がどう変わらなければならないかを探るケーススタディといえるかもしれない。天の怒りに地の喜びが打ち砕かれた2011年3月11日。政治は荒れた大地に陽炎の如く輪郭を浮かべ、無為に時を重ねた。多くの国民は「動かない小沢」に焦れた。小沢封じの政治の病巣は現実と醜悪な乖離を見せつけた。何をしていたのかという挑みの問いに、小沢が「人の顔」で激しく語った。(聞き手・渡辺乾介氏 政治ジャーナリスト)
■震災対応で二つの「政治問題」
 2011年の掉尾を奮う時、東日本大震災を抜きにしては語れない。人々は地震と津波の襲来、息つく間もなく放射能禍に見舞われ、日常のすべての営みを断たれ、最愛の家族と生活の絆、仕事を失い、形骸だけを残した街を目の当たりにした。
  被災者は誰も人たることの根源的問い、選択を強いられ、呻吟しつつ、絶望の悲嘆にくれる暇さえなく、生きる使命と希望に奮い立った。その姿は世界に大きな感銘を与えた。
 そして、政治と行政の力を求めたが、空前絶後に事態に機能不全に陥り、無力であることを知って、人々は自力で我が町、我が村を興そうと動き出したのだった。やがて恐る恐る政治がやってきた。遅きに失するばかりの復興対策である。被災者は惨状に只中にありながら、政治や行政にかまわず自助自立、相互扶助で苦難に立ち向かってきた。
 人災としての放射能禍は、政治が最大の障害というべき連関に人々を押し込め苦しめた。人民あっての政治が、政治ゆえに人々に立ちはだかる。
 一体、政治とは何なのか。未曾有の困難と混乱の大震災であればこそ「国民の生活が第一」という民主党政権の拠って立つ基本理念の実践、その真価が問われたのではなかったか。
  同時にそれは、政権交代の立役者であった小沢の存在理由であり、国民との約束の政治的価値そのものなのである。
だから、問う。
 震災直下で人々が、人たることの根源的問い、選択を強いられ、呻吟していたように、政治家でありながらも、一人の人間として、小沢もまた被災地に立って何を思い考え、いかなる人たる呻吟をしていたか、である。
小沢:被災地の皆さんは非常に厳しい、そして辛い生活をずっと耐えて、長い間頑張ってこられた。亡くなった方々へのお悔やみとご家族へのお見舞いを申し上げると同時に、くじけずに頑張っておられる郷里の皆さん、被災地の皆さんに、心から敬意を表したいと思います。
 千年に一度の巨大地震、大津波というのでは、人知の及ばない面もある。そこは自然災害に対する今後の方策を考えていく以外にないんだけれども、政治的には二つの大問題があります。
 一つは原発。日本の再建だ、東北の再建だと言っていますけれども、放射能封じ込めに成功しないと日本経済の再建も日本の将来もない。福島第一原発の事故はマスコミでは喉元過ぎればで、なんだか風化したみたいになってますけれども、日本人的な現象で非常に危険だと思います。
 この放射能については、なんとしても完全に封じ込めないといけない。そのためには、どれだけお金を使ってもやむを得ないし、封じ込めの先頭に立つのは国だ。ということを僕は言い続けてきたんです。事故の現状は、東電が第一義的に責任者だからといって、東電にやらせていいという状況を超えている。国が自ら先頭に立って、主体的にやらなくちゃいけない。
 原発による被災者の皆さんの生活の問題と同時に、放射能をいかにして封じ込めるか。水をかけて「冷温停止状態を達成した」なんていたって、永久に水をかけ続けるのか?今になって、核燃料が圧力容器からメルトスルーして、もうすぐ格納容器の底のコンクリートを抜けるかもしれないなんて、呑気なことを言っているわけですね。
 震災の2、3日後には、熱工学の学者をはじめ客観的に事実を見ている人たちは、必ず炉心は壊れていると言っていた。燃料も必ずメルトダウンしているとわかっていたわけですよ。それにもかかわらず、政府は2ヵ月後にようやくメルトダウンを発表して、そして最近になって落ちたウラン燃料がコンクリートを侵食して、底を突き破るまであと30何センチだなんて言ってるわけです。あれ、突き抜けて土の中に入っちゃったら、汚染の拡大を止められなくなりますからね。
 それをまず徹底的に封じ込めないといけない。それは国家、政府が先頭に立ってやるべきことです。
 もう一つは統治の機構。この機会に「地域主権」を確立すべきですよ。
復興のための補正予算などで金銭的な手当ては一応してあるんだけれども、その使い方は相変わらず旧来と同じ公共事業でしょう。今まで同じパターンで補助金を出すやり方だから、仕事は遅いし無駄が多い。
  政府は地方の再建、東北の再生なんて言っていますが、これを機会に我々が主張してきたように中央省庁が仕切る補助金の制度を、地方自治体が自由に使える一括交付金の制度へと変える。これだけの大被害なんだから暫定的にでもやるという理屈も成り立つ。好きなように使ってよいというお金をもらえれば、もっと早く、もっとたくさん仕事ができると言うんですよ。(被災地の)知事も市町村長もそう言う。
 相変わらず予算を貰うには、いちいち中央の役所から査定に来る。学校つくるにも、仮設住宅つくるにも、海岸つくるにもすべて中央が査定して、霞ヶ関へ持って行って、そこでまた検討して、やと補助金が出る。しかも、旧来の役所のメニューにある事業、やり方しか対象にならない。
 私は、今こそ民主党が政権交代で訴えてきた補助金制度の改革を断行して、一気に「地域主権」を確立すべきだと思う。中央集権の霞ヶ関一極集中の統治機構を変える絶好の機会だと思っているんだけれども、そういう発想はまったく出てこない。非常にジレンマと苛立ちを感じています。
渡辺:あなた自身、大震災が発生して現地に入るまでどういう気持ちだったのか。
小沢:かつてないほど多くの方が亡くなった。僕は昔から浜も何もかも歩いて知っているから、どこがどうなったかはわかる。しかし、生きている者は町づくり、村づくりをしなくちゃいかんから、そっちの方に目が向いた。僕はどのようにして復興財源を賄うかとか、どういうふうに直せばいいのかとかいうことを考えなければならない。だから、達増拓也岩手県知事とはずっと連絡を取り合って協力しながらやってきた。
 実はあれだけの大津波にもやられなかった浜があるんですよ。岩手で2ヶ所かな。明治時代に津波にやられた教訓で、昔の村長さんが主導して高台に全部移転していたんだ。それが今回幸いした。だから同じ金を掛けるにしても、そういうことまで考えて、根本的な浜の町づくりをしないといけない。
■「もう帰れない」と伝える責任
渡辺:被災者の人たちが、苦悩、苦難、困難を抱えながらも自分たちの手で何かやらねばならないという、この大衆のエネルギーを政治が汲み取ろうとしないところが悲しく虚しい。
小沢:今回、一般の人たちがお互いに連帯していろいろな救助活動や復興活動に立ち上がった。これは日本人のとてもいいところで、みんなが感動した点だと思う。
  一方、地方はいちいち中央の霞ヶ関の許可をもらったりするのが面倒臭くてしょうがないと思っているけれども、それが政治的な運動にならない。そこが日本社会が他の国から遅れているところですね。大きな変革を起こせない理由でもある。本来ならば、特に福島県の人たちなんか、全県民が上京して、霞ヶ関を取り巻くぐらいの筵旗(むしろばた)デモを起こしてもよさそうなのに日本はそうはならないんだね。
渡辺:外国なら暴動が起きても不思議はない。
小沢:政治に何をして欲しいんだというものは必ずあるはずです。それが政治の変革を求める運動に繋がっていかないのが、日本社会の最大の問題だね。
渡辺:元ソ連邦大統領のゴルバチョフ氏は回顧録で、チェルノブイリ原発の事故について「わが国の技術が老朽化してしまったばかりか、従来のシステムがその可能性を使い果たしてしまったことを見せつける恐ろしい証明であった」と書いている。福島原発も同じ問題を内包していると思う。
小沢:溶けた核燃料を取り去るなんて工程表に書いてある。でも、どうやって取り出すの?それをどこへ持っていくの?何も方策がないのに、そんなことを文書にだけ書いてどうするんだ。そういう意味のないスケジュール表みたいなのを作ったって、何の役にも立たないと僕は思う。
 それをこのままに放置しておくとなると、今を生きている我々が末代まで責めを負わなければならない。
渡辺:戦争以外であれだけの領土を事実上、失うことは大変な事態です。
小沢:(大きく頷いて)まさにそうです。
渡辺:それだけ重大であるという意味が、政・官・財、大メディアにも共有されていない。
小沢:原発から20キロだか30キロのあたりで、これ以上放射能が拡散しないという保証があるならいいけれども、もっと拡散するかもしれない。まだ政府はなんとなく避難した人たちがいずれ故郷に帰れるみたいな話ばかりしているでしょう。だから避難した人たちは、もしかしたら帰れるかもしれないと思って新しい生活設計ができない。中途半端で宙ぶらりんの状態になっている。これは政治の一番の罪だと思う。
 事実上、放射能の強い地域には帰れない。だから、被災者にはきちんとそう言って、新しい生活に対して支援をしていくべきです。みなさん、それぞれ生活設計をしてください、帰るのは当分考えられる限り無理です、ということをじはっきり言わないと避難している人たちに対する裏切りというか、背信、嘘つきになっちゃう。
■増税せずとも当面の金はある
渡辺:被災者も国民も、政治は国民のために動いていないと怒っている。たとえば、原発事故では被曝予測システム「SPEEDI」の情報を隠し、復興を口実にして国民に負担増を強いる。この震災の結果責任の悲劇的なところだ。
小沢:自分が担当している間は無難に過ごせばいいという事なかれ主義、悪い意味の官僚的発想なんですね。誰も泥をかぶらないで、かわい子ちゃんでいたい。官僚だけでなく政治家もそうなっちゃったということですね。
渡辺:あなたが唱えてきた「自立と共生」の視点から、これだけ病み、傷んだ国土、国民、国家の震災後の在り方を語るときに、どういう再生の方向性があるのか。それは国民があなたに注目する大きな一つの視点だ。
小沢:日本には、市民の力によって政治体制を変えた歴史がほとんどないですから、自ら政治を動かそうという発想がなかなか国民の間に生まれてこない。
  ただ、インターネットの広がりとともに、政治に無関心であったといわれる若い人たちがかなり関心を持ち始めて、そして実際に行動するようになったんじゃないだろうかと思う。原発の問題もそうだけれど、年金の問題でも、掛け金(保険料)を払ったって年金をもらえるのかという先行き不安が現実に出ている。いずれも結局は政治の場で解決する以外ないわけだから、だんだん政治に対する見方が変わってきているんじゃないかという気がします。
 民主主義社会では、上からの革命というわけにはいかない。国民が支持し、国民が支援してくれなきゃ改革はできない。今はほとんどの人がインターネットで情報を共有できるので、普通の人、特に若い人が行動するようになってきたことに僕は希望を見出します。
渡辺:今の答えの中にあったが、年金と消費税がセットで国民生活を闇の中に押し込めようとしている。「国民の生活が第一。」という政権交代の理念と基本政策を、民主党は冷凍保存しようとしているのではないか。
小沢:僕が代表のときに掲げた言葉だから嫌なんでしょう。(笑)
渡辺:政府・与党の中枢部は事あるごとに「国民にも痛みを分かち合ってもらう」という言い方をするが、安易に復興税だ、消費税だとのめり込み、返す刀で年金支給年齢引き上げを画策したりと、国民負担増だけに政治の軸足を置いている。
小沢:これは民主党だけでなく、自民党も同じなんですが、自分たちが唱えてきたこと、選挙に国民に訴えたことは何だったのかということをまったく忘れている。
 先日も政府に入っている議員10人ぐらいと会合があったから話してきたんです。「今の時点では、それぞれの役目をこなす以外にないけれども、我々は古い仕組みを変えるんだと主張して政権を与えられたんだから、そのことを頭において仕事をしないといけない。役人の言うことばかりを聞いていたら、国民から自民党以下だと言われる。それだけは忘れないでくれ」とね。
渡辺:「痛みを分かつ」というのは、変節政治家と官僚が自分の無能を隠蔽する常套句だ。あなたは消費税の増税について非常に厳しく批判し反対している。
小沢:我々は総選挙で、特別会計を含めた国の総予算207兆円を全面組み替えて、国民主導の政治と地域主権の社会を実現すると国民に約束して、政権交代を認めてもらった。その理念、主張をまったく忘れちゃって、今までと同じやり方で予算編成を行っている。各省庁の要求を集めたものが総予算ですが、それが前年度の大枠よりちょっと出ていれば一律のカットするというだけのことで何も変わっていないわけです。
 我々はそれを変えて、政治主導で国家予算の総組み換えを断行して行政の無駄を省き、中央集権の官僚支配を打破することによって、必要な財源も生み出していくと主張した。それで民主党は政権をいただいたんですよ。なのに何もせずに役人のペースにどっぷり浸って「お金はありません。だから増税です」という話しか聞こえないわけだね。これじゃ、国民の理解は得られない。
渡辺:政府・与党は消費税を5%上げて社会保障、年金財源にするという名分を掲げているが、本当にそうなのか。5%上げると、税収は約13兆円増える。ところが、今年7月に閣議了解された「社会保障と税の一体改革」の成案によると、13兆円の税収のうち、社会保障の充実に回るのは消費税1%分の2・7兆円。うち年金分は6000億円に過ぎない。つまり、消費税は倍に上げても大半は何に使うかわからない。痛みを分かつと言いながら、これではまた官僚に好き勝手に利権食いされるような心配が先に立つ。それが消費税増税の最大の問題点だと思う。
小沢:消費税増税を言う前に私は「当面の金はまだある」と言ってます。増税せんでも財源はある」と言っているんだけれど、誰もそれを言おうとしない。
  僕はずっと所得税減税を主張していて、そのためには間接税の消費税の引き上げはいずれ検討しなくちゃいけないかもしれない。それは否定していないけれども、なんの政治理念もなく、何の努力もせずに「痛みを分かち合ってください」というのは詐欺的行為だと思います。税制論議以前の問題だね。
渡辺:消費税アップの「社会保障・税一体改革成案」は7月に閣議了解したといわれているが、実際は与党の国民新党が反対したために閣議決定できず、閣議了解さえもできていない。「閣議報告」という形で当時の菅内閣は発表した。だが、政策だけは既成事実となり野田首相はいつの間にか「もう決定した」みたいなことを言う。行政の正しい手続きすらない。
小沢:野田さんが本当に国民のために、お国のためにそれが必要なんだ、それはこういう理由からだとちゃんと説明して、自分の政治生命を懸けるという決意がはっきりすれば、まだ国民はそうなかなという気持ちになるかもしれない。けれども、上げた消費税を何に使うのかもわからない。ただ闇雲に消費税、消費税と言っているようにしか見えないから、絶対に国民に理解されないと思います。
渡辺:あなたは優しいからそう言う。(笑)でも、野田首相が今の状態でいくら説明し、決意を述べたとしても納得できない。
小沢:いや、僕も賛成しないですよ。
■増税推進なら「他の手段」を考える
渡辺:先ほどの一体改革成案には、現在65歳の年金支給開始年齢の68〜70歳への引き上げが盛り込まれている。増税が年金充実のためというなら、給付が手厚くならなきゃ辻褄が合わないのに、70歳支給になったら、国民の老後は真っ暗になる。現在、厚生年金の平均受給額は月に約16万円だから、支給開始が5年引き上げられると1人当たり1000万円の減額になる。
 それだけでも空前の年金カット計画だが、なぜそれが必要なのか。厚生省年金局の「年金検証結果レポート」によると、年金財源に厚生年金で500兆円、国民年金で50兆円、合わせて550兆円の債務がある。1人1000万円ずつ年金を減らすと、厚生年金加入者は約3444万人だから344兆円が浮く。さらに、これから厚生年金に加入する19歳以下世代の削減額を含めると、550兆円の債務を帳消しにできる。いかにも役人らしい悪巧みが潜んでいることを『週刊ポスト』は指摘している。
 これが「国民の生活が第一」を掲げて政権交代した民主党内閣がやろうとしている消費税増税と年金改悪の二重詐欺です。あなたの消費税増税批判はちょっと中途半端じゃないか。
小沢:我々は年金制度を根本から変えて一元化すると主張している。月額7万円前後の最低保障年金は消費税を全て充てて安定させ、その上に報酬比例年金を設けて、2階建ての新しい年金制度を作ると提案した。
 ところが、それについても政府は作業をしていない。国民との約束をまったく顧みないで、支給開始年齢だけでなく、掛け金まで上げるというのだから、僕は本当に詐欺、裏切り行為だと思う。消費税も年金も所得税も国民負担を増やすという話には僕は到底賛成できない。
渡辺:大新聞も支給開始年齢の引き上げを叫んでいる。いわば内閣と官僚と大新聞の共同正犯行為による詐欺みたいな形になっている。
小沢:ただ、国民はかなり情報を正確に知るようになってきている。国民が情報を得る手段はもうテレビや新聞だけじゃない。いずれ国民に鉄槌を下されると僕は思います。
渡辺:公約に対して忠誠を誓うという意味において、先の大阪のダブル選挙、あるいはその前に愛知のトリプル選挙で当選した市長・知事たちの、有権者に対する死に物狂いの公約実現の努力をどう見るか。民主党も国の仕組みを変えると言ったけれども、今に至る政権の姿は橋下徹大阪市長、河村たかし名古屋市長と真反対です。
小沢:彼らが頑なに自分の主張、市民との約束を徹底して実行しようとしているということは、まず間違いないと思います。
 それに反して民主党政権、そして今の自民党も、市民感覚からはもう駄目だと思われている。だから、荒っぽいかもしれないけれど約束は守る、国民のためには旧体制を壊さないと駄目だ、という橋下さんや河村さんに期待する結果になったのは無理もないと思う。
渡辺:その意味では、あなたはもう一度総選挙でその動きを作り直すしかない。
小沢:橋下さんは府庁舎や市役所そのものをぶっ壊さないと本当の改革はできないと主張している。僕も旧体制、アンシャン・レジームをぶっ壊さないと新しい世の中はできないとずっと言い続けてきた。それゆえに「壊し屋」とみんなから非難されているけれど、橋下さんはまだそういわれていないようだから、それだけでも彼はたいしたもんじゃないの。(笑)
 予算編成のことを例にして言いましたけれども、自民党政権のときとずっと同じことをやってきておいて、金がない、何がないのと言ったって始まらないんです。
渡辺:民主党がアンシャン・レジームになってしまった。
小沢:(苦笑しながら)そうなんだよね・・・。
渡辺:その民主党をどうやってもう一度ぶち壊すのか。
小沢:僕は現時点においては、野田さんが初心に帰り、政権交代の原点に思いをはせて、そして是非「国民生活が第一。」の政策に戻って欲しいと、ひたすらに望んでいます。そうしなきゃ民主党政権に明日はない。必ず国民から見放される。
渡辺:すでに今日もない。
小沢:ん?今日もないけれども。(苦笑)
渡辺:次の総選挙で「今度こそやります」と訴えたからって国民は民主党を・・・。
小沢:それは信用しない。
渡辺:政策を担保する何か、あるいは覚悟が本気だと思ってもらうための新たな努力が必要ではないか。
小沢:さっき言ったように、僕は野田さんがまず「国民の生活が第一。」の理念に基づいて、しっかりしたビジョンを語るべきだと思う。それがまったくないまま、ただ増税だけを推進しているとなると、民主党政権は滅びる。かといって自民党政権に戻ることもない。日本はぐちゃぐちゃのカオスの状況に入ってしまう。
渡辺:国外に目を転じると北朝鮮では金正日が死亡し、東アジア情勢が流動的になってきた。
小沢:突然のことで大変驚きました。核開発の問題もありますので、日中韓をはじめ関係各国が緊密に連携して、不測の事態に対処しうる体制を早急に構築することが肝心だと思います。
渡辺:選挙までの残り任期は少ない。今の政権が原点に戻らない場合、あなた自身はどういう覚悟を決めるのか。
小沢:その時は他の手を考えなきゃならない。
渡辺:その手段とは。
小沢:今、具体的にどうこう言うわけにはいかないけれども、今の政権がどうしても(原点回帰は)だめだといったら、僕も国民を裏切ることになってしまう。それは困るし、それによる日本の大混乱も防がなきゃならない。何らかの方法を考えなければならない。
渡辺:そのカオスを突き抜けるところで、あなたにとって2012年は相当過酷な年になる。
小沢:最後のご奉公です。文字通り「最後」です。
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三宅雪子の対談シリーズ「この人に訊く!」/第1回のゲストは小沢一郎衆議院議員。新春の第一声

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Yukiko Miyake Website 民主党群馬県第4区総支部長衆議院議員;みやけ雪子

2012年01月01日 三宅雪子の対談シリーズ「この人に訊く!」が新年よりスタート!

第1回のゲストは小沢一郎衆議院議員。新春の第一声をお届けします!
Vol.1 こちら→  http://youtu.be/vSkhyEfV4Jc
Vol.2 こちら→  http://youtu.be/ibcnQ0dvOu8 

miyake_yukiko35三宅雪子
  対談企画は好評。よかった!小沢さんはインターネットをとても信用している。編集が嫌いなのでノーカット収録。始まる前にしきりに『紙を見ていいんだよ』と言われた。ゲストに心配されるインタビュアー(笑)。さりとて(古本さん風に)小沢さんの次のゲストが大変。皆さんのご意見を参考にする。1月1日 関連:人間・小沢一郎 最後の大構想/「福島県民は霞ヶ関取り巻くデモ起こしてもいいのに」/「最後のご奉公です」2011-12-26 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア                  

平田信容疑者「震災で、おれ何をやっているんだろうと逃亡生活が情けなくなった。でも踏ん切りがつかず」

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出頭の平田容疑者「震災で逃亡情けなく」
 逮捕された平田信容疑者(46)は取調官に対し、教団のサリン攻撃を受けたこともある「オウム真理教被害対策弁護団」の滝本太郎弁護士(横浜弁護士会)を呼ぶよう求めた。
 駆け付けた滝本弁護士が2日午前、留置先の大崎署で約2時間接見すると、平田容疑者は「東北の大震災で不条理なことを多く見て、自分の立場を改めて考えた。2011年のうちに出頭したかった」などと話した。
 自身の関与した拉致事件で命を落とした仮谷さんには「申し訳ないことをした」と謝罪の言葉を口にし、「オウム真理教を信仰していない」とも話したという。
 捜査関係者によると、「震災で『おれ、何をやっているんだろう』と自分の逃亡生活が情けなくなった。でも、なかなか踏ん切りがつかず、出頭は大みそかになってしまった」とも話しているという。
(2012年1月3日17時37分  読売新聞)
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出頭先探し都内転々=電車で移動、110番も−弁護士に経路説明・平田容疑者
 公証役場事務長の監禁致死事件で逮捕されたオウム真理教元幹部平田信容疑者(46)が、警視庁丸の内署に出頭する前、捜査本部のある大崎署を訪れたり、110番したりしていたことが3日、分かった。接見した弁護士が明らかにした。
 弁護士によると、平田容疑者は先月31日夜、初めにJR大崎駅から捜査本部のある大崎署に行き出頭しようとしたが、署の掲示板に自身の手配写真がなかったため断念。公衆電話から特別手配容疑者の情報提供を募るフリーダイヤルにかけたが、話し中でつながらす、110番したところ、警視庁本部に行くよう指示された。
 このため、大崎駅からJRで恵比寿駅まで行き、乗り換えた東京メトロ日比谷線の霞ケ関駅で降りて、警視庁本部に行ったと説明したという。
 同容疑者は同日午後11時半ごろ、警視庁本部を訪れ「特別手配の平田です」などと何度も名乗ったが、いたずらと思った警戒中の機動隊員に門前払いされ、約650メートル離れた丸の内署まで歩いて出頭した。(時事通信2012/01/03-21:34)
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平田容疑者「電話つながらず」 出頭先求め転々か
日本経済新聞2012/1/3 22:00
 公証役場事務長の監禁致死事件で逮捕された平田信容疑者(46)が、「警察が情報提供を求めているフリーダイヤルに電話したが、話し中でつながらなかった」と話していることが3日、面会した弁護士の話で分かった。12月31日夜、出頭しようと警察署などを転々とした足取りも判明した。
 弁護士によると、平田容疑者は同日午後9時前、出頭を決意して事件の捜査本部がある警視庁大崎署(東京都品川区)前まで行ったが、署の受付は2階にあり、どこに行けばよいのか分からずに引き返した。
 その後、公衆電話から警察のフリーダイヤルに10回ほど電話したがつながらず、110番して「平田の事件を担当している署はどこか」と尋ねると「警視庁」と言われ、霞が関の同庁本部(千代田区)に向かった。
 JR山手線の大崎駅から恵比寿駅へ行き、東京メトロ日比谷線に乗り換えて霞ケ関駅で降車。
 しかし、本部庁舎前で警備中の機動隊員に、いたずらと勘違いされて“門前払い”。約700メートル歩いて同日午後11時50分ごろ、丸の内署(同区)に着いた。外にいた警察官に名乗ると「うそ」と驚かれ、「ほら、背が高いでしょう」と言うと「本当にそうなの」と署内に入れられたという。
 捜査関係者によると、日比谷線の恵比寿駅と霞ケ関駅で防犯カメラに同容疑者によく似た男が映っていた。警視庁は、他の駅のカメラ映像や切符も回収するなど、出頭前の詳しい足取りを調べている。
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平田容疑者逮捕、死刑囚13人の執行に影響も
 オウム真理教による事件で特別手配されていた平田信容疑者(46)の逮捕は、松本死刑囚ら13人の死刑囚の執行スケジュールに影響を与える可能性がある。
 法務省は、共犯者が公判中の場合は、死刑囚が証人となる可能性があることから、原則、執行を見送る運用をしているからだ。
 教団関連の刑事裁判は昨年11月にすべて終結し、松本死刑囚らの執行時期が焦点になっており、同省内には、「執行は、まず首謀者の松本死刑囚から検討すべきだ」との意見が強かった。このため、捜査関係者の間では、「あまりにも(出頭の)タイミングが良すぎる。松本死刑囚らの執行を免れる作戦ではないか」(最高検幹部)との見方が出ている。
 あるベテラン刑事裁判官は「平田容疑者の弁護側が『松本死刑囚が証人として法廷で真実を語るかもしれず、執行は待つべきだ』と主張すれば、執行にも影響が出るだろう」と予測する。最終的に執行は法相判断に委ねられるが、同省幹部は「死刑に消極的な法相であれば、執行しない口実にする可能性もある」と懸念する。
 ただ、松本死刑囚の執行にあたっては、平田容疑者の逮捕を考慮すべきではないとの意見もある。仮谷さん拉致事件については、ほかの元幹部らの証言で全容がほぼ明らかにされており、平田容疑者に直接指示したわけでもない松本死刑囚を証人とする必要性はないとの理由からだ。別の同省幹部は「松本死刑囚の証言で、平田容疑者の刑の重さが変わるとは考えられない。今回の逮捕を、松本死刑囚の執行を妨げる要因とすべきではない」と話す。
(2012年1月3日11時23分  読売新聞)
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「井上死刑囚ら数人が指示」=仮谷さん拉致現場まで車運転―逮捕のオウム平田容疑者
2012年1月3日14時5分[時事通信社]
 オウム真理教(現アレフ)による目黒公証役場事務長仮谷清志さん=当時(68)=の監禁致死事件で、逮捕された元教団幹部平田信容疑者(46)が、元教団幹部井上嘉浩死刑囚(42)ら数人の指示を受け、仮谷さんの拉致現場まで車を運転したと供述していることが3日、捜査関係者への取材で分かった。
 平田容疑者は、事件の指揮役とされる井上死刑囚のほか、既に有罪が確定した元教団幹部数人の名前を挙げ、「車を運転するよう指示された」と供述。また、接見した弁護士によると「仮谷さんに対する薬物投与は知らなかった。亡くなったことも後で知った」と話しているという。
 平田容疑者は、元教団代表松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)らと共謀し、教団から離れていた仮谷さんの妹の居場所を聞き出すため、1995年2月に仮谷さんを東京都品川区の路上で拉致し、山梨県の旧上九一色村の教団施設で麻酔薬を注射して死亡させたとして、逮捕監禁致死容疑で逮捕された。
 一方、捜査関係者によると、地下鉄サリン事件などで特別手配されている菊地直子(40)、高橋克也(53)両容疑者について、平田容疑者は「どこにいるか分からない」と供述。弁護士に対しては「連絡を取り合うことはなく、ずっと別行動だった」と説明したという。
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オウム事件:平田容疑者逮捕(その1)大みそか「平田です」緊迫、未明の逮捕
 ◇「迷惑かかる」潜伏先語らず
 大みそか、東京・皇居近くの警察署に突然現れた元オウム真理教幹部、平田信容疑者(46)。「平田信です。出頭してきました」と署員に告げ、17年近くに及んだ逃亡生活に終止符を打った。全国の警察や社会の「目」をどうくぐり抜けたのか。なぜ、今になって姿を現したのか。平田容疑者は1日未明に逮捕され、「一区切りつけたかった」と供述したものの、「人に迷惑がかかる」と潜伏先については供述を拒んでいるという。劇的な出頭・逮捕で、教団の闇はどこまで明らかになるのか。
 平田容疑者が出頭した丸の内署には1日未明、次々に捜査員が集まった。午前3時ごろには、普段は制服姿の署幹部が無言で署内を行き来するなど緊迫。さらに約1時間後、捜査1課幹部が、同署前に集まっていた数十人の報道陣に「後で(取材)対応するから」とだけ言い残し、慌ただしく車で走り去った。
 平田容疑者のこざっぱりした服装を見た捜査幹部は「路上生活をしていたとはとても思えない」と漏らした。「ひと目見て、平田だと思った」と衝撃も受けたという。平田容疑者は「いろんな所に支障が出たら困る」と、17年近く何をしていたのかを語ろうとしないといい、その足取りは謎のままだ。
 捜査関係者によると、平田容疑者は地下鉄サリン事件や警察庁長官狙撃事件が発生した95年3月ごろ、教団幹部から「逃走資金」として数百万円を受け取ったとみられているが、足取りが把握されているのは96年2月までだ。
 地下鉄サリン事件直後の95年3月27日、東京都内で運転免許証と旅券の更新手続きを行い、三重県へ。再上京した4月4日、免許証などを受け取ると、同13日にはフェリーで徳島市の教団信者宅に向かった。このころ、事件に関係するガスマスクなどの証拠物を北関東の山中に捨てたとみられている。
 同年8月には名古屋市内で当時逃亡していた林泰男死刑囚(54)と会ったとされる。教団の東京総本部や山梨県上九一色村(当時)の施設も訪れていたようで、ある教団幹部には「バーテンをやるか、山の中の陶芸をやるところに入り込めば逃げられる。札幌に行けば、昔の仲間がいるのでなんとかなる」などと語ったという。
 同年5月の指名手配後、逃走を支えたとみられるのが、教団看護婦だった女性信者(49)だ。この女性が96年2月までの3カ月間働いていた仙台市内の料理店の従業員寮のアパートには、一緒に暮らしていたとみられる形跡があったが、2人の足取りはこの後、途絶えた。
 警察当局は95年9月には特別手配をするとともに、北海道に住んでいる両親の家に立ち寄らないかを警戒。しかし、平田容疑者が捜査員の前に姿を現すことはなく、両親も昨年までに亡くなった。父親は生前、関与が取りざたされた警察庁長官狙撃事件について、平田容疑者から「俺は犯人じゃない」と電話で伝えられたといい、捜査員には「息子は犯人じゃない」と繰り返していたという。
 そして迎えた突然の出頭。警視庁によると、平田容疑者は、仮谷清志さん拉致事件について「車を運転しただけ」と触れる一方、出頭した経緯は「一区切り付けたかった」と供述するだけだという。弁護士を通じたコメントでは「国松長官事件が時効になって、間違った逮捕があり得なくなった。教祖の死刑執行は当然と考えている」としたが、真意ははっきりしない。
 出頭はしたものの、17年近い逃走経緯や支援者がいたのかは明らかにならないまま。捜査幹部は「出頭は、捜査をかく乱し、教祖の死刑執行停止狙いとみるのが自然」と指摘した。【内橋寿明、村上尊一】
 ◇射撃で国体出場 松本死刑囚警護も
 平田信容疑者は、射撃の腕前や一部の教団幹部の供述から、一時は国松孝次・警察庁長官狙撃事件(95年3月30日)への関与も取りざたされた。
 中高は札幌市内の私立学校に通った。学校関係者によると、温厚でおとなしい性格だったという。札幌商科大(現・札幌学院大)を卒業後にいったんは就職したが、87年8月、教団に出家。「車両省」に所属し、空手が得意だったため、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(56)のボディーガードも務めた。
 高校の射撃部でエアピストルの国体少年の部で11位になり、94年ごろにはロシアでの実弾射撃訓練に参加した経験も持つ。長官狙撃事件への関与が一部週刊誌に報道されたが、平田容疑者を知る信者は捜査員に「気が小さく、人殺しなんてできる人間ではない」と話したという。
 ◇最初は本庁出頭、機動隊員「いたずら」と判断 「丸の内署へ」指示
 平田信容疑者は当初、警視庁本部庁舎(東京都千代田区霞が関)に出頭しようとしたが、玄関前にいた30代の機動隊員が「悪質ないたずら」と判断し、身柄の確保などの対応をとらなかったことが分かった。警視庁警備部幹部は「事実関係を確認したうえで、今後の対応を検討する」としている。
 幹部によると、平田容疑者は12月31日午後11時35分ごろ、本部庁舎前に1人で現れ、警戒していた機動隊員に「平田信です。出頭してきました」と話しかけた。しかし、この隊員は、髪形や顔の肉づきなどが手配写真と異なる印象を受け、悪質ないたずらと判断。丸の内署の方向を示して「あちらに警察署があるので」と伝えた。
 平田容疑者は「特別手配の平田ですが」などとも話したが、隊員は無線で指示を仰ぐこともせず、再度、丸の内署に向かうよう指示。平田容疑者は「分かりました」と従い、同署の方向に1人で歩いていき、午後11時50分ごろに出頭した。
 ◇叔父、出頭に「ひと安心」
 平田容疑者は札幌市出身で、公務員だった父親は数年前に死去。母親はその後、平田容疑者の叔父に当たる自身の弟が住む北海道帯広市に移ったが、昨年7月下旬に76歳で病死した。叔父は1日夜、取材に対し「母親は連絡のない一人っ子の息子を待っていた。会いたかったと思う」と心情を思いやった。
 近所の知人らによると、母親が転居したのは3、4年前。叔父宅近くの一軒家で1人暮らししていた。町内会の集まりに参加するなど元気な様子だったが、息子がいることは周囲に話さなかったという。近所の女性は「亡くなった後に行方不明の息子がいるとうわさで聞いた。帰った時のために貯金もしていたようだ」と話した。
 平田容疑者について叔父は、札幌近郊の大学に通っていた20年以上前に会ったきりという。普通の学生だったが、入信後は連絡が途絶えた。「出頭を望んでいたのでひと安心している」と語った。【小川祐希】
 ◇平田信容疑者とオウム真理教を巡る経緯
 <87年>
 8月ごろ  平田信容疑者が教団に出家
 <89年>
11月 4日 坂本堤弁護士一家殺害事件
 <95年>
 2月28日 仮谷清志さん拉致監禁致死事件
 3月19日 杉並区マンション時限式爆発物事件
 3月20日 地下鉄サリン事件
 3月22日 警視庁などが教団施設を一斉捜索
 3月27日 平田容疑者が東京都内で運転免許を更新
 3月30日 国松孝次警察庁長官狙撃事件
 5月16日 松本智津夫死刑囚を逮捕
 5月31日 時限式爆発物事件で平田容疑者を指名手配
 8月ごろ  平田容疑者が名古屋市内で林泰男死刑囚と接触
 8月14日 仮谷さん事件で平田容疑者を指名手配
 9月14日 二つの事件で警察庁が平田容疑者を特別手配
11月ごろ  女性信者と仙台市内で生活開始(96年2月ごろまで)
<04年>
 2月27日 東京地裁が松本死刑囚に死刑判決
<06年>
 9月15日 最高裁が松本死刑囚の特別抗告を棄却。死刑が確定
<10年>
 3月30日 国松長官狙撃事件の公訴時効が成立。警視庁は「教団による組織的テロ」との捜査結果を公表
<11年>
11月21日 最高裁が遠藤誠一死刑囚の上告を棄却し、一連のオウム裁判が事実上終結
12月12日 最高裁が遠藤死刑囚の判決訂正の申し立てを棄却、起訴された189人全員の判決が確定
12月31日 平田容疑者が警視庁丸の内署に出頭
<12年>
 1月 1日 警視庁が平田容疑者を逮捕監禁致死容疑で逮捕
 〈毎日新聞 2012年1月3日 東京朝刊〉

オウム事件:平田容疑者逮捕(その2止)遺族「真実知りたい」
 ◇「なぜ今になって」 仮谷さん長男、供述に不信感
 「なぜ今になって」。平田信容疑者(46)が関与したとされる事件の被害者らにとっても、突然の出頭は予想外の展開だった。【小泉大士、長谷川豊】
 95年2月に拉致され死亡した目黒公証役場事務長の仮谷清志さん(当時68歳)の長男、実さん(51)は1日午前、東京都内の自宅前で集まった記者に「遺族としては真実を知りたいというのが切実な願い」と前向きに話した。
 実さんは、清志さんが死亡した経緯に疑念を抱いており、真相解明に期待を抱く。しかし、これまでも教団に振り回され、「一区切り付けたかった」という平田容疑者の供述をそのまま受け取れないという。「信者にかくまわれていた可能性もやっぱりあると思う」と指摘したうえで、事件の共謀者が公判中の場合は死刑が執行されないとみられるため、「出てくるタイミングが良すぎるのでは。幹部の死刑執行を延期するためとも受け止められる」とも加えた。
 ◇宗教学者・島田さん「事件まだ動いていた」
 平田容疑者は、仮谷さん拉致事件の翌月に東京都杉並区のマンションで時限式爆発物が爆発した事件でも特別手配されていた。この部屋は宗教学者の島田裕巳さんの元自宅だった。
 島田さんは1日午前10時ごろ、ツイッターの情報で平田容疑者の出頭を知った。「一連の裁判が終わり、忘れたような気になっていたが、事件はまだ動いていた」というのが率直な感想だ。
 島田さんも「なぜこの時期なのだろう」と、出頭の経緯には懐疑的だ。「証拠はないが、平田容疑者に支援者がいて、死刑の執行を遅らせようとして出頭させたのではないか」と話し、「支援者が松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚に今も帰依している可能性さえある」とも指摘した。
 爆発事件は、教団が起こしたとみられているが、経緯ははっきりしていない。04年7月には元信者が爆発物取締罰則違反容疑で逮捕されたが、不起訴となった。
 島田さんは「これだけ長く逃走していた平田容疑者の意志は強く、供述もしないのでは」と期待は掛けていない。
 ◇「捜査当局への積極的協力を」−−ひかりの輪
 教団の上祐史浩元代表が設立した「ひかりの輪」広報部は1日、平田容疑者逮捕について、「オウム事件の全容解明のために捜査当局に積極的に協力するとともに、自己と向き合って、二度と同様の事件を繰り返さないための総括・教訓を残すことを期待する」とのコメントを出した。
 ◇オウム事件で初、裁判員裁判対象
 平田容疑者が逮捕監禁致死罪で起訴されれば、教団の事件では初めて裁判員裁判の対象となる。
 ただ、裁判員法の規定では、対象事件でも、裁判員らに危害が及ぶ可能性があるなどと裁判所が判断した場合は、裁判官だけの公判に変更できるとしている。過去には、暴力団抗争に絡む殺人事件で、裁判員裁判の対象から除外されたケースがある。
〈毎日新聞 2012年1月3日 東京朝刊〉

オウム中川被告「寝耳に水」=仮谷さん殺害示唆を否定―きょう上告審判決・最高裁
2011年11月18日15時6分
 オウム真理教による1995年の公証役場事務長仮谷清志さん=当時(68)=監禁致死事件をめぐり、教団元幹部中川智正被告(49)=一、二審死刑=が事件直後、殺害を示唆する発言をしたとされる問題で、中川被告は時事通信の取材に対し、「寝耳に水の話で全く事実ではない」と発言を否定する内容の手紙を18日までに寄せた。
 中川被告の上告審判決は午後に言い渡される。オウム事件の裁判は21日の元幹部遠藤誠一被告(51)=一、二審死刑=の上告審判決で終結する見通し。
 手紙は13日付で、手書きで便箋に3枚。元幹部井上嘉浩死刑囚(41)が今年8月、遺族に対し、中川被告が事件直後、「殺害できる薬物の効果を確かめようと点滴したら、亡くなった」と発言したと伝えたことについて、「真偽は別にして、井上君が彼なりの真実を述べるのであれば、ご遺族の方々の関心の高い内容だけにもっと早く話してほしかった」と不快感を示した。その上で「井上君が述べている話は、私の記憶とも実際にあったこととも違う」と改めて否定した。[時事通信社]
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オウム真理教:井上死刑囚が仮谷さん「殺害」示唆の手紙
 オウム真理教による東京・目黒公証役場事務長の監禁致死事件(95年)で、事件に関与した井上嘉浩死刑囚(41)側が、被害者の仮谷清志さん(当時68歳)の遺族に対し、事件が殺人だったことを示唆する手紙を送っていたことが分かった。遺族は「『告白』を機に、事件の真相を知りたい」と話している。
 仮谷さんの長男実さん(51)によると、井上死刑囚の話を家族が代筆した手紙で、今年8月に届いた。仮谷さんの死後、中川智正被告(49)=1、2審死刑=から「ポア(殺害)できる薬物を点滴したら死亡してしまった」と聞いた、などと記されていた。
 手紙には「中川被告の刑が確定すれば面会もできなくなると考え、この時期に伝えた」との記述もあった。ただ、実さんが先月21日に中川被告と面会した際には、「積極的に何かをしたわけではない」と殺害を否定したという。実さんは「裁判が終わった後でも、改めて関係者から話を聞きたい」と話している。中川被告の上告審判決は18日、言い渡される。
 これまでの確定判決によると、井上死刑囚や中川被告らは教祖の松本智津夫死刑囚(56)の指示を受け、信者の居場所を聞き出そうと95年2月28日、東京都品川区の路上で、信者の兄の仮谷さんを拉致して監禁。3月1日、全身麻酔薬の副作用による心不全で死なせた。遺体はマイクロ波焼却装置で焼かれた。
毎日新聞 2011年11月12日 20時45分
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